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ライトノベルじゃあるまいし  作者: ASK
第ニ章【ゴブリン・パトリダ】
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第27話 蒼き宝玉は少年を……

おっすオラ悟空。


嘘ですごめんなさい。こんにちは。

今話は、途中で語り部が変わります。

正直、アマルティアが語り部だと、常に口調がある程度整っているので、書きづらいとも思ってましたが……。


 大空高く飛び回る赫き龍は、灼熱の熱風を伴って、その猛々しい尻尾を振り回し、叩きつける。


 時折、耳をつんざくような咆哮と共に、龍のその大口からはき出される火炎は、遠く離れた、この北の海まで熱気が伝わるほどだ。


 西の空は赤く。立ち込める砂塵に吹き荒れる熱風。果たしてあの西の空の下、荒野は、どれほどの惨状になっていることやら。想像もつかない。


 しかし、目に見える距離にあの龍がいる、ということを差し引いても、あの光景を他人事だと無視できない理由がある。


 無論、ランが、あの場所にいるから、である。


 さらにはランだけでなく、多くの兵士やレプトス、ピズマもいるらしい。


 縦横無尽に暴れ回るあの龍が、何に対して暴れ回っているのか、それはもう明白ではないだろうか。


 心配なんてものじゃない。だってあの龍の姿が想起させるのは、死への恐怖と生への諦めのみ。見た目で判断するタイプではないと自覚しているが、あれはもう別だろう。



「……ラン……!」



 思わず口にした。心を侵食する不安と、自分には何もできないというやるせない気持ちで、気分が悪くなる。


 腕で自分の体を抱いて、嫌な汗を流す私を見て、アグノスはいつものように優しく言う。



「大丈夫だよ、アマルティアくん。ランくんのずる賢いところは君が一番分かってるだろう?またレプトスと何か企んで、うまくやり過ごしてるさ」


「でも、アレは、さすがに……」



 赫き龍を指差して、震える声で返す。一瞬だけ、険しい表情になったアグノスは、それでも笑った。



「そもそも、レプトスがいるんだ。あいつがいる限りみんな無事だって。絶対そうだ」


「……随分と信頼しているのだな」


「小さい頃から一緒だからな。あいつは昔から、何でも簡単にこなすやつだったからさ。そんなレプトスが何かに苦戦する様子は、想像できないんだ」



 嬉しそうにアグノスは話す。


 それに、と。アグノスは続けた。



「ピズマもいれば、デクシアもいるし、ね」



 その発言に、食い気味に反応したのは、イギアさんだった。



「デクシアくんも西の荒野に!?……てことは、アリステラちゃんも!?」


「ああ。何だ、イギアは知らなかったのか」


「だって!パトリダの幹部の実力は、隠蔽してるはずじゃない!」



 急に動揺と混乱を露わにしたイギアさんだが、その様子に何か思うことがあったのか、少し黙ってから、アグノスは何か気が付いたように呟いた。



「……あ、イギアに伝えておいてって、言われてたんだった」


「はぁっ!?」



 目にも留まらぬ速さで拳を突き出し、アグノスの脇腹を殴るイギアさん。膝から崩れ落ちるアグノスを無視して、イラついたようにイギアさんは言葉を吐き出す。



「……説明して」


「こわっ」


「あぁ?」


「すんません」



 つい本音が口からこぼれたキイを一瞬で黙らせたイギアさんは、お腹を押さえてうずくまるアグノスを軽く蹴って睨みつけながら。



「早く説明して。現状、全部」


「う、うぅ……。まず、なぜ世界から隠しているはずのパトリダの幹部が今日、戦場に立っているのかと言えば、それは、パトリダの軍の上層部のハイゴブリンたち、その中でも作戦立案班の頭のキレるやつらが、今日試しに、幹部を導入してみようという案を出したんだ」


「どうして」


「もう、一部の種族や情報屋には、バレてるらしいんだ。最弱の種族であるはずのゴブリンに、強い個体がいる事実が、ね。だったら、どこまで通用するのかという意味も込めて、今日を境に、戦場に幹部を投入することにしたって感じだ」


