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ライトノベルじゃあるまいし  作者: ASK
第ニ章【ゴブリン・パトリダ】
83/105

第55話 緩慢と緊迫

こんにちわ!


 今回は会話回と言っても差し支えないほどに会話がベースになってます。

 今後の伏線も含まれてますので、たわいの無い話って言うほどでもないです。


 本編どうぞ。


「それにしたってグロテスクだったな」



 日は随分と高くなり、影が短くなった昼下がりの晴天。気持ちのいい風も、肌を焼く陽光も、今ばかりは、勝利への祝福と思える。


 端的に感想を述べた俺だけれど、事実、まさかキリグマを粉々にしてしまうとは思ってもみなかった。


 視界にヒビが入ったかのような黒い雷と、大きく振りかぶった拳。いくら“始祖の力”を解放し、紫紺石の魔力による限界突破状態だったとはいえ。


 まさしく、かみなりパンチといったところだろうか。



「それくらい、もう慣れたでしょう? ラン様」


「いやいや……てか、もう傷、治ったのな。すげぇな」



 魔力によって補完された体内神力を使って、回復神法をレプトスとアグノスに使うピズマの体を見て、呟いた。


 キリグマとのノーガードの殴り合いでは、もう、何というか、グッチャグチャになっていたというのに。


 それほどに始祖の血の回復力は凄まじいらしい。



「あ、ピズマさん、この2人にもお願いします」


「もちろんです」



 紀伊きいちゃんに肩を叩かれたピズマが、今も意識のない紗江さえと、外敵損傷のひどい島崎に振り返る。


 神法の光が2人を包んだ。



「……何があったのか知りませんが、桃色の髪の女性は、精神に甚大なダメージが及んでいるので、回復神法だけではさすがに」


「うん。色々とイかれた身体だけ治してくれたら十分だよ。無理に動かさずあとは寝れば治るだろうし」


「楽観的だなぁ」



 思わず呟いたが、もちろん本心。だって、ピズマの神法でも意識を取り戻さないなんて、やっぱりそれだけ“中身”が傷ついてるってことじゃないか。


 大丈夫だよな? 脳への負担のせいで記憶の一部を無くしましたとかないよな?


 前回の異世界──ラブコメの世界で、恐らくは主人公であった俺が初めて会ったヒロインが紗江なだけあって、未だにメインヒロイン感を拭えないけれど、往往にしてメインヒロインは悲劇に見舞われるものだろうに。


 ライトノベルの流れ的には、確かに最初に出会った女の子がメインヒロインかもしれないが、俺の心境的には立花たちばなミズキがメインなんですけどね。


 まぁ『変態おしっこ野郎』なんて呼ばれるほどには、最低最悪な告白をしたせいで、立花本人からは死ぬほど嫌われてるらしいし、このエロゲに立花ルートは無さそうだ。


 ……って何がエロゲだ。この世界に来てからはもう地獄みたいな戦闘ばっかじゃねぇかよ。もっと転んだ拍子におっぱい揉みたいし、扉を開けたら着替え中のヒロインに叫ばれたいし。


 お兄ちゃん大好きな妹におはようのキスをしてもらいたい……って、そうか、妹はダメだった。中身が立花だからな。千葉ちば瑞樹みずき(cv.立花ミズキ)でした。


 もういいもん。アマルティアの腋の下ぺろぺろして満足するもん。したことないけど。



「てかさ、ピズマ。それ(・・)、元に戻るのか?」



 ピズマの黒い体を指差して言う。



「……あぁ、色ですか。この力は、小さな頃に一度、誤って解放してしまったことがありましたが、1日もあれば元どおりになったと記憶しています」


「ならいいけど。このままだと、ピズマがキリグマだと勘違いされて、世界がまた騒ぎ立てそうで怖いわ」



 漆黒のゴブリンなんて、キリグマしか知らない世界にとってみれば、今のピズマとキリグマの見分けなんてつくわけがない。



「しかし、それにしても。この“力”は一体……? 魔力、と言っていましたが……」



 ピズマが、島崎の背中をさする紀伊ちゃんに視線を向けた。



「私たちの仲間に魔法使いがいるんだけど、その子凄くてさ、魔力を物体に注入できるんだよね。ピズマさんが、矢の先端と一緒に食べちゃったあの石には、信じられないほどの魔力が込められてたんだよ」


