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作業ゲー的異世界転生  作者: 蜜柑太郎
第1章 ホイホイ
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第12淡 対スライムその8

ザック……ザック……ザック……


森の際付近で断続的に聞こえてくる土を掻き出す音。


時刻は、昼から小1時間程経ったくらいだ。


音の主は、もちろん俺。


午前の内にスライムホイホイのガイドの部分は作り終えて、途中グリーンスライム叩きを挟みつつも、今はスライム溜まりとなる穴を掘っている所である。


「体重がない分だけ掘る能力は劣るだろうけど、単純な筋力だけなら中高生くらいにはなってるな。」


その中で改めて自分の成長と異世界にきたことを実感する。


3歳児としては、通常ありえない身体能力なのである。


しかも、筋肉モリモリマッチョマンの変態になるとか身体的な変化があるわけでもない。


カルロス爺さんが言うには、

「身体は鍛えとった方がええ。

それによってステータスの上昇値が変わってくるからの~。」

との事だから、筋トレやらの効果がないわけではないが、

強さに関しては、圧倒的にレベルアップによる数値に依存している世界だ。


まあ、弛んだお腹にはなりたくないから、結果にコミットする運動はしていくつもりだけどね。


それはさておき、2時間かけてスライム溜まりも掘り終えた。


あとはスライムが本当に入ってくれるか確認作業は必要だし、それによっては修正も必要な部分もあるかもしれないが、概ねスライムホイホイ完成。


「よし、休憩も兼ねて、少し離れた所で見張ってみるか……。」


スライムホイホイ全体が見える場所まで離れて腰を下ろす俺。


調度良いタイミングで湧くスモールグリーンスライム。


ウニョウニョと柵のように地面に刺した枝沿いに進んでいく。


「おっ、良い感じじゃん。

あとは、上手くスライム溜まりに落ちてくれるか………………おっし、樹の陰でよく見えなかったけど、ちゃんと落ちたっぽい。」


ダッシュでスライム溜まりに近付くと、まんまと穴の中に落ちているスライム。


1m程掘った穴からは逃げ出せそうな雰囲気もないので、スライムホイホイとしての機能は問題ないようだ。


俺は、ガッツポーズを取ると、その日は不意に強くなってきた眠気に急いで家路につくのであった。


………………………


翌日、ウキウキしながら調整池に向かう俺。


「20匹全部が溜まってくれてたら良いな……って、おわっ!?」


スライム溜まりの前まで到着した俺の目にぎゅうぎゅう詰め状態のスライム1匹が飛び込んでくる。


スモールグリーンスライムではなく……いや、グリーンスライムでもない。


2.5m×2.5mという感じで大きさが全然違うのだ。


「こ、こういう時こそ平常心だ。ヒッヒッフゥー……じゃなくて、スーハー……スーハー……。」


俺は、深呼吸して心を落ち着かた後、鑑定単眼鏡モノクルアプライザーでステータスを確認する。


種族:ビッググリーンスライム

状態:正常

体力:24/24

魔力:4/4 

筋力:5

反応:2

耐久:10

持久:7


「ビッググリーンスライム……そのまんまの名前だけど、ステータスはビッグって事だけあるな……。」


何しろゴブリンの2倍はある圧倒的な体力。


ただ、反応の低さは、際だったものだ。

他の数値は、一応上がってるのに反応はグリーンスライムと変わらない。


「これが噂に聞く種族ごとの成長限界値ってやつか……それにしたって2というのは低過ぎない?」


ステータスの合計値的には、俺より全然上なのだが、反応が低いのと、現段階で掘った穴に完全にハマって身動きとれていない状態のため、そこまで脅威は感じない。


唯一警戒すべきは、飛ばしてくるだろう水球だが、すぐ樹の陰に入れば防ぐことは可能であろう。


「…………戦ってみるか。」


俺は、状況を分析した上で、交戦を決心する。


やる事は、グリーンスライムに対してと変わらないんだけどね。


すぐ樹の陰に入れるようなポジショニングからの連続投石だ。


グリーンスライムより耐久値が高いためか、投石が当たって飛び散る体片は、少ないが効果があって一安心。


「大リーグボールだっ!」


「大回転魔球だっ!」


「4○ソニックだっ!」


そうと分かれば、肩が壊れるまで……いや、壊れるちょっと前まで投げ続けるだけである。


延々と熱闘甲子園すること50球。


2度ほど1m大の水球を飛ばしてこられた時は、肝を冷やしたが、予定通り樹の陰に入って防御する事が出来た。


今やビッグスライムの身体はスモールグリーンスライムとは言わないまでも、80㎝くらいのサイズになってしまっている。


少し迷ったが、スライムの身体が穴に隠れるようになってきて投石ではダメージを与えにくいため、直接攻撃に移行。


「秘技スコップ五月雨突き!!」


俺は、叫ぶ事で恐怖心を和らげながらの連続突きを繰り出す。


核の辺りを7~8回突いた所で、いつもの空気の抜けるようなフシュー音。


珍しくこちらが掴まれそうなくらいギリギリまでスライムから触手が伸びていたが、触れられる前に倒せたようだ。


スライムは、身体を四散させ地面に消えていった。


「投石の有用性フォーッ!!……いや、真面目に遠距離攻撃手段も持っておかないとだわ。」


グリーンスライムに対してもそうだが、

やはり一方的に攻撃を加えられるメリットは大きいのである。


鍛練メニューの中に投擲も入れようと思う俺であった。


あ、当然この大物食いでレベルアップも果たしたよ。



ーーーーーー


主人公のステータス

名前:アルベルト=ガルシア

種族:人

性別:オス

年齢:3歳

身長:96cm

体重:15kg

出身地:カルベリオ村

所属:なし

業カルマ:-1

徳モラル:-2


Lv:12

状態:正常

体力:9/9(➕1)

魔力:2/2(➕1)

筋力:9

反応:6(➕1)

耐久:6

持久:6

※( )内は、前話からの変化値


職業ジョブ:戦士0

能力アビリティ:棒術経験値向上F、棒威力向上F

技能スキル:棒術0、投擲術0

加護ギフト:なし

装備:溝堀りスコップ、麻の服、木皮の靴

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