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トラック1 異世界転生と音楽神と加護 ⭐︎

音野 一。早くに母を亡くし、父もハジメを育てるため身を粉にして働き、過労で死んだ。今は母方の実家に引き取られている。その影響かハジメは、学校でも話すことがなくもちろん友達と呼べる存在も居ない。そして最近では一日中ヘッドホンをして関わろうとしていない。授業中でもヘッドフォンを取らない。最初は教師に文句を言われたが、成績優秀な上都会からの転校生ともあってどう接していいのか分からず、おとなしいのでそっとしておくと学校で決まった。

友達が居ないといっても、人見知りタイプではなく逆によく喋る方だ。それを知っているのは祖父と祖母だけだ。


「(はぁ…今日もやっと終わったか…帰るか)」


ハジメがそっと席を立とうとした瞬間、教室の窓全てから強烈な光が照らされた。状況を確認しようとするが、あまりの眩しさに自薦と目を閉じてしまう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

瞳を開けると、目の前に老人が立っていた。あたりを見渡すが、先ほどの教室ではなく辺り一面真っ白な世界だった。近くを見渡すと他の生徒の姿はない。俺と老人だけというわけだ


「ここは……あなたは?……」


「おお!起きたかね。頭痛や目眩などの症状はないかね?」


「いえ、大丈夫そうですね……ここは?」


「天界ってやつさ。ワシは創造神じゃ。さて君がラストだね。君は異界への転生することになった。剣と魔法の世界じゃ。どうじゃ?いいじゃろ?」


創造神と名乗る老人は満面の笑みを受けべながら手を前にかざすと、一冊の本が現れた。創造神は中身をパラパラとめくり見ている。


「て、てんせい??」


「そうさ。さて、おお!ここがいいだろう。他の生徒とは違う場所になってしまうが、他にも数人別のところにしたしな!よし!」


「待ってください!詳しく説明を!」


創造神は全く聞こえていないのか笑みを崩さぬまま、本の一部を指差しなにかをつぶやいている。俺はしっかりと耳で創造神のつぶやきを聞いているにもかかわらず全く理解できなかった。どうやら言葉ではない。どちらかというと音に近い

創造神が本を読み上げていると、突然後ろから気配を感じた。普段からヘッドフォンを使っているせいか、人の気配には敏感になっている。目の前の創造神も読むのを一旦やめ俺の後ろを見ている。俺はゆっくりと、振り返る。

後ろには、若い男性が立っていた。中肉中背に神官のような服装をしている。イヤホンを首にかけている。どこか似ている気がした。


「創造主よ、突然申し訳ない。この子に、私の加護を与えようと思いまして」


「おお!ブレーメンか。そなたが、加護を与えるとは珍しい。いや、初か?」


「ええ。初めてです。」


創造神は明らかに『驚いています』といった表情を作ると、その表情のままブレーメンと呼ばれた男性に話しかける。創造神は楽しそうな声だな


「なぜ、この子に加護を与えるというのだ?」


「この子は、音楽を愛しています。私と同じく」


「そうか。そなたがそういうのであれば、すぐに加護を与えなさい」


「はい」


音楽の神と呼ばれた男性は、ゆっくりと俺に近づいてくる。見るからに危害は加えなさそうなので、警戒はしない。


「初めまして。僕は音楽を司る神 ブレーメン。君の名前は?」


「音野ハジメです」


「そうか。ハジメ。君は音楽が好きなんだな。音楽プレイヤーを貸してくれるかい?」


「は、はあ……?」


ポケットから、いつも使っている音楽プレイヤーを取り出し、音楽の神に渡す。すると、ブレーメンの腕が光り同調するように音楽プレイヤーも光る。


「よし…手を出してごらん」


ブレーメンに言われるまま手を差し出すと、ブレーメンは光った音楽プレイヤーを俺の手に乗せる。すると、一瞬で音楽プレイヤーが消えた。繋がっていたヘッドホンも一緒に、体に吸い込まれたように見えた。


「これで、よし。創造神様 ありがとうございました」


「うむ。では、転生させるぞ。」


創造神が、再び本を読み始めるとだんだん体が透けていく…


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ハジメが消えたあと、創造神と音楽神が立っている。

創造神は、不思議そうな表情で音楽神をみる。


「なぜ、あの子に加護を与えたのだ?」


「あの子は、私と似ているのです。まあ、気まぐれですよ。」


「そうか?」


「ええ。では、私は忙しいので失礼します」


短く音楽神が言うと姿が一瞬で消えた。


「これからどうなるのやら。楽しみじゃな」

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