「まぁそのお陰でキリグマにも勝てましたし、感謝はしていますが……これ(・・)も戻りますよね?」



 全身を包み込むような、淡い、紫紺色の魔力光に、ピズマは珍しくビクビクしている。まぁ、変な感覚なのはわかるけど、ビビるほどではないだろ……。



「ふふ、そんなに怯えることないよ。それこそ数分しか持続しないから今のうちに楽しんでおいたら?」


「お言葉に甘えて」



 一言、そう言ったが早いか、ピズマが視界から消える。遥か遠くの森の木が倒れる音と光景にため息が出た。



「子供みたいだな、ピズマは」


「いやいやアマルティアくん。紫紺石アレ、本当に凄いんだって。自分が自分じゃないみたいで、最強になった気分を味わえて楽しいんだよね」


「ふむ、死ぬまでに一度は体験してみたいものだな」


「あ、アマルティアくんは『龍の加護』に護られてるから無理」


「そんな……」



 膝から崩れ落ちるアマルティアの肩に手を置いた俺は、短剣ダガーの刃を注意深く見つめているレプトスに目を向ける。



「レプトスの短剣ダガー、ボロボロになっちゃったな。アグノスの剣は大丈夫みたいだけど」


「僕の剣は師匠から貰ったものだからね。そこらへんの刃物とは次元が……」


「あーはいはいアグノスの剣自慢は結構。それを言ったら私の剣だって師匠からのお下がりだし」


「何だと! 僕が打ってもらった剣もどちらも一級品だ!」


「むむ、アグノス。ならば私にくれたこの剣は、そのお師匠様のものだったのか?」


「うん。師匠はね、一人前になったと認めてくれると、剣を打ってくれるんだ。僕たちに合わせた特注のをね」


ふた振りも打って貰ったのはアグノスくらいだけどね。アマルティアくんもいつか師匠に合ったらアマルティアくん専用のを打ってもらうといいよ」



 おおー! と。目をキラキラさせるアマルティアに、口元が緩む。やっぱり男の子だな。


 そうだよな。師匠から受け継ぐ、とか、師匠の打ってくれた剣とか、いいよな。……それに比べて。



「俺の師匠であるどこかの誰かは、ちょっと高いナイフを買ってくれただけだったけどな」



 ジト目でレプトスを睨みつつ言うと、アグノスが答えた。



「でもランくん、それ、『龍殺しのナイフ』なんでしょ? レプトスが言ってたよね。事実、そのナイフがアホみたいに光って、あの炎の龍皇フロガを倒しちゃったわけだし」



 思わず返答に詰まった。そうだった。そういう設定で誤魔化したんだった。


 たかがナイフ一本でフロガを倒した俺に、どうやったのかと詰め寄るピズマとアグノスには、レプトスがそう言って誤魔化したのだったけれど、しかし今考えると意味わかんねぇな。弟子に龍殺し専用のナイフを買ってあげるってどういうことだよ。



「な!? ラ、ラン! 私に勝ちたいからといって、そんなものまで……!?」


「ちげーよ! てかティアが龍皇になる前に買って貰ったナイフだし」


「ひゃはは。高度なイジリのつもりで、ふざけて買ったんだが、それでパトリダの危機を救ったんだから、まぁ悪くはねぇだろ?」


「おい! イジリだったのかよ!」


「龍専用とかいう胡散うさん臭い商品を買って弟子にあげる気分はそりゃよかったぜ。ひゃはは」


「刺すぞ」



 とことんクズじゃねぇか。


 しかしまぁ、話を聞いてたら、アグノスと紀伊ちゃんの、あと一応アマルティアの、師匠にも合ってみたいもんだな。なにせ、ゴブリンも人間も関係なく教えてたんだとしたら、それはこの差別の色濃い世界においては凄いことだ。


