表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/152

トラック5 異世界人と初接触! ⭐︎

この森の拠点で三日目の朝を迎えた。この森の名前すらしらないが、もう慣れたもんだな。

どうやらこの拠点にはモンスターがやって来ないようだ。二日目にして警戒心も薄れ熟睡できた。まさか、ここまでサバイバルに適応するとは……

朝食を取りに果実をとりに森にむかう。今日の朝食は、あのイチゴもどきの、エリマキドラゴンローズしよう!

何度も通っているので、迷うことなくまっすぐ向かう。早々にイチゴもどき採取しその場で食べていると、草原の方から鉄と鉄がぶつかるような音と人の叫び声が聞こえてくる。

おお!初めて人の声を聞いた!しかし、叫び声などから、たぶん戦闘中かな?

気分は火事場の野次馬だ。その声のした草原へかけていく。木陰からばれないように様子をみる。草原には三人の人影があった。筋骨隆々で銀の鎧で揃えている剣士のようなダンディなおっさんと、機動性重視の動きやすい布製の装備で腕には白銀のデカめなナックルの武闘家の少女、もう一人深く青いローブを纏い手には杖を持っている魔法使い風の少女がいた。そして、三人は声を荒げながら苦戦しているようだ。


ダイヤモンドタートルに……


武闘家風の少女は強烈な右ストレートをダイヤモンドの甲羅に当てている。魔法使いの少女は杖を振り詠唱?をして水の球を当てている。おっさんは二人に指示を出しているようだ。しかし、ダイヤモンドの甲羅には傷が一つも付いていない。てか、世界で最も硬いと言われるダイヤだぞ?そのダイヤ製の甲羅に物理攻撃って……しかも、あの魔法使いもなんで甲羅ばかり狙うんだ?このダイヤモンドタートルは攻略方法がわかればガキでも倒せるのに

しばらく見ていたが、あまりにも真剣に戦っている三人を見ているのが恥ずかしくなり、三人の元にゆっくりと向かっていく。


「おい。お前たち!休むな!」


「ふっ!っっっっかったい!!!手が痛い!」


「…っ…」


しばらく進んでいると、最初に魔法使いの女が俺に気づいたのか、こちらを見てきた。目が合うが…不思議な雰囲気がする。しばらくすると、残りの二人もこちらを見てきた。ついでに、ダヤモンドタートルが首を出してもこちらを見てきた。何見てんだよっ!雰囲気から三人は警戒心バリバリって感じかな。すると、ダイヤモンドタートルそっちのけで、剣士のおっさんは俺に剣を向けながら戦闘態勢になっている。二人の少女も身構えている。


「お前は何もんだ!こんなところで何をしてやがる!」


おっさんは警戒を解かずに問いかけてくる。睨んでくるが然程こわくないので、俺はなるべく警戒を解いてもらうよう柔らかな口調にうっすら笑顔で答える。初めての人間との出会いだ!ここで、ずっこけるわけにはいかない!ここは、穏便に


「いえ、なんもしてないですよ。なんか、苦戦しているから手伝ってあげようかと思いまして?」


すると、男は警戒を解かずに無言でいる。なにか考えてるのかな?

すると、おっさんの隣に居た武闘家の女が構えを解き俺を一通り見ると、鼻で笑い腕を腰に当て 『やれやれ』といた表情になった。魔法使い風の少女は、変わらず警戒を解いていなかった。てか、目線を俺から外さない


「そんな格好で、ろくな装備もなし。持っているのは?木の枝かしら?はぁ……森の奥にいると思えば、ただのバカだったみたい。チャンバラごっこでもしていたのかしら?いいわ。やってみなさいよ!」


「おいっアレス!警戒を解くなっ!」


「うっさい!ガキ扱いしないでくれる!」


今の発言的に俺、完全になめられてんな……。

俺は三人の横を素通りしダイヤモンドタートルのそばまでいくと、ダイヤモンドタートルの甲羅を掴むとひっくり返す。ダイヤモンドタートルは起き上がれないのか手や足を甲羅からだしバタつかせている。俺は『短剣のリズム』に合わせて、がら空きのお腹に小枝を差し込み切り裂く。

