第20話 絶対攻守
こんにちは。1週間以上、おそらく9日ほど空いてしまいました……。申し訳ありません。
ポケモンGOのせいにするつもりはありません、僕の意識の低さです。……決して、ポケモンGOのせいでは((
真夜中。
少し前の人間軍の攻撃により、森の一部分が焼失。しかしながら何かが起きたのか、あるいは何者かの仕業によって、それ以上の被害は無かった。
それで安心、とは勿論いかないので、森から一度部屋に戻った。ナイフを部屋に忘れたからだ。
武器も持たずに森まで急いで出てきた自分のマヌケ具合には呆れるが、戻りたい部屋にアマルティアがいるだろうことを思うと、中々キツいものがある。
喧嘩、と呼んでいいのだろうか。友達なんて数えるほどもいなかった俺に、今回の意見の相違を“喧嘩”と呼べるのかはさておき、どう考えても気まずくなるだろう。
人間関係に関しては20歳を超えてなおド素人なので、仲直りなんてハードすぎて笑えやしない。どうすればいいんだろう?ごめんね、って言うだけで本当に互いの不満が霧散するのか?
言葉の上だけの仲直りは、本当にその後の関係に禍根を残さないのだろうか。
いくら不安になったところで解決にことが進むわけでもない。割り切ってしまうしかないだろう。
そうして開き直って、寧ろ元気いっぱいに部屋に飛び込んだ俺だった。
──が、しかし。部屋にアマルティアの姿はなく、丁寧にナイフケースに戻された俺の亜水晶石のナイフと、寂しげな空気だけが部屋に残っていた。
こんな真夜中に出て行くようなやつじゃない。直前の会話から考えて、ほぼ確実に森に向かったのだろう。
しかし。アマルティアに何ができるというのだろう。今だって、森に人間がいるわけでもないのに行ったところで、手持ち無沙汰になるだけだ。
俺は現状を把握しているつもりだ。
そもそも、あの荒野を最前線として繰り広げられているこの戦争。昼夜問わず、両軍がある程度の距離を保ちながら、時にはぶつかり合いながら、戦線を維持している。
ゴブリン種族の最終防衛ライン、パトリダ外周の森には、未だ人間軍は届いていない。寧ろ、先日戦線に参加した俺と、特にレプトスの活躍もあり、前線を押し上げることにも成功しているくらいなのだ。
しかし、先ほどの攻撃は、しっかりと森に届いた。あの荒野から炎の神法を放ってもここまで届くことはない。だからと言って、では前線の兵が全滅、あるいはそれと同等の被害を受けたのか、と言えば、そんなこともない。
根拠は、炎の神法が“飛んできた方向”だ。
パトリダは、エルフ領と若干接しているが、基本的にはどこの種族領地とも接触していない場所にある。
大まかに言って、パトリダの東、南東にはエルフ領が。西、南西、北西には人間領が、位置する。
南には山脈が広がり、北には広大な海が横たわる。
多くのローゴブリンが、南の山脈近くで農業を、北の海で漁業を栄えさせている。
そこらは正確にはギリギリパトリダではないので、ほぼ毎日ピズマが見回りに行くほどには危険な場所だ。
南でも北でも、西側にある人間領が近いからだ。ゴブリンを殺すことに躊躇しない人間が、いつ出てくるかわからない状況で働くローゴブリンたちの度胸には脱帽するが、それでも危険なものは危険だ。
南西に人間領、真南にゴブリンが働く平野と山地、南東にはエルフ領。このように、実質3種族の領地がせめぎ合う南側では、それぞれの軍が手を出しづらい。
無論、南側に出兵すれば、それは他の2つの種族に敵対することを意味するからだ。それが意図していなくとも、そういう暗黙の了解が、あの南側の土地にはある。