 特にゴブリンなんか扱いが酷いからな……こうやって普通に会話できる紀伊ちゃんや紗江、島崎が世間からズレてるだけの可能性が濃い。



「あぁ、そうだったんだ。『龍殺しのナイフ』ね」



 俺の腰に結ばれたナイフケースを見つめながらそういった紀伊ちゃん。見るからに、というか聞くからに納得した様子だが。



「フロガのおじいちゃん、ランくんが倒したって世界新聞で読んだけど、どうやったのかなとは疑問だったんだよね。今日の戦いの中で真の力とか見れるかなー、とは思ってたけど」


「操られてたからな、ランは」


「しょうがねぇだろ! ティアは龍に護られてるし紀伊さんたちは魔力に免疫があるとかずるいし……」


「でも操られてるときのランくん凄い強かったよ。急所しか狙ってこない感じ」



 お、ちょっと嬉しい。まぁ実際、体が勝手に動いていたので俺の実力と言っていいのか定かではないが、あの戦い方はレプトスから教わったそれで、アストロロギアがそれを熟知していたわけではなかったのを思えば、俺の深層心理に刻まれた戦法を基盤に、自我のみを奪った形になるのだろうか?


 つまりは、味方を傷つけることに対する抵抗のみを魔法で抑え込んだ形。体が覚えてる殺し方はそのままに、みたいな。


 まぁ色々と迷いがなくなるから──迷う自我がないから、冷徹な殺戮マシーン感が出たのかもしれないな。



「ひゃはは。修行の賜物だな」


「嘘つけ。まだ一人前だとは思ってないくせに」


「バレたか。まぁナイフを振るのに音がするようなガキンチョだからな、まだ。ひゃはは」



 音もなく短剣ダガーを振り回せるお前がおかしいんだよ。


 破れた服の袖でナイフをキュキュッと磨いていたレプトスは、そのニヤケ面を上げた。



「ひゃはは。俺の弟子がクソザコなのはおいといて」


「おいこら」


「金髪のお嬢ちゃんたちは、そもそもどうしてリム湖に来たんだ?」


「“お嬢ちゃん”って年齢でもないけど……」



 少し子供に見られて恥ずかしそうな紀伊ちゃんがいびきをかいて寝る島崎と、意識の戻らない紗江を見下ろして口を開いた。



「そもそもキリグマ脱獄の記事を見た時点で、スタヴロス監獄の混乱が次に招くのは、他の囚人の脱獄だとは、予測してたんだ。仲間の『神託者ウィザード』がほとんど国のお偉いさんに呼び出されてて、多少はバタついたけど、準備はしてた」


「では、キリグマよりは、二次災害として現れる囚人たちへの対処を目的としていたのか?」


「アマルティアくんの言う通りで、私たちは人間領ミミルに近いスタヴロスから、脱獄して来た囚人──監獄囚人ターゲットと私たちは呼んでいたんだけれど、彼らが根城や食料、金品欲しさに、ミミルの町を襲うことを恐れてたんだ」


「僕らはあまり考えていなかったなぁ。やっぱり紀伊のいる所と違ってパトリダは広い割に危険な場所とは縁がないから」


「戦争を除けばね。……ともかく、現れた囚人──今思えばあれも大量の死体人形だったんだろうけど、とにかく数の多い敵がミミルの近くまで攻めて来て、防戦一方なのも気に喰わないし、私は別の部隊の隊員を連れて、ひたすらスタヴロスを目指した」


「で、囚人たちがバラバラに逃げるどころか、“誰かに操られてる”かのように集まって行動していると気がついた、か。ひゃはは」


「うん。『屍術師ネクロマンサー』の死体人形に随分と踊らされて、ヴァミオン遺跡にまで行っちゃったりして、出遅れたんだけどね」


「……紀伊さん。その、死んじゃった人たちは、どうするの?」



 未だにリム湖湖底に転がる、内部が焼け焦げたような凄惨な死体の数々。無論、紀伊ちゃんたちが連れて来た人間の戦闘部隊員のみならず、アストロロギアの部下として操られていた囚人の死体もあるが。