このダイヤモンドタートルは名前にもある背中のダイヤモンドでできている甲羅という鉄壁の守りがある。しかし実は、お腹はダイヤがないので多少硬いがダイヤモンドほどの硬さはないので仕留めやすい。まあ、この方法を知るまでは全て焼き殺していたがな

小枝についた血を振っておとし、三人に振り向く。三人とも驚いた顔でこちらをみてくる。あれ?なんか違ったか?それに、ダイヤの価値はわからないけど傷がつかないし?前世では結構高級なイメージがあるのだが。


「な…」

「そうか…」

「…」


「あれ?ダメでした??」


二人の少女たちは目を見開き固まっているが、おっさんは冷静に俺を見てくる。上から下まで体をジロジロと見られた後、おっさんは警戒を解いて剣を背中の留め具で固定した。


「すまないな。魔樹の森で、子供が装備なしでいたので、魔族か何かかと思い警戒した。すまない。俺の名前はゲルグだ。ギルドランクはB+だ。よろしくな。今こいつらの教育をしてるところだ。」


そういうと、おっさんは謝りながら軽く頭を下げてた。おお!年上でも、年下に謝れる人は好印象だよ!!!


「そうですか。こちらこそよろしくです。」


「しかし、攻撃をしてこないと言っても、Cランクのダイヤモンドタートルがいとも簡単に……しかも、こんなやり方とは、知らなかった。誰かに教わったのか??」


「強くないですよ。それと、教わってはいません。教わる人もいませんから」


この二日間いろいろあったなーと遠い目でしみじみ思う。まあ、音楽のおかげで余裕だったんだけどね。

すると、おっさんは哀れんだ表情で俺を見てくる。すると、固まりから立ち直った少女二人が会話に割り込んできた。


「ウチはアレスよ。武闘家でランクはEよ。それにしても、あんた何者なのよ。」


最初から言い方きつかった子だ。口調がキツイのは育ちが悪いのだろう。うん。そうだろう。武闘家か……

黒髪で若干日焼け?しているのか肌が赤い。切れ長で口から犬歯が伸びて、全体的に細いがしっかりと筋肉が付いているな。

髪が短く切りそろえてるので、活発さを感じる。結構、可愛いなっ


「私は、イーナ。魔法使い見習い。Eランク。水と光が得意。よろしく」


想像通り魔法使いの見習いだった。イーナは、水色の髪でボブだ。細く眠たそうな印象を受ける瞳で見てくる。文学少女って感じかな?

しかし、イーナはマジで、かわいい……


「俺は、ハジメ オトノ。ギルドには登録してないからランクはない。よろしく」


「ハジメか!よろしくな!あ、こいつもらってもいいか??」


「ああ。いいよ!そっちの獲物だったわけだし」


「よしっきた!そんじゃ、アレス!イーナ!解体やってみろ!」


言い終わる前にゲルグが少女たちに指示を出す。二人は杖とガントレットをしまい、懐から短刀を取り出しさばいていく。おお!解体うまいな〜よかったー!

二人の解体が終わると、マジックポーチと呼ばれる有限だが物がなんでも入る袋に収納した。


「そういえば、ハジメはどこに住んでるんだ?」


「ん?うーん……なんでだ?」


「いや、なんでもない。気にするな…ギルドに登録していないと言っていたし、登録しておかないか?身分証にもなるが。それとも、何か事情があるのか?」


何か、ゲルグの表情が険しくなったが、何も隠すことはない!拠点は話してもいいのだが、勝手に話題を変えられたな…なんか、怪しいな。

それと、ギルドか!いいな!異世界って感じがする!!