まぁ、不干渉でいこうぜ、安全に、ということだ。
ちなみに、リム湖は南の山脈地帯の麓にあるが、人間領にギリギリ入らない位置にある。絶景スポットではあるので、しょっちゅう人間が現れるため、基本的には近づかないようにみんなしている。
話を戻す。今回の襲撃は、北側からの攻撃だった。
つまりは、海側。北西には人間領地がある。おそらくその辺りから船でも出して海から攻め入りに来たのか。あるいは神法を応用した何らかの方法をとったのかはわからないが、ともかく。
エルフ領が近くない北側から攻めてきた。それは無論、人間はゴブリンのみに敵対しているという事実を表しているのだが、確かに、海があるから、という浅薄な理由で北側の警戒を緩めていたのも事実だ。
真西に位置する荒野の戦線に力を注ぎ過ぎていた。そこを見逃すほどバカではない人間は、警備の薄い北側を狙った。
正直、してやられた、の一言に尽きるが、しかし。
人間が圧倒的に有利かと言えばそんなことはない。
理由としてまず、人間軍が陸に上がってパトリダに攻め入るのではなく、わざわざ自分たちの居場所が分かってしまうような攻撃をしてきたこと。何らかの意図があったとは思えない。やむを得なく、それが最善と言えてしまうほどに追い詰められたような状況だったのかもしれない。
そして、もし船を出して海上にまだいるのなら、遠距離攻撃戦では圧倒的に陸側のこちらが有利。海に浮かぶ船を狙えばいいだけのこちら側と、見える範囲の敵領地をすべて狙わなくてはならない人間側とでは、“やりやすさ”が違う。
そんなわけで、今兵士が向かうべきは無論、北側。そして同時に西の荒野。
北側の海からの敵に対応するのは当然だが、その進軍が囮で、西の戦線からゴブリン兵を減らす作戦かもしれない。
遠距離攻撃を得意とする神託者と、戦士系加護の射手は北側に、白兵戦に長けた戦士系加護の兵士は西側に向かう。
と、いう俺の想像通り、多くの兵士が西側にも向かうのをさっき見た。それゆえに今俺が取るべき行動は、攻撃を仕掛けられ、森が焼失した北側の海でなく、その攻撃によって意識を割かれた西側の荒野だ。
どうせ、アマルティアは、炎の神法は北から飛んできたから、敵は北にいると考え、神法も使えないのに北に向かったことだろう。その辺りが、“わかってない”と言ってるんだ。
──まぁ、そっちの戦場なら、アマルティアが危険にさらされることはそうそうないだろう。
今は俺がやるべきことをやるだけだ。
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森を駆け抜ける。
夜の森は特に霧が濃く、昼間でも暗い森の中の視界は限りなく悪くなっている。
レプトスとの特訓もとい修行の効果により、俺は難なく枝などの障害物を避けてトップスピードを維持する。少し離れた所に、並んで進むゴブリン兵の姿が見える。
もれなく全員が剣や斧を持っている。意外だったのが、北側の海に全員配置されたと思われた神託者が、数人いる。
どうやら俺が思っている以上にパトリダの持つ戦力は大きいらしい。遠距離攻撃の戦力は、北にも西にも割けるほど多くいたのか。これは頼もしい。
夜の闇はまだ深い。夜に効果を強める神法もあるらしいので、敵にも神託者が数人いるかも。
それと、ついでに。レプトスから貰った物の2つめである、大きなマント。勿論今現在も羽織っているが、これが何とも便利。何と、“周囲に合わせて色を変える”マント!すごい!
