第17淡 対スライムその13
「えいっ!やあっ!とうっ!」
自分で言うのも何だが、可愛らしく小枝を振る俺。
昨日に引き続いて今日の狩りでもビッググリーンスライムを2匹を倒してレベルアップを果たしている。
「はっはっはっ!良いぞアル、その調子だ。」
「フフフフ……アル君ったら、もうアレクに稽古して貰ってるの?」
そして、今は夕食後の一家団らん中である。
アレクというのはアレハンドロの事だ。
親しい者にはというか、小さな村なので皆にアレクと呼ばれている。
一部の若者達には「団長」と呼ばれてるみたいだけどね。
と言うのもアレクは、前出の通りカルベリオ村の自警団長なのである。
前の自警団長は、村長の息子だったらしいんだけど、冒険者を志して村を出たのに伴いその役職を引き継いだとの事。
元々、アレク自身も団員ではあったので移行はスムーズに行われたそうだ。
まあ、村の自警団なんて寄せ集めというか組織的な戦闘が出来るようなもんでもない。
小さい頃からつるんでいる仲間のような関係の延長線上だ。
とりあえずのまとめ役が居れば事足りるのであろう。
「はっはっはっ、こんな小さい頃から鍛えてたら、父さんを超えるのも時間の問題だな!……おっとアル、そこはもっと脇をしめて振るんだよ?」
そんな俺の評価はいざ知らず得物の振り方を教えてくれるアレハンドロ。
いや、もちろん棒術の腕を上げたい俺にとって指導は有り難いんだけどね。
「こうかな?……えいっ!やあっ!とうっ!」
3歳児の演技をしながらじゃないといけないから、ちょっともどかしい。
「お~、更に良くなってきたぞ。後は踏み込みだな、バンと強く踏み込むんだ。」
「そうそう上手よ、アル君。」
うん、家族の思い出の1ページとして悪くない。
別に前世で家族に恵まれてなくて暖かい家族に憧れてたとかそういうわけでもないんだけど、暖かい家庭の雰囲気っていうのは何度味わっても良いもんだ。
一通りアレハンドロから、型的なのを教わると夕食を終えてから小1時間経過していた。
「……アル君、もうそろそろ寝る時間よ~。」
マルタがあらいけないっという表情を浮かべて俺に就寝を促してくる。
「……アレクは……アル君を寝かし付けてくるからちょっと待っててね。」
そして、俺の手を取りながら、アレハンドロに向かってウィンクをする。
「おうっ、アルは寝付きが良いから助かるよな~。他の家の子みたいに夜泣きもしないしさ。
……また二人っきりの時間を作れてるおかげで新婚気分が甦ってるしな。」
アレハンドロはマルタのウィンクに応えるように近付いてキスをする。
……えっと二人が夜、仲良くしてる時、全然起きてますよ。
夫婦仲が良いのは子供としては幸せなことだけどね。
「スースー……。」
そんなこんなでベッドに入るとすぐに寝息をたてる俺。
やっぱり身体は3歳児、ホントにうとうとしてくるのは早いのだが……。
「二人っきりだねマルタ……愛してるよ。」
「そうね、アナタ。……私もよアレク。」
…………お熱いことで……。
ガルシア家の夜は、更けていく……。
ーーーーーー
主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:3歳
身長:96cm
体重:15kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:17
状態:正常
体力:15/15(➕2)
魔力:2/2
筋力:13(➕1)
反応:8
耐久:9(➕1)
持久:8
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士0
能力:棒術経験値向上F、棒威力向上F
技能:棒術0、投擲術I
加護:なし
装備:溝堀りスコップ、麻の服、木皮の靴