「いや、事情なんてない。なら、作っておくよ!」


「そ、そうか!なら、一緒に行くか!あ、作るのに銀貨一枚かかるんだが…貸してやる。金がないようなら、薬草を持って行けば金になるぞ?まあ、大した額じゃないが、小銅貨一枚程度なら稼げるだろう。そのあとは依頼を受けて稼いで行けばいい」


「ああ!連れて行ってくれ。それと、薬草がわからないんだが」


「は?」


「あんたどんな生活してたのよ。薬草なんて、常識でしょ。私なんて、6歳のころにはゴブリンを倒して小銭を稼いでいたわよ。」


「魔物もお金になるのか!なら、少し待っててくれ。すぐ戻ってくる!!」


「なっちょっと、まち……」


アレスが何か言っていたが最後まで聞かずに、森を駈ける。音楽を使いカミソリ大鹿の群れを見つけ5匹ほど仕留め、急いで戻ろうとすると、木の間から5メートルほどの大きな黒い鬼のような初めてみるモンスターがいた。そして、驚いたことに黒い鬼は、先日迫力にビビッて逃げたこの森の主のビックナヌラーク食らっていた。俺がビビった相手を食らっている。

見るからにやばそうな見た目だ。俺は、5匹のカミソリ大鹿をそっと降ろし、愛用の小枝を構える。

今までのように、『達人の旋律』と『短剣のリズム』で食事中の鬼に走り出す。鬼はこちらをみるとビックナヌラークを投げ捨て、腰を軽くおろし脇を締めて迎撃するような構えをとった。しかし、俺は減速せずそのまま斬りかかる。


「うおぉおおおお!」


しかし、そうはさせないと言うように鬼の拳の連撃がくる。図体がでかいくせに、速い。攻撃どころではなくなり、かわすことしかできなかった。踊るような小刻みなステップで地面を揺らすほどの衝撃の鬼の連撃を交わす。

やべぇ!こいつはつよい。集中しないと死ぬな


「ふふふ……。いいねぇ…‥こういうの待ってたんだよ」


初めての危機感に俺は若干興奮していた。今までチートで戦闘の意識がなかったせいか、今の状況がとても楽しく感じる。しかし、俺も人を待たせているので初めて本気になる。

頭に響く音楽に集中する。『達人の旋律』を集中聞くことで、達人同士の戦闘のように拳が遅く見える。連撃の右拳をギリギリ左に避け、鬼が腕を引くまでの一瞬、腕の腱をにそって小枝で切りかかる。一瞬なので、鬼は痛みを感じず構腕を引くのでそのまま手首まで綺麗に切り裂けた。


「グワぁああああ」


腕に痛みに鬼は声を上げながら、腕を押さえて横に倒れこんだ。鬼の体がすこし後ろに引いたので、鬼に一気に近づき、曲げてあった膝を足場に使い、体を一気によじ登り鬼の顔まで跳躍する。一瞬鬼と目が合う。


「ふっ‥…‥」


「グォォォォオオオオオオ!!!!!!」


小枝を横に薙ぎ両目を潰して着陸する。鬼はは両目を押さえもだえ始めたので、そっと近づき鬼の首に小枝を刺しこんだ。しかし、致命傷にはなっていないようなので、喉仏を何度も突き刺して、脈を断ち切る。

ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ。


「はぁ…はぁ…やったか…」


もう、鬼は動かなくなっている。何度も刺したせいで、鬼の首は取れかけ、血が噴き出し俺の体を真っ赤に染める。俺はすこし息を整える。

あ、やば!あの三人のとこに急がないと!二十分ほど経ったか?

取れかけの首は安定しないので切り落とした。鬼の死体にさっきの5体のカミソリ大鹿を乗せ鬼を持ち上げる。こんな重い荷物も『達人の旋律』リズムに乗って持ち上げられる。一歩一歩リズムを取りながら鼻歌交じりにあの三人の元に走っていく。


「ふふふっふーん!」

11月21日


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