「うん。正直困ったな。全員持って帰りたいけど……この数はさすがに。その上、みんな私の受け持つ部隊じゃなくて、違う部隊から借りて来た隊員たちだから、尚更申し訳が立たない」


「……ショックとかは無いの?」


「ランくん、意外と優しいんだね。でもごめん、私、この世界に汚されちゃったのかわかんないけど、人が死んじゃうことに疑問を抱かなくなっちゃって」



 心臓をねじ切られるような痛みに襲われた。


 遊園地で、間接キスをしただけで照れていたあの紀伊ちゃんが、人の死にさえ慣れてしまっていた。そうしなければ生き残れないほどに過酷な世界だとは重々知っているけれど、それでも。


 やはり、そばにいられなかったのは、あまりにも。



「ひゃはは、ラン。悲しそうな顔してるけどよ、金髪のお嬢ちゃんからすれば、5歳かそこらで人の殺し方を覚えてるようなお前や、お前の一個上で、龍皇なんて運命に選ばれちまったアマルティアの方が、可哀想だとは思ってると思うぜ?」


「レプトスさんには見透かされてたか……まぁうん。正直、こんないつ死んじゃうかわからない戦いを、この歳でしてるなんて、保護者たちの気が知れない」



 アグノスを睨む紀伊ちゃん。しかし、本気で言っているわけではないようで、すぐにニヤリと笑みを浮かべた。



「けど、君たちが今、幸せなら、それで十分だよ」


「……キイは、幸せではないのか?」


「絶対に死んでほしくない仲間もいるし、戦闘部隊の隊長もやらせてもらえて、色々と楽しいから幸せだよ…………って、言いたい所だけど」



 頬をぽりぽりと掻いて、下手くそに笑う。



「ずっと、探してる人がいて。ずっと、好きな人がいて。この世界でその人に会いたいと、ずっと願っているけれど、その人の目撃情報すら入ってこないような次第でさ。どんなに楽しい生活でも、心に穴が空いたままなのは確かなんだ」


「…………」



 何も言えるわけがない。信じてもらえたとしても立場上、ゴブリンと人間というだけでこの世界では共存できないと、諦めた俺自身が、今更に慰めにもならないような戯言を抜かしても、紀伊ちゃんは喜ばない。


 今の俺には、誰も救えない。



「ひゃはは。まぁ──案外近くにいるのかも知れねぇけどな」



 思わずレプトスに振り向いた。が、当のレプトスは紀伊ちゃんの方を向いていて、その顔は見えなかった。


 今更、不思議でも何でもないけど。レプトス、お前、やっぱり。


 何か──知ってる。



「ただいま戻りました」



 俺以外、ほんわかした雰囲気のリム湖に、ロケットミサイルのごとき速度で帰って来たピズマ。もうほとんど、紫紺色の光は消えている。



「おかえり、ピズマさん。どうだった?」


「最高でした」


「食い気味だね……そりゃよかった」



 珍しく息を荒げて、しかし笑顔を絶やさないハイテンションのピズマ。大抵、落ち着いているピズマでさえこんな子供みたいになるとは、恐ろしいな、紫紺石。


 そんなに楽しかったのかよ。



「フロガのおじいちゃんが死んじゃって、もう人間とゴブリンの戦争はこちらの負けみたいなところがあって、だからもう私たちが攻め入ることはないんだけどさ。だからこそぶっちゃけちゃうと、その紫紺石、実は大量生産して、より多くの兵士を魔力で強化しようって話もあったんだ」