カメレオンマントと勝手に呼んでいるが、効果は本当に折り紙付き。神法によって、神気が編み込まれているらしく、大気中を満たす神気の状態に反応して、それと同じ色素神気に姿を変える。
まぁ、マントが空気に触れるとその色になる、みたいな。わかりづらいな。とりあえずカメレオンのように環境色に染まるってこと。
そんなわけで、以前、昼間に西の荒野で戦っていた時は、マントは“砂色”に。今現在、霧の濃い森の中ではマントは“灰色”。霧のない時は“深緑色”、と、そんな具合。
大きなカメレオンマントに全身を包み、完全に濃霧と一体化していた俺は、やがて森を抜けた。
ぽつりぽつりと残る長身の木々の隙間を走り、湿った草を優先して踏む。足音を消したいからってだけなんですけどね。やがて、また腰くらいの高さまでの草地が見えてくる。
そして到着。パトリダから、人間種族の領地がある、真西にある程度進んだこの場所。
数えるほどしかない腰の高さの草を除けば、完全に荒野。砂に覆われた地面は、少し掘ると赤茶色の土。
パトリダの南にある山脈に当たった風など、様々な方向から風が吹き荒れるこの地には、並大抵の植物は育たない。風に身を流せる、葉の柔らかな植物が点々としている。
戦争初日。人間、ゴブリン両軍は、ちょうど互いの領地との直線距離の真ん中に当たるこの荒野で衝突した。といっても、初日の敵軍は龍皇1人だったわけだが。
そんなわけで、この場所が戦争の最前線となっているが、見渡す限りの荒野で、バラバラに攻めてくる敵を1人残らず対処できるのか、という疑問も俺は抱いていた。
しかしよく考えれば、1人か2人、戦闘を避けてこの荒野を抜けられたとしても、その少人数でパトリダを制圧できるほど、種族や国家は甘くない。つまりは、それだけの大人数、大戦力を、直接パトリダ内地にぶつける必要が、人間にはある。
ゴブリン軍も同じこと。なので、この荒野では、“ただ立っている”だけで、そうそう敵は攻めてこない。見晴らしが良いので、敵軍の様子が確認できる。大量の人影が見えれば、それをはるかに超える数で攻め入る必要があると気がつく。
しかし兵士がそんなに多いと思っちゃ困る。時代によっては国民が兵士として戦うことを誇りに思う、なんて考えもあるが、少なくともこの世界の、人間とゴブリンの両種族は、加護を受けた者の大半、くらいの数しか兵士を確保できない。
そんな中、ただ正面から攻めても、いたずらに味方の体力を減らすだけだとわかるので、荒野の向こうに敵兵の姿が見えれば、どちらの軍も足踏み。攻めない。
人間軍はちょくちょく、奇襲で一気に攻め上がろうとするが、最近参加した俺やレプトスにも及ばない実力者の集まりなので、そんなに焦ることもない。まぁ、今回の、北側からの奇襲にはさすがに冷や汗が出たけれど。
だからこそ。今はこの荒野の兵士の一部が北の海に向かったせいで、手薄になっている。この隙を人間が付いてくるはずだ。
──と、考えているそばから。
荒野の向こうから、雷や、竜巻、炎の雨、水の弾丸、氷の槍。そして荒野を駆ける屈強な戦士たちの姿。
やはりきた。大方の予想通り。しかし、俺は足が速かったのですでにこの荒野に隠れているが、まだパトリダの軍は後ろの方にいる。先手は人間軍にとられた形だ。
てか、あの神法の数、やばくね?空が神法で覆われてるんだけど。あかん。俺1人じゃ何もできない、どうしよ──
「──アスピダ」
声が聞こえた。
中性的な声。しかしハッキリと鼓膜を叩いたその声が、余韻も残さず聞こえなくなった時。変化は訪れた。
──空を埋め尽くしていた神法が、全て跡形もなく消え去った。
あまりに急の出来事に、理解が追いつかない。電撃やら炎やらで明るかった夜空が、その闇を急に取り返したもんだから、目がチカチカする。
わけも分からず、なんとなく声のした方を向いた。
そこには。
「さすが、にぃ、すごい」
「いいや、お前の方がすごいって、ほら、いつもの、見せてくれ」
「うん、にぃ、ちゃんと見てて」
両手を空にかざす、アリステラ・コインと。
その頭を撫でる、デクシア・コイン。
パトリダが誇る、最強の神託者、“絶対攻守”の双子が乾いた風に服を揺らしていた。
「──トリュボス」
刹那。アリステラの両の掌が光を放つ。
目に見える超音波のような。何かの“波”のような、とにかく、目に見えるようで見えない、波動じみた気配が、その掌から発せられる。
