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BGM 聖女の歌う聖歌。

 

  ジルの猛攻から逃げることに成功した悪魔は、都市から逃げることにした。

  さきの戦闘でかなりのダメージを受けた体でふらふらと都市外縁部に向かって飛ぶことにした。

  歌が聞こえたのはその直後。


「グアッ?」


  翼から力が抜けて悪魔は高度をぐっと落とした。

  悪魔は知らなかった。聖女様の歌にはガーディアンに翅を与えるだけではなく、悪魔の脳内だけにノイズを与えて戦力を削ぎ落とすことをが可能なことを。

  そして、減速し空中で止まっていた悪魔のわき腹を何かが斬り裂いた。


「ギャッ!!」


  鮮血を滴ながら悪魔が短い悲鳴をあげた。


「浅かったか」


  血を手で押さえようとする悪魔を見ながらレイジは呟いた。

  手には《封魔の剣》が握られている。刀身の表面を青い光が包んでいる。いや、青く見えるそれは剣から溢れだしたレイジの魔力だった。


「次は、さっきよりも強く」


  青い光は一層輝きを増し、剣を包んだ。

  剣に送られた魔力を高速で循環させ、チェーンソーのようにすることで切れ味を高める。その作用で周囲にバチバチという音が鳴り響く。


「一撃で終わらせる」


「ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」


  生存本能が作用したのか、悪魔は口を大きく開き、翼を広げ、襲いかかってきた。


ーーーーーー我流奥義電光(ライトニング)一閃(スラッシュ)!!

 

  一匹と一人がすれ違った後、一匹の首から上がゆっくりと落下し、聖女様が歌を歌いきった。



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