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ライトノベルじゃあるまいし  作者: ASK
第ニ章【ゴブリン・パトリダ】
41/105

第14話 今更気がついた

おはようございます( ´ ▽ ` )ノ


1週間ぶりです。

そろそろ第3章に入りますので、物語は加速していきますぞー( ´ ▽ ` )ノ


「──これから始まる戦争には、ランとアマルティアは、参加させない。それで決定だ」



 始祖じいの言葉に思考が停止しかける。何せ、俺が火種となって着火した戦争だ。当たり前のように、俺も参加するものだと思っていた。

 参加できるのだと、思っていた。方法も、確証もないけれど、それで今回の件の責任が少しでもとれたんじゃないかって、そう、思っていた。


 驚きか、焦りか。声に詰まり、何も言えずに口を開閉しながら始祖じいを見る。嫌な汗が俺を急かすように全身を冷やす。多少なり冷えた頭をフル回転させ、脳を、思考を、熱く働かせて、何とか声を紡ぐ。



「……っで、でもっ。俺とティアが入ってきた時、始祖じい言ってたじゃねぇかよ、俺らは必要な戦力として信頼できるって……!」



 やっとこさ搾り出した言葉も、自分本意の抗議のみ。少なくとも、自分たちが今回の戦争に参加できない理由を訊くなど、ここでの適した言葉は、発言は、頭にあった。

 しかしこういった場面に限って、この世界での年相応な、幼稚で稚拙な思考から出た、中身も建設性もない発言をしてしまう辺り、俺の頭の悪さが伺える。



「うむ。確かにそう考えていたが、考え直した。万が一にも、お前らはまだ死んではならん。ここで止まってはならんのだ」


「そんなこと、言っても……だって、俺がっ、俺のせいで……」


「誰のせいでもない。いずれにせよ、龍皇戦争は始まっておったことであるし、どうせ人間と戦うのだ。龍皇戦争だろうが、ただの戦争だろうが、結果は同じだ。守るものが、違うだけだ」


「守る、もの……?」


「言わずもがな、龍皇戦争では龍皇玉及び龍に選ばれた生命体を。そして此度の戦争において狙われるのは、存在が、もっと言えば顔が露見しているお前とアマルティアだ」



 トントントン、と。人差し指で、机を叩きながら、始祖じいは話す。



「どうあっても、ここでお前らを死なすわけにはいかないのだ。それはパトリダの未来の為だけでなく、世界の為にも、な」



 今の発言からも伺えるけれど、始祖じいを始めとして、パトリダの幹部ゴブリンたちは、俺を過大評価し過ぎているように感じる。

 アマルティアが、神童やら天才やら言われるのは納得できる。何せ、父親──『生命いのち』の『3番目(ガンマ)』──の影響を大きく受け、超人的な身体能力に加えて、超常的な耐久力、超自然的な回復力。


 あのあり得ない速さの剣撃を生み出しているのも、多少の威力なら傷さえ付けられない強靭な身体も、傷の治りが異常に早いのも。父親ガンマの力を受け継いでいるからである。


 成長も著しいため、脳の発達も凄まじく、6歳にして頭の切れる頭脳派ときたもんだ。……まだ頭脳派と呼べるようなことはしてないけれど。

 それでも、俺の教える日本語、及び人間語の覚えも早いし、一緒に修行しているアグノスも言っていたが、一度やった技は2度と通じないという圧倒的記憶力と対応力。


 こんな状態で、まだ加護すら受けてないというのだから世界は理不尽である。なるほど、チート系最強主人公ってこういうやつのことを言うのか……。


 ここまできて、まさかの主人公は俺じゃなくてアマルティアでしたってのは無しでお願いしますよ?読者様ー、とか言って話しかけてたのが本気の本気で独り言になっちゃうし。何より主人公気取りだったのが1番恥ずかしくなるからね!