──大地が砕ける。
コインの双子と、俺のいるはるか向こう。今ちょうど人間兵が走ってきた辺りの地面に大きな亀裂が走り、そして崩れる。砂埃を巻き上げて、赤茶色の土が見える。
崩した積み木のように、デコボコになった大地。まるで生きているように動き出した地面に体を打たれ、多くの兵が血を噴き出して潰れていく。
驚愕に口を開けたままにしながら、今一度双子に目をやる。
「ねぇ、すごい?にぃ、アリステラ、頑張った?」
「ああ。すごい。やっぱり僕の自慢の妹だ」
「えへへぇ……」
デレデレのアリステラと穏やかな顔のデクシア。あの無口で無表情で無関心な双子が、2人きりだとあんなに喋るのか。仲良しだな、それにしても。
って、それどころじゃない。人間軍の動きを、ほんの数十秒で丸々無力化した。すごい。
やはり、俺が思っている以上に。この世界のゴブリンは、強い。幹部に限った話じゃあない。
今まで、数え切れないほどのゴブリンが、人間を含めた他種族に殺されてきた。しかし、その大半が、兵士として戦うことを誓った者ではなく、昔からの伝統的に、南の山地や北の海で、それぞれ農業、漁業に勤しんでいた“一般人”だ。
そりゃあ弱いはずだ。そこにいた者たちが、血と汗を流して、歯をくいしばるような努力を重ねて学んできたのは、人を殺す技術なんかじゃなかったのだから。
パトリダから少し出た、いわゆる危険地帯。そこでの仕事が、単純な作業とて、どれだけ大変でどれだけの恐怖があっただろうか。“腕試し”なんてふざけた理由で殺された者たちも、数え切れないほどいる。
南の山地では、畑ごと焼き払われたことだって何度もあったという。その度に土を埋め立て、一から畑を作り直し、努力をし直してきたのは、無論、兵士などではない。
今まで無残にも命を奪われてきた者たち。その彼らの分も、“やり返せる”だけの強さが、今のパトリダには確かにある。復讐、なんてのはダークヒーローでもなければカッコよくないのだが、これから俺たちが起こすのは復讐でなく、ある種の革命。
“世界の常識”を覆す。ゴブリンは弱い。最弱種族は間違いなくゴブリン。そんな当たり前を粉々にぶち壊す、そんな力を顕示する機会が、この戦争となるかもしれない。
前龍皇戦争を制した人間を圧倒したならば、世界が震える。この世界で最も個体数の多いゴブリンが雑魚じゃあなくなったならば。
──そんな考えが瞬時に頭に浮かぶ。それほどに、俺の想像を超えた力を、コインの双子は見せてくれた。
そして合点がいく。なるほど、今の地面ごと敵を倒す離れ業を、妹のアリステラがやったのなら、先ほどの、空を覆う敵の神法を一瞬で霧散させたのは、兄のデクシアか。
そうすると、先ほど、北側の海から打ち上げられ、そして炎の雨としてパトリダの森を襲った神法を消して森を守ったのも、デクシアか。
──あぁ。そうか。やっとわかった。
絶対不落の防御の要、デクシア・コインと、常軌を逸した攻撃の暴力、アリステラ・コイン。
双子を合わせれば、正に“絶対攻守”。
絶対的な防御系神法と攻撃系神法の使い手。
やばい、ラノベ大好き千葉蘭くんからすればめちゃくちゃ憧れるんですけど。なにそれ。双子で補い合うとか羨ましいんですけど。
と、俺が目を輝かせながら羨望の眼差しを送っていると。
「「「──加護神ベータの名の下に!」」」
荒野の向こう、ガタガタに崩された地面の、さらに向こうから、幾重にも重なった声が聞こえた。
“加護神ベータの名の下に”。
これは、大抵の神法の詠唱の最後の一節。
『天使』の加護が使う、回復神法も例外ではなく、基本的に神法とは、その効果が強ければ強いほど、それに比例した長さの詠唱が必要となる。
大気を満たす神気を、体に取り込み、そして想像する形に具現化して発する。パパッとできることじゃない。
イギア姉は、その最後の一節しか言わなくても回復神法が使えるし、ピズマなんか無詠唱の即時回復神法なので、詠唱が存在しない。
その2人は完全に例外として。今聞こえたのが、最後の一節だということは、詠唱が終わったということ。これは非常にまずい。
なぜかと言えば、今近くにいる、頼りにしてるコインの双子は、まだ詠唱を始めていない。
妹の頬を両手でグニグニして笑う兄と、デレデレしながら、やめてよー、と嬉しそうに言う妹。何してんだお前ら。カップルか。殺すぞリア充。
……おっと、違う違う。そうじゃなくて。もう目に見える距離に神法が来てる!
