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完成:短編 削除



「聞いてくれよ相棒」


「なんだい」


「恋しちまったみたいだ」


「……カブトムシボディの我が友、ワンモアプリーズ?」


「カブトムシが恋したら悪いってか?

でもよ俺の甲冑が、俺の角が、そしてよ緑色の体液がよぉ

あの子にラブラブキュンキュンなんだよ!」


「ラブラブキュンキュンて……

ホセ、ホセ・エンリコ・バリャーコ

インセクターの君に忠告しておくよ

悪いことは言わない

人並みの幸せを求めるなんてしてはダメだ」


「でもよ、俺は告白してぇんだ」


「それで? それでどうなる?

君はインセクターだ、その乱暴に巨大な生殖器で

交尾でもするつもりなのかね?」


「……やめろ!!

俺の愛は、もっとこうピュアなモノなんだ

彼女と一緒に居られればいい

人間の女の子なんだ

カワイイんだ、笑ったらふにゃっと笑顔が溶けて

最高なんだよ

なあ、俺のこの想いを助けてくれよ

辛い、辛いんだ、角が震えるほどに辛いんだ」


「そんなものは錯覚だろう

君の巨大な甲殻、その頭部から伸びた剣のような一本角

岩石さえも砕きかねないその拳、その肉体。

外骨格を形成するキチン質

異形そのものの君に、人間との幸せな未来があるとでも?」


「……そんなふうに言わないでくれ!

お前はひどい奴だ、

クソッタレだ、最低のしみったれたガウチョにも劣ったハートレスだ!

俺は彼女を愛してるんだ」


「そうかい、ピュアな恋なんだねぇ

そこまで言うのなら交尾が出来なくても、君は我慢出来るという訳だね」


「……いや、まあ出来ることなら、その」


「……呆れた正直者だね、君は

我が研究室の雇われ、使いっ走り、非正規雇用者

兜角のホセ、言っていることが矛盾しているぞ?」


「しようがないだろう、男なのだ!!

この角の滾りを見ろ、モルルッカ街の裏路地で入手した研磨剤の輝き

大したものだろう? どうだこれで我が愛しの君の心を射止められる」


「わけないだろう? ふざけてるのかい?

まず君に必要なのはその外骨格を脱ぎさることが出来るなら脱ぎ去ることだ!

そして人間に生まれ変わるんだ。

そうじゃなきゃ余程の好き者でも無い限りね、

君に想いを寄せる人族の女の子なんていやしないぞ?

同じ女の子の僕が言うんだ、間違いないね!」


「ハハハ、女の子? 冗談は……」


「女の子だよ、君と同い年だけれどね

ほら見てくれよ、このスリムなボディ。ちょっと身長は低いがね。

こんなに女の子女の子した僕が言うんだ間違いないよ。

君は諦めたほうがいい、それよりも僕の仕事を手伝ってくれないか?

やることは多いのだからね、君の些事にかかずらっている暇なんてないんだよ」


「些事、俺の真剣な悩みを些事

俺のピュアなラブを!!」


「ああ、はいはい、もういいから、というか約束しただろう?

今日の午後は仕事を進めるって」


「……っ、もういい!!」


「へっ? あ、え、何処にいくのかね、おい?

ホセ? ホセ! ホセ!!」






諸事情により以降を削除しました



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