「だからって、幹部がほぼ全員出てきてるのって、どうなのよ。私はともかく、あなた達の存在までバラしちゃうわけ?」


「いや、作戦立案班の指示で戦地に配置されたのは、デクシアとアリステラちゃん、つまりコインの双子だけだ。その他の僕やレプトス、ピズマにランくんやアマルティアくんは、勝手に来ちゃったってだけさ」


「こんな時に積極性を発揮されてもねぇ……」


「こんな時だからこそ、さ。みんなパトリダを守りたいんだ」


「で、こんな大事な情報を私に伝え忘れたと?」


「いや、まぁ、言おうとは思ってたような、忘れてたような……」


「帰ったら医務室に来てね、必ず」



 一瞬で青ざめるアグノスを横目に、キイが口を開く。



「部外者が口を挟むのは無粋だと思うんだけどさ、さっきからちょいちょい出てくる、“ランくん”って……どんな子?」



 何だか場違いというよりは、的外れな質問のように思えた。本当に聞きたいことではないように感じた。



「……明るくて、ずる賢くて。意地汚い一面を見せたかと思えば、ふとした時にいつも優しくしてくるやつで、案外、何でもできて。いつも私の先を行く、凄い男……といったところか。褒めすぎかもしれんが」



 味付け一切無しの、素直な気持ちを口にした。ピクリと眉を動かし、深呼吸してから、キイは再び尋ねてきた。



「……ランくんって、“人間”?」


「……?いや、ゴブリンだが?」



 よく意味がわからなかった。パトリダに住んでいるのに、人間なわけがないだろう。……私が言えたものではないが。


 キイは、落胆したような、しかしどこか安心したような微妙な表情でため息をついた。



「そっか。ゴブリンの、ランくん、ね。……性格は、少し似てる気もするけど。違ったかー……」


「……どうかしたのか?」



 尋ねる私に、いやいやいや、と。手を大仰に振りながらキイは言う。



「何でもないよ、変なこと聞いてごめんね。……それにしても。フロガのおじいちゃん、何であの荒野にいるんだろう?」


「……?人間軍の作戦ではなかったのか?紀伊を筆頭に、あかつき隊だったか?お前が隊長を務める戦闘部隊がパトリダの北の海から攻め入り、それに対応する我々の隙をついて、西の荒野からも進軍する、という……」


「うげ、全部バレてんじゃん。アグノス頭いいね」


「誰でも思いつきそうな作戦だが……」


「まぁ、紗江さえっちが考えた作戦だからねぇー、あの子地味に抜けてるところあるしなぁ。でもまさかこんなに早くバレるとは」



 さえっち?が誰かは分からないが、とりあえず。ランが西の荒野に向かった理由がやっと分かった。この海から攻めてくる人間軍は、西からの進軍の囮だと、ランは気づいていたのだ。だから一直線に西に向かった。


 この事実で、戦争に対する慣れや、考え方が、ランは私なんかより優れていると、実感する。


 そして、アグノスはさらに尋ねる。



「で、結局お前も、あの龍皇が何故、西の荒野にいるのか、分からない、と?」


「うん。だって今日はフロガのおじいちゃん、別の種族のところに行くはずだったのに。あちゃー、そろそろ上層部のアホ共の言うこと聞くのが嫌になっちゃったかなー。西の兵士たち大丈夫かな……」


「……あの様子だと、人間たちも無事では済まない気がするが……」



 こうして会話している今も、西の空に浮かぶ龍は、ありえない量の炎を吐き、えげつない音を立てながら地面を叩き割っている。


 ──龍があの空に現れる少し前、森に隠れていた神託者ウィザードのゴブリン兵1人が、脳内通信?とやらで、ピズマの脳内に直接こちらの状況は説明したらしいが、脳内通信の神法を使えないピズマからの返事はもちろんなく、あちらの状況は未だにつかめない。


