六話 小説仮面ライダークウガ 荒川稔久著 講談社キャラクター文庫
えー、長らくお待たせ致しましたすみませんごめんなさい、ホントに申し訳ありません
今回は小説仮面ライダークウガを自分なりにレビューして見ました。と言ってもほぼ内容を少し語ってる様になっていますが、ご容赦下さい
慶輔は来たる秋と冬に向けて衣更えをしていた。
これが終わったら今日の楽しみを吟味するつもりだ。小さいときに好きだったヒーロー、『小説仮面ライダークウガ』をこれから読むのだ。
この本は以前読んだ『小説仮面ライダーオーズ』と同じシリーズにある。クウガからオーズまでの十二作品を小説版にした物だ。
整理し終えると慶輔は愛用のカップにコーヒーを注ぎ、寛ぎながらの読書を始めた。
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全体を通してよく見ると、クウガ本編終了から十三年の時が経っていた。
同僚の結婚式に参加していた刑事・一条 薫がこの『小説仮面ライダークウガ』の主人公に当たる。物語本編の主人公・五代 雄介の姿は実は終盤まで余り登場しないし、台詞は回想や夢が主だった。
その十三年後でも、未確認生命体事件は起きていた。しかも、それに対する法律もその十三年の間に変わっていた。
SNSに投稿された画像の荒い白い戦士、もう一つの戦士の遺跡、そして生き残っていた未確認生命体。
読み進めていくと少しネタが入っていたがやはりクウガらしさを感じられる。
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香秧「で、感想を頂けますかね慶輔」
起床してすぐの慶輔の部屋に早々訪れた香秧は挨拶代わりに言った。放って置くと面倒臭いと思った慶輔は寝間着姿のまま香秧を迎え入れた。
何年も前からたまにまだ寝間着姿の慶輔の部屋に香秧が訪れた事が多いのだが、その逆のパターンは皆無だ。
香秧「で、どんな感じ?」
慶輔「率直に言う。正にこれぞクウガだと言わざるを得ない作品だ。十三年後が舞台だと書いてあったが、主要人物が殆ど出ていたのがとても嬉しかったな」
香秧「成る程成る程」
慶輔「勿論クウガは出る。出るんだが、あくまで主人公は五代さんじゃなくて一条さん。これは彼の目線でえがかれている」
香秧「ちょっと待って、一条さんってクウガじゃないのよね?」
慶輔「勿論そうだ。一条さんはクウガじゃない。じゃないが、実はもう一つのクウガのベルトが存在していたんだよこれが」
慶輔が言う場面は未確認生命体零号に父親を殺された十三年前は学生で作中では未確認事件を追う一条の相棒となった夏目 実加。実は彼女は試作型のアークルを独自に発掘しそれを身につけ、二人目のクウガとして生き残ってゲームを仕掛けていた未確認と戦っている最中その姿を取られ、SNSに投稿された。
その後彼女は二度変身する。一つはアイドルとして活躍してライブで観客を一斉に抹殺しようとしていた未確認との戦闘で、もう一つは議員になりすまし零号に殺された父を侮辱され変身。
どちらも一条の目の前に姿を見せていたのだが、一つ目の時は一条は気を失っておりそのクウガが五代と錯覚。そして議員になりすましていた未確認の時は一条の目の前で、しかも究極の闇とも言える姿に変身した。
慶輔「そして、議員になりすましていた未確認…ライオと交戦。一条さんはそれを止めようとするが、どちらも一条さんから遠く離れたビルの上。そこで十三年前のチームが再集結。一条に新型のビートチェイサー3000とこれまた新型の神経断絶弾を渡した」
香秧「そんでそんで?」
慶輔「後は実加の変身したクウガの目が黒くなったその時、駆け付けたんだよ。石になって動かなくなったはずのゴウラムに連れられて、十三年前に旅だった五代 雄介が変身したクウガが」
香秧「ファン待望のシーン…だね」
慶輔「ああ。五代さんが変身したクウガは実加が変身したクウガを止め、ライオと決戦」
香秧「そして五代さんのクウガが…」
慶輔「いや、トドメをさしたのは一条さんだ」
ビートゴウラム3000を駆り、五代クウガはライオと共に別の場所へと移動、一条も仲間のヘリに乗り込みその後を追った。
激戦の最中、五代クウガは赤、青、緑、紫の順に体の色を変えて何度も封印のエネルギーを叩き込むが、ライオはそれを鬣から吐き出した。
中々倒せないライオは迫るクウガに人間体に戻って見せた。
香秧「……なんて汚い」
慶輔「それがグロンギと言う奴だ。敵なのは解っている。倒さないといけないのも解っている。けれども、やっぱり五代さんは人を殴るのは嫌だった」
香秧「だから一条さんが引導を……」
慶輔「ああ。新開発の銃弾で上半身は木っ端みじんになったよ、ライオは。最後の最後で、やっと一条さんは五代さんと会話が出来た…」
香秧「成る程……。ところで話は変わるけど、オーズ小説版は全三章程に対して、こっちは五章なのね」
慶輔「その分読みごたえはあるぞ?後はアギトからダブルだが……これは時間と金があったら読んでみる」
香秧「じゃあネプの方は?ISは?」
慶輔「どちらも出来れば最終巻が出たら…な」
言うと慶輔はそろそろカーテンを開けて朝日を浴びようかと窓の外を眺めると、空は曇り空に加え、白く小さな塊が振っていた。
初雪がしんしんと振っているのを見て、慶輔と香秧は雪が積もるのを楽しみにしている。
続く
実は今回の本文字数が、2014文字となっておりました(汗)