 ──話を戻そう。


 つまり、そんなアマルティアが、このパトリダはもちろんのこと、この世界において大きな存在になり得るだろうことは、俺にだってわかる。俺が幹部だったら、重宝しようと考える。しかし、それと並べて、俺を過大評価するのはとんだ見当違いだ。


 当たり前だが、俺が頭が異常に良いと思われているのは、勘違いである。読者様は無論わかっている通り、俺はこの世界に来る前に20年の歳月を生きている。 そんなやつが中身なら、そりゃあ5歳とは思えないだろうが、だからこそ。過大評価されるのは、困るのだ。


 いざという時に、何もできない男であることを、俺が1番わかっている。何せ、努力を欠片もせず、のうのうと生きてきたのだから。頑張るなんて、できっこない。というか、頑張り方を知らない。


 つまり何を言いたいかというと、過大に評価された俺の扱いがこのままだと、いずれ確実にみんなを失望させることになる。子供の頃はあんなに凄かったのに、とか言われるだろう。そんなこと言ったって、お前らが思ってる子供の頃の俺は既に20歳のクソニートなんだっての。


 始祖じいは、そんな俺とアマルティアが、これからの世界の未来を変える存在だと信じて疑わないからこそ、今回の戦争に俺たちを参加させないと言うのだ。


 でも今さら、自分が引き起こした争いをただ見過ごすなんて、できるわけが──。



「わかった」



 声は突然に鳴り響く。今の今まで、1人だけ静寂を保っていたアマルティアは、その高く美しい声で始祖じいの部屋を震わせる。



「少々、始祖様もピズマも、私を買いかぶり過ぎているきらいがあるが、それでも、歴戦の猛者であるピズマが、私たちは戦争に参加しないほうが良いと言っているんだ。それならそうしたほうが良いに決まっている」



 壁に寄りかかり、腕を組みながらアマルティアは声を鳴らす。


 彫刻に彩られた大きな柱が四つ角にそびえ立つこのだだっ広い部屋で、決してアマルティアは部屋の中央に鎮座しているわけでも、1、2段高い場所にいるわけでもない。しかし、それでもアマルティアの声は、よく“通る”。


 その声音は、自然と背筋を正されるような、気がつけば黙って聞いてしまうような、ある種の強制力を孕んでいて、そんな面からも、やはり、アマルティアはリーダーとかに向いているんじゃなかろうか、と思う。


 というかこんなに可愛いなら、話を、声を聴きたくなっちゃうのは仕方がない気もするが。


 ……すぐに話題が逸れる癖をどうにかしないと読者様にそろそろ怒られそうだ。そんなわけで、閑話休題。


 アマルティアに向けられた視線の1つ、始祖じいの視線に、声が乗る。



「わかってくれて嬉しく思う。日々、2人とも己を鍛えて、高みを目指しているのも知っておるが、今回はどうか我慢してくれ」


「……ほんと、に。ごめん……なさい」



 もうどうにもならない。どうしようとしたって、本題である戦争に参加できないのだ。これからパトリダで巻き起こる物語に、俺は関与しない。できない。


 そんなやるせない、どうしようもない想いから、俺は謝罪の言葉をほぼ無意識に口にしていた。


 結果、俺とアマルティアは戦争に参加しないこと。 人間の領地とパトリダを囲む森の接触している部分には、当分ゴブリンを近づけないようにすること。

 ピズマをはじめとした主戦力勢は、基本的には前線に立たず、あくまで始祖じいの護衛や緊急時の出動のみを役割とすること。

 兵士ゴブリンたちは、自ら仕掛けることはなく、人間に襲われた時のみ対応すること。


 そんなことが決められた。卑劣で卑怯で狡猾で厚顔無恥な人間は、今度も何をしてくるかわからない。不確定要素が多い今、迂闊に攻めに回るわけにもいかないので、基本的には攻められたら反撃、といった感じの戦略だ。


