七話 機動戦士ガンダム逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン 富野由悠季著 角川スニーカー文庫
今回は時間をかけすぎた上に薄い内容になってしまった事をお詫び申し上げます
言い訳としましては、仕事の忙しさとモチベーションです
ですが、二十話にも満たない内には削除も完結もしません。その他の作品も同じです
梅雨というものほど読書に向いている時期はそうそうない。
晴耕雨読と言う諺があるが、慶輔と香秧に取っては晴読雨読だ。晴れていようが、雨が降っていようが、雷が鳴っていようがこの二人には読書しかない。
そんな二人は少し古い本を挟んで座っている。
慶輔「つい最近ガンダムエースでコイツの漫画連載が始まった」
香秧「あー、そうらしいね。他のコースの女友達にめっちゃすんごいガノタがいたから…この情報が出た時はそりゃあ驚いたこと驚いていたこと」
慶輔「そりゃあそうだ。そもそもこいつは、劇場版逆襲のシャアの原案だとも言われている。後書きには、著者である富野由悠季のこの本についてのあれこれが書かれているが、何と書かれているかは読んでからのお楽しみという奴だ」
気取ってコーヒーを啜る慶輔を見て、香秧は連載ページに目を遣って第一印象を言った。
香秧「あれ?シーンが違ってる。原作本だったらアムロとベルトーチカがラブチュッチュしてるシーンだったのに、人狩りの件になってる」
慶輔「どうもそうらしいな。だが、少しの差異が面白味とも言える…人によっては完璧再現か内容変更の二種を好む傾向がある。それはそれで面白い……」
香秧「今まではゲームに登場はするけども、漫画は初登場じゃないこの原作小説」
慶輔「俺の知ってる限りだとそうだな。それにナイチンゲールのキット化も嬉しいニュースだ。それはともかく、何故これが劇場版にならなかった理由は知ってるか?」
香秧「なになに?」
スッと慶輔が開いたのは本誌最後の辺りの、富野氏が記したあとがきの373ページだ。
そこには「結婚したアムロを見たくない」と書かれていた。これは富野氏に鉄槌を下した意見である。
慶輔「しかしこれはこれだ、モチーフ小説と捉えた方がいいのかもしれないな。漫画版を楽しんでからこの小説に入るか、それとも小説からこの漫画に入るかは個人の自由だ、誰も強制しちゃいけない。因みにこの小説の直接の続編が『閃光のハサウェイ』だ、映画版の続編じゃないけどな」
香秧「成程ねぇ、映像と書籍で歩む歴史が違うと言う…」
慶輔「ああそうだ。それだけに広いんだ」
そう言って慶輔は雨が降りしきる窓の向こうの雨空を眺め、温かいコーヒーを一口すする。
続く
これからも、応援よろしくお願いします