「今後また戦争が起こるかも知れないのに、それバラしてしまってよかったのか? 紀伊、それは割と大掛かりな戦法だろうに」


「うん。龍皇を頼らない戦法の中では、必殺技って感じだったんだけど。だからこそ、言っても構わないんだよ」


「どうして?」


「だって、最終手段としていた作戦が、無意味だとわかったからね。……端的に言うと、私の部下に紫紺石を使って魔力で強化しようと、それが束になってもあなた達一人ひとりにすら勝てないなってわかったから」


「謙虚だな、随分と。ひゃはは」


「いやいや、私はもちろん別だよ?」



 20歳とは思えない平たい胸を張って言う。しかし、その実力は重々承知してるので、少し怖い。



「ひゃはは、いいねぇ。もしその時が来たら俺とも戦ってくれよ」


「だーめーだ! 紀伊は僕が倒すんだ! これは師匠の元で修行してた頃からの僕の目標なんだ!」


「私を倒すのが目標とか言ってる時点で、私より下って認めちゃってるから、いつまでも勝てないんだよ」


「紀伊だって僕に勝ったことないだろう! 今のところ引き分けだ!」


「はいはい」



 紀伊ちゃんのことになると、アグノスはすぐにムキになるな。因縁が深すぎる。



「あ、紀伊さん。さっきから気になってたんだけど、元龍皇フロガのこと、“フロガのおじいちゃん”って呼んでるのは、親しいからなの?」



 振り向いた紀伊ちゃんが、嬉しそうに口を開く。



「うん! まぁ私が一方的に親しげなだけなんだけどね。短い間、フロガのおじいちゃんにはお世話になってたんだ。2人で旅をしてた」


「えええええ!? そ、それ、凄くない?」


「でしょ? だから、私は親しい関係──まさしくおじいちゃんと孫娘って気持ちではいるんだけどさ」


「天涯孤独って言われてたあの龍皇フロガですので、短い間とは言え共に行動した者がいるとは……驚きました。さすがです。すごいです」



 紫紺石を使ってくれた紀伊ちゃんに恩義を感じているのか、やたらと褒めるピズマに、紀伊ちゃんも思わず苦笑い。



「それほどでも……。まぁだからと言って、フロガのおじいちゃんを殺したランくんを恨むことはないよ。フロガのおじいちゃんも、死にたがっていた(・・・・・・・・)し」


「それってどういう──」



 こと?、と。訊こうとした、瞬間。


 何もわからない俺と、眠っている島崎と紗江を除いた、全員が。


 殺し合いの最中さながらの形相で、俺の背後に振り向いた。


 驚いて一瞬固まった俺だが、ただ一点、俺の背後のずっと奥を睨みつけるみんなを見て、ゆっくりと後ろへ振り返った。



「────」



 フード付きの、大きな深緑色のマント。深くかぶったフードの奥、昼下がりの陽光を反射する鉄の仮面。


 一切の模様も、凹凸も無い、ただ銀色に輝く、無機質で無感情な、冷たい仮面が、横並びに浮かぶ。


 横一列に並んで立つ、深緑色のマントの何者か達は、誰1人、ピクリとも動かず、言葉もなく、ただその鉄仮面を鈍く、光らせていた。


 マントで全身が覆われているとは言え、見た目、身長だけでも、全く個人差を感じさせない、それこそ量産型といった言葉が似合いそうな、謎の集団。


 恐ろしいほどに静かなリム湖を、またも、鉄の音──靴底による足音が引き締めた。


 全身鉄のロボットなんじゃ? と、間抜けにもそんなことを想像したけれど。



「──罪には、罰を。断罪のときである」



 1人、前に進み出た者の、鉄仮面の奥から鼓膜に届いた声は、ひどく生々しく、無感情と激情を併せ持ったような、矛盾を孕んだ声音だった──




ありがとうございました!


相変わらず、感想とレビューは増えません……


 ブクマは、少し増えましたけど。読者さんはお気づきの通り、この小説、いい評判が貰えるほどのクオリティでは無いのです。ちくしょう。


 今日で春休みが終わるので、更新頻度が落ちます。本当に申し訳ないです。

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