 募る不安。思わず下唇を噛み締める。


 すると、どうやら人間の神託者ウィザードから脳内通信を受け取ったらしいキイが、笑顔で口を開く。



「あー、今仲間から連絡あったんだけどさ。フロガのおじいちゃんが西で暴れてるの、止めに行かなきゃなんだ。だから今日はこれで終わり。殺し合いとか物騒なのも終わりね。これ以上あのおじいちゃん暴れさせてると、パトリダどころか人間領も危なそうだから」


「……え、帰るのか?紀伊」


「何、アグノス。寂しいの?」


「違う!断じて!いや、先ほどまで剣を交えていたというのに、決着もつかずに戦いが終わるのは、何かモヤモヤするというか……」


「めんどくさい男だねほんと」


「うるさいっ!」



 ヘラヘラしながらキイは凍った海面を歩いていく。やがて、またもや大きな船が、向こうからやってきた。


 その大船に乗っていた人間たちは、一度武器を構えたが、「これは違う!違うやつだから!」というキイの謎の説明により、私たちを襲うことは無かった。


 大船の甲板から見下ろすキイは、手を振りながら言う。



「じゃーねー!また会えた時は敵同士じゃなければいいけど、アマルティアくん!君みたいな可愛い子は大好きだぜ!いえーい!」


「だ、大好き……?」



 からかって言っているのはさすがに分かるが、初めて女性に好きだと言われ、私は体温が高くなるのを感じた。



「あ!あと!えっと……イギア?そうだ。イギアさん!アグノスのひねくれた性格、直してあげてね!イギアさんみたいな面倒見良さそうなお姉さんなら安心だし!」


「……変な子ね、紀伊っていったかしら?よろこんで。任せておきなさい」



 名前を呼ばれ驚いた様子のイギアさんだったが、好意的なキイの態度に、頬を緩めながら返事をしていた。



「それじゃ!次はお肉でも食べながら話そうねー!」


「私には一言も無いのか!?」


「アグノスは本当に私のことが好きだなぁ……でもごめん、私、初めてはらんらんって決めてるから」


「何故フラれたような流れになっている!?」



 愕然とするアグノスを横目に、私はキイに手を振る。初めて優しくしてくれた人間。初めて名前を呼んでくれた人間。キイ、か。


 忘れない。いつか、また。


 上りきった朝日の下。お別れ感が満載の中、それは突如訪れた。



「お、おい……!あれっ!」



 誰が言っただろうか。わからない。しかし、その声に反応するより早く、誰もが、その音に驚き、西の空を見上げた。


 鼓膜が破れるほどの爆音。何かが破裂するような音に導かれ、誰もが見上げた西の空には。



 ──頭が粉々に弾け飛んだ、龍の姿があった。


 空を見上げる者は皆、口を開けたまま、ただその光景を見ていた。


 赤黒い血液を撒き散らしながら、落下していく首なしの龍。やがてズドンという音と、少し遅れて舞い上がる土煙がここからでも見えた。



「……フロガのおじいちゃん……?」



 キイが震えた声で言った。当たり前だが、場は騒然とする。



「殺されたのか?龍皇が!?」


「そんなわけあるか!龍皇だぞ!あの!」


「でも、今落ちていったのは確かにフロガ様では……」


「だとしたら一体誰が、どうやって!?」


「俺が知るかよ!」


「一体何が起こってる!?」


「落ち着けよお前ら!」



 完全に混乱している人間軍。かく言う私も、最強だ何だと聞かされてきた龍皇が、絶命し地に落ちる姿を見て、訳が分からなくなっている。


 アグノスもイギアも黙っている。状況を理解できていないらしい。当たり前だ。


 だって、“龍皇”である。あの、龍皇。生物ヒエラルキーのトップに君臨する彼が、寿命以外で死ぬ瞬間を、誰が想像できるだろうか。


 もはや一つの常識として語られてきた龍皇の強さは、今しがた何者かによって打ち砕かれた。この事実が、世界を揺るがすものであることは、誰でも理解できることだった。