今頃到着したゴブリンの兵士たちも、その光景に目を見開く。しかし、やべえ!とか騒ぎながらも、誰1人慌てる様子はない。
彼ら、そして俺の視線の先に、“絶対攻守”がいるから。
でも、それでも。詠唱も終わってないどころか始めてすらいないのだ。あかん、死ぬぞこれ。イチャイチャしとるもん、あいつら。最悪だ。死ぬ直前に最悪なものを見た。リア充に悔しさを与えられて死ぬとか不幸にもほどがあ──。
「──アスピダ」
「──トリュボス」
同時。全くの同時に2人は手をかざす。兄のデクシアは右手を。妹のアリステラは左手を。
瞬間。光の壁が出現。豪速で殺しに来た神法が、次々と、その壁に触れた途端に霧散していく。跡形もなく。
それと同時。その光の壁から、“向こう側だけ”に、激震。地面がひび割れ、先ほどの攻撃で盛り上がった大地も粉々に崩れる。光の壁で、多少明るくなった夜空の雲が、掻き消される。
単純な衝撃波。兄、デクシア・コインの作り出した絶対不落の光の壁から向こう側のみ、空から大地を含め、それらすべてに衝撃波が襲いかかる、妹、アリステラ・コインの攻撃系神法。
遠くの地面が赤く染まっていくのが見えた。無論、血液。たったの一言。ただ手をかざした。それだけでこれだ。唖然とする俺の後ろの方で、先ほど到着したゴブリン兵士たちが賞賛を送る。
「ヒューー!さっすが!コインの双子の、唯一、“詠唱が必要な”神法!」
「いつ見てもとんでもねぇなぁ!」
「やっぱりいけるんじゃないか!?俺たち!ゴブリンだって負けたまんまじゃないって、わからせる時がきたんじゃないか!?」
「興奮しすぎだお前ら」
俺は耳を疑う。
“唯一詠唱が必要な神法”?いや、確かに2人は詠唱はしていなかった。どんなに小さな声でも俺は聞き逃さないし、何よりただイチャついていただけだ。
まさか。まさか、あの一言で、詠唱を完成させられるのか……?
イギア姉以来の、超短詠唱神法。その時発動したい神法名のみを詠唱とする、速攻神法。それであの威力。
さっきまで荒野の向こう側で元気にしていた人間は、全員で長い詠唱を終わらせ、その後にやっとこさ神法を飛ばしてきたというのに。
「……これはまた、凄すぎてよくわからねぇな。案外、この戦争、余裕なんじゃねぇのか」
俺がそう呟き、ニヤリと笑う頃。
──1人の男が……否。
──1人の“龍”が、足元の草花を焼き消しながら、とある荒野に歩を進めていた。
ありがとうございました!
いやぁ、アリステラちゃん、自分的にはかなり可愛いんですけど、よくよく考えると、ゴブリンなんですよね。これ文面だけだから可愛い双子の妹キャラですけど、ゴブリンなんですよね。
でも、嫌いじゃないd(^_^o)