 ピズマやアグノス、レプトスや、あの神託者ウィザードの双子などの主戦力勢は、温存する。



 ──戦争は既に始まっている。


 もう犠牲者も出ている。俺が何をしても止めることもできないし、そもそも何もできない。主人公気取りで調子に乗った挙句、自らの失態で産んだ争いに俺は関与できない。それでも。


 戦争は既に始まっているのだ。




❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎




 時は一刻を争う、と。朝一番の会合を終え、一部の幹部ゴブリンをリーダーとした、兵士ゴブリンの小隊が編成された。今この一瞬も、人間が攻めてきているかもしれない。急いでパトリダ外周の森に兵士を送る。


 俺とアマルティアは、とりあえず部屋に戻れとの判断を下された。始祖じいはピズマを連れてどこかに行ってしまった。

 昨日までの、もっと言えば今朝までの静寂を微塵も感じさせないパトリダ全域の慌ただしさに、改めて戦争は鬼気迫るものであるのがわかる。わかって、痛い。


 やることもない俺は以前レプトスに言われた通り、ナイフに慣れるため、ずっと手の中にナイフを転がしながら、グリップの感覚にもどかしさを発散していた。横で、剣の手入れをしているアマルティアを見て、何かが口をついて出そうになったが、その言葉は、心は、音にならずにため息となって霧散した。


 結局、その日は夜まで部屋にいて、音消しの練習だったり、両方の手でナイフを扱えるよう練習をしたり。

 アマルティアは、剣の手入れが終わると、寝床の上に座り、目を閉じて背筋を伸ばしていた。……瞑想とかしてるのだろうか。わからん。


 何もしないまま、何もできないまま、戦争初日の太陽は沈んだ。



 ──朝。


 翌朝、である。形容しがたい心情のせいか、うまく眠れなかったこともあり、苛立ちを隠さず部屋をでた。朝食を求めて王宮内を歩いていると、外から騒がしい音が飛んできた。


 何事かと、廊下の窓(ガラスはない。ただ四角に穴が開けられているのみ)から見下ろし覗くと、そこには嗅ぎ慣れない匂いを漂わせる、赤い混乱が目に見えた。


 体の至るところから血を流し、運ばれていく多くのゴブリンたち。しかし、俺が“何事か”と感じたのは、そこではない。濃厚な血の匂いではなく、それと入り混じった“焦げ臭さ”に言いようのない嫌悪感を感じた。


 火傷が酷いゴブリンが、今、外庭に横になっている内の大多数だ。幸い、我がパトリダには優秀過ぎる『天使』がいるため、続々と傷が癒えて復活していくゴブリンたち。しかし、傷は治ろうと、その傷を受けた恐怖は治療できない。頭を抱えうずくまる者も少なくない。


 これが戦況だというのなら。これが戦争においての我々の現状だというのなら。


 あんまりにもわかりやすく、劣勢ではないか。


 またこのゴブリンたちは人間の進軍を止めに行き、そしてまた大きな傷を負い、パトリダに戻り回復し、また戦場へ。完全にジリ貧ではないか。


 その光景は、俺の安っぽく、価値のないプライドを大きくえぐり取るに足るものだった。


 ここまで本格的に戦っているのだ。種族別の喧嘩くらいだと、楽観視していたわけではないが、ここまで凄惨なものなのか。戦争とは。


 心が疲弊しきった兵士たちが、ゆっくりと立ち上がる。頭は、心は、今も進軍を続ける人間軍に対して、焦りを募らせているのに、体は恐怖を忘れさせてくれないのだろう。俺がここから見る限りでさえ、酷い有様だったのだ。


 人間が何をしてきたかなんて想像もつかないが、あの焦げ臭い匂いは、確実に“やばい”。この世界に、火炎放射器とかそういうのはないだろうが、しかし。


 神託者ウィザードがいるのなら、炎の神法くらい使ってもおかしくないだろう。しかし、それならば既知であっただろうし、何らかの対策や、こちらも神託者を使っても対抗できたはずなのだ。