 ──何分経っただろう。やがて混乱がピークに達した人間たちだったが、切り替えの早いキイの一喝で、全員がとりあえず冷静になった。


 そして、暴れ回る龍皇を止めるために来た人間たちとキイは、失われた目的はさて置き、とりあえず今どうするかを決めようと、話し合いを始めた。


 アグノスもイギアさんと話している。完全に一人ぼっちになった私だったが、そのとき私の体を襲ったのは、一つの大きな、大きな“鼓動”。


 ──ドクン。──ドクン。


 何かが動き出したような、そんな感覚。体の内側から聴こえるようで、しかしどこか遠くからぼんやり聴こえるようにも思う。そんな鼓動は、まるで心臓の鼓動のように思えてきた。


 その鼓動に合わせ、私の心臓も、共鳴するように踊りだす。荒くなる呼吸に、溢れ出る汗。


 何かとてつもなく大きな生命力を感じる。何故かはわからない。何かもわからない。


 しかしこの心臓の鼓動が、ただの生き物の鼓動とは、どうしたって思えなかった。


 そして、そのときは訪れた。



 ──ドクンッ!


 体が心臓になったような錯覚を受けるほどに、全身が鼓動に合わせて跳ねた。そして。


 胸の真ん中。心臓のある位置が、青く、蒼く、光り始めた。


 やがて青空から降り注いだ謎の蒼い光の柱が、私の体を包み込んだ。


 ──ドクン。──ドクン。



 尋常ではない私の様子に、アグノスもイギアさんもキイも、人間たちも釘付けになる。


 そして、次第に強さを増す蒼い光は、空中で渦を巻きながら、集合し始める。


 やがて大きくなった光の渦の中から姿を現したのは──



「……これは、一体……?」



 思わず口にした言葉は、目の前に現れた“蒼く輝く光の玉”に向いた意識とは無関係に出た言葉だった。


 その蒼き玉は、ゆっくりと降下し、やがてわたしの両手に乗った。


 ──刹那。



「逃げろっ!アマルティアくん!」



 アグノスが叫ぶ。同時に、大船の甲板から飛び降りたキイに、アグノスは斬りかかる。


 無我夢中で走り出そうとした私だったが。


 ──加護神ベータの名の下に。


 という詠唱の最後の言葉とともに、人間の神託者ウィザードの手のひらから発された光に視界を覆われて、そして。


意識が……遠のい、て──




❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎




「まぁなんつーか、必殺技?みたいな?そんなかぁんじぃ?」



 俺は汚らしい作り笑顔とともに、そんなクソしょうもないセリフを言い放った。


 依然として、ピズマもデクシアも、首を傾げたままだ。



「いえ、ラン様。冗談はともかく、本当に今のは、一体?」


「いや、だから。必殺技だって。俺の」


「ランくん、加護さえ授かってないのにどうして必殺技なんてあるんだい?」


「ちょいデクシア静かに」


「ラン様!答えて下さい!」



 接近するピズマに暑苦しさを感じながら俺は後ずさり。気絶したアリステラも目を覚まし、デクシアとともに、とりあえず俺を睨みつけた。……いやなんでだよ!


 さすがに説明に困っていると。



「ひゃはは。まぁまぁ、教えてやれよラン」



 なーんて、無責任なことを言いながら歩み寄るレプトス。こいつ、ふざけやがって。教えてやるも何も、龍皇倒したのお前だし。


 レプトスを見て、ピズマが思い出したように言う。



「そうだ!レプトス!お前も、ラン様が龍皇の頭を消し飛ばす直前に、何かラン様に言っていたな?お前も関わっているのか?」


「まぁな。つーか、99パーセント俺のおかげだ、今のは。ひゃはは」


「おいぃ!?」



 おいおいおい!レプトス!実力がピズマやコインの双子にバレちゃいけねぇから俺が体張ったんだろうが!おいこら!


 レプトスは焦る俺を見てニヤニヤしつつ、自慢げに言った。



「──龍殺しのナイフ」


「え?」



 レプトスの言葉に理解が追いつかなかったデクシアが思わず、え?、とつぶやく。


 構わず続けるレプトス。



「さっき、ランの持ってるナイフが、アホみてぇに光ってただろ?ひゃはは。あの光が、その証拠なんだが、つまりは、龍という種族を殺すためだけの武器が、この世には存在して、それを俺がランに使わせたってだけの話だ。ひゃはは」


「……龍殺し?そんなものが本当に……?」


「現に、あのクソ雑魚ランが、光輝くナイフ1本であの龍皇を殺す瞬間を見たじゃねぇか、ひゃはは」



 レプトスの言葉に俺を含めた一同がぽかーんとする。が、しかし。うまい言い訳だと思った。


 そんなものが存在するのか、信じがたいが、無いとは言い切れないし、ましてや謎多きレプトスである。それくらいの物を持ち合わせていても何ら不思議では無い。


 俺も便乗して胸を張る。



「そうさ、俺が使ってたのは、まさしく龍殺しのナイフ。頼りないレプトスから受け取ったこれで、見事俺は龍皇を仕留めたのだっ!ふはははっ!」


「……そもそもそんな便利なものがあるならどうして早く使わなかったのですかラン様」


「う、うるせぇ!これは……あれだ!一度しかその効果をつかえないんだよ!だから確実に当たると分かってる攻撃の時しか効果を使えなかったんだ」


「な、なるほど」



 即席の言い訳にしては上出来だ。



「……それならレプトスがやればよかったのにとは思うけど、まぁいいや、ランくん。ありがとう、僕たちを救ってくれて。パトリダを救ってくれて」


「お、おう」


「顔キモい」


「おいこらクソ女聞こえてるぞ」


「にぃ!あのクズがいじめる!」


「何だとこら!……おい、デクシアも頭を撫でるなよ……そうやって甘やかすからこんな性格に育つんだよ……」



 アリステラは本当に俺が嫌いだな。やはり妹は瑞樹みずきに限る。……いや、あれは立花たちばなミズキの演技だったわけだけど。それでも。



「まぁよくやったよ、マヌケのくせにな。ひゃはは。おっぱい揉むか?」


「胸ねぇだろお前」


「レプトスは無視するが、ラン様。龍殺しだか何だかよくわかりませんでしたが、ラン様が倒したのは事実。龍皇ともなる者が攻め入れば、パトリダも滅びていたでしょう。本当にありがとうございます」


「いや、そんなに感謝されても、ねぇ?照れるな」



 ほとんど自分の手柄ではないからこそ無性に恥ずかしい。恥ずかし過ぎて、レプトスじゃなくて女の子のおっぱい揉みたい。……恥ずかしいのとは関係ねぇか。へへ。


 と、俺が照れている、その時。


 北の空に蒼い光の柱が昇る。何が起きたのかわかっていない俺とコインの双子。


 対してピズマとレプトスは途端に走り出す。


 急いで追いかけた俺たちに2人は言った。



「ラン!デクシア!と、その妹!ひゃはは!面白くなってきたぜ!ありゃあ!」


「どういうことだよ!」


「ラン様、あれは。あの光は……龍の誕生の証です!」


「意味わからんけど!?」


「生まれるんだよ……龍が。さっき、炎の龍が死んだろ?こんなに早いとは思ってなかったが、もう次の龍の誕生だ、ひゃはは」


「……てことは、つまり」



 さすがに察した俺に、ニヤリと笑ってレプトスは。



「あぁ。いつ覚醒するかはわからねぇが、次の龍皇も、誕生するってわけだ!ひゃはは!」



 ──次世代の龍皇。フロガに代わる、次の龍皇。世界の頂点が再び、選ばれた。



 ……一体、誰が──。


本日もご拝読、ありがとうございました。


軟弱な語彙力と文章力が生み出した駄作も、50話を超えました。お恥ずかしながら、まだ少し続きます、引き続き応援して下さると、涙と鼻水撒き散らして喜びます。僕が。

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