 それなのにあの大火傷を負って、命からがら逃げ帰ってきたということは、神託者を超える炎を司る何者かが、人間側にいるのだろうか。それが複数か、個人か、あるいは人間か否か。いずれにせよ、ピズマ達主戦力勢が前線に出れないときに、そんな強敵は……。


 ……考察をして、どうするんだ。


 俺は参戦できないんだ。あの戦争という物語に、“ラン”の文字は刻まれないのだ。俺の出番はない、どころか、お呼びでもない。


 ──俺はその焼け焦げた光景から目をそらす。そのまま歩き出し、元々の目的であった朝食を求めて、食堂に向かう。


 食堂は、始祖じいの部屋と同じく、彫刻に彩られた大きな柱が、四つ角で支えていて、長方形の大テーブルが食堂の中央に配置されている。



 こういった、部屋の様子や家具のチョイス、配置などが、“ゴブリンらしくない”のは、言い方を変えれば、“人間と同じ”ようなのは、始祖じいという存在が理由である。


 そもそも、この王宮も、造りからして、ゴブリン的な文化を感じられない。ゴブリン文化とは果たしてどんなものかはわからないが。


 つまり、俺がここを王宮と呼んでいるのも、何だかアニメとかで見たことがあるような、つまるところ、人間の造った建物と酷似していたためだ。食事の際のお皿やスプーン、フォークもそうだ。人間文化に染まりすぎてるんじゃないかと思ったが、始祖じい曰く。


 ──“始祖”というのは、全ての種族に存在する。


 創造神アルファが、生命を、各種族を、生み出した際に、“1番初めのその種族”なのが、始祖だ。つまり、人間なら、生まれたという意味での“1人目”。ゴブリンなら、1体目。


 アルファはまず、1人ずつ、種族を作ったらしい。だから、大昔、この世界に存在した生命体は、創造神アルファ、加護神ベータ、そして、各種族の始まりの1人。そこから、それぞれの種族の始祖をベースに、量産されて、今のような形になった。


 これまた信じられないことなのだが、共通して始祖は、寿命が無いらしい。つまり、不老不死ではないが、殺されない限り、自然と死ぬことはないってわけ。


 何百年も前の話を、見てきたかのように始祖じいが話すのも、実際に見てきたからこその臨場感だったのだ。始祖じいが人間語を話せたり、話によれば全ての言語を話せるのも、そのためだ。


 話を戻すと、そうした始祖たちは、今でも、始祖会合といって、始祖同士で集まる機会が、少なくない。昔からそうやって、それぞれが様々な情報交換をして、今に至るので、おそらく1番技術面で発達していた人間の生活様式を、参考にしているのだろう。このパトリダは。


 ところどころに人間世界を感じさせるのは、人間世界から取り入れた技術だから、ということである。



 そんな人間感満載の大テーブル横の椅子に腰掛け、目頭を押さえる。


 改めて、考え直す。


 何をしているんだ、俺は。大好きな、ライトノベルのような世界に来て、調子に乗ってたのか。自分が主人公だから、何らかのイベントが勝手に発生して、それを何だかんだで俺が解決して。そしてみんなに称えられたりすると、そう思ってたのか。否……とは決して言えないだろう。


 そもそもモチベーションがおかしいんだ。すごく今更だが。普通、自分の知らない世界に放り込まれたら、混乱だけでなく、恐怖に駆られて、最後にはいかにして“元の世界に戻る”かを思考の重きに置くはずだ。


 現実の自分の体だけでなく、家族にも心配や迷惑をかけているかもしれないんだ。一刻も早く元の世界に帰ろうと躍起にならないといけなかった、はずなのに。何度も言うが、本当に今更だ。今更気がついた。


 俺は、一度も。



 ──“元の世界に帰ろう”と、思っていないじゃないか。



 この、思考だけが別世界に転移したようなシステム。俺の知る限り、千葉瑞樹ちばみずき……じゃなくて、立花たちばなミズキが、鍵を握るこの悪魔の技術は。


 俺が、前回のラブコメの世界から現実に立ち返った際、現実時間では、一晩しか経っていなかった。すなわち、この別世界の時間は、現実時間にほぼ干渉しない。それはつまり、何を意味するのか。


 そう。超長時間の人生を可能とする。


 何十年、何百年、下手すれば、更に多くの、長い人生を体験することができる。これは、画期的で、革新的な技術だと思うが、しかしそれ以上に、寿命という自然の摂理に反する悪しき技術だと、そう思えて仕方がない。


 だから、この技術実験のようなものに、俺は関わりたくなかった。そういう意味では、俺は前回のラブコメ世界で、元の世界に帰る方法を考えたこともあった。

 しかし、現実の自分のために、現実の自分に戻るために、帰りたいとは、一度も、一度たりとも思ったことがなかった。


 それほどに、俺は現実の、何もできない自分を嫌悪し、この別世界の、可能性に溢れた別の自分に憧れ、慢心し、勘違いをしていた。


 現実ではダメダメな俺も、この世界でなら“主人公”になれるんだって。むしろ、こっちの世界が現実ならいいのにって。いつの間にか、当たり前という意味を履き違えて、自分の居場所はここなんだと、そう思ってしまっていた。


 しかしどうだ。何が主人公だ?俺に何ができた?自分勝手な馬鹿げた行動で、別世界でさえも周りに迷惑をかけて、先ほど見ただろう、自分のせいで傷を負った仲間たちを。


 どこの世界にいたって。人間だろうがゴブリンだろうが。俺は、俺のままだ。何もできない、クズのままだ。


 そりゃそうか、そんな簡単に自分を変えられて、そして自分の選んだ道を真っ直ぐ歩けるなんて、そんなの夢物語の幻想だ。


 俺には無理だ。無茶だ。無謀だ。


 ──ライトノベルじゃあるまいし。


 憧憬に囚われて現実から目をそらした結果がこれだから、笑えない。


 俺は、本当に、何て、愚かで、醜くて……。どこまで格好の悪い男なのだろうか。


 こんなことなら、俺なんか……。



「いつになく辛気臭せぇつらしてんなぁ、ひゃはは」



 不意に、鼓膜を叩いたその音に。憧れ続けたその声に。自己嫌悪の思考を遮られた。自分でもわからないが、何だか目頭が熱くなって、何かが内側から零れてしまいそうになって、すぐさま上を向いた。



「自分のせいで仲間が傷ついた、とか。じぶんさえいなければ、とか、陰鬱なことばっか考えちゃってる系か?ひゃはは」



 わからない、本当に、わからない。何でだろう、こうやって、心傷に喘ぐ俺を、こいつはバカにしたように茶化しているのに。こんな時くらい、素直に励ましてくれていいのに。それなのに。


 何でこんなに涙が出るんだろう。


 どうして、こいつは、レプトスは、いつも通りに接してくれるんだろう。何でそんな優しいんだろう。


 レプトスは大テーブルの上を逆立ちで歩いている。そのにやけ面に元気を貰う。レプトスにそんな意図があったのか否かは定かでないが、それでも、一切気を遣わずに、いつもの調子で話しかけてくれたのが、俺は嬉しかった。


 こんな風に落ち込みまくって、格好悪い姿を、アマルティアには見せたくなかったから、こんな時だからこそ、レプトスが来てくれて、本当に良かった。



「ひゃはは、なぁ、ラン」



 本当に良かった。レプトスという男が、レプトスらしくて。



「お前、さぁ」



 本当に良かった。レプトスがいてくれて。俺の道を、変えてくれる、レプトスが。



「──戦争、出てみねぇ?」



ありがとうございました。


今話の一文目と最後の文が真逆の内容となってます。


戦争はランの気持ちなんて無視しますけど、はてさてどう転がるのでしょう、来週もお楽しみにっ

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