第27話 脳内裁判
朝も早い時間に第一お客さんがやってきた。それは三十歳くらいの主婦風の女性だった。
観光客ではないことは間違いなく、ラフな格好で腕に買い物用バスケットを下げている主婦は、便利屋の二人にこう言い出した。
「あのう、汚れ仕事でも何でもすると聞きました。ここでいいですか?」
「どうしたのお姉さん。話聞こうか」
案の定女性は小僧にニコやかに優しく話しかけられてドキドキして顔を赤く染めだした。
「えっ、あの。えっと」
「お前はいいから座っておれ。お客さん、どうされたのじゃ?」
「はい……実は私の近所に一か月くらい前ぐらいから怪しいおばあさんがうろついているんです。
包丁を持ってぶつぶつ言いながら朝から晩まで。しかもですよ!」
「しかも……どうされたのじゃ?」
「そのおばあさん、なぜか近所のおじいさんや男性に好かれていてモノやお金をもらっているんです。
おばあさんを家に泊めてあげているおじいさんもいて、私は強く言えなくて」
「つまり邪魔だからどっかへやってほしいということじゃな?」
「はい。実は私の夫もあのおばあさんに夢中で。まるであのおばあさんは羊飼い、夫は羊飼いのようです」
「夫とな。失礼じゃが年齢は?」
「夫は三十五です。三十歳以上は年上に見えるんですが……なんででしょうか……?」
「包丁を持っていて怖いだけでなく、個人的な恨みもあるというわけじゃな。
あいわかった。小僧、仕事じゃな。その老婆をどうにかしてやろう。
お客さん、アンタは近付かないほうがよかろう。私たちに道だけ教えてもらおうか」
「そうですね。私が今来たあの道をまっすぐ行って十字路に出たら左折してすぐのところです」
「なるほど……先生、予定とは違うが行こうか?」
「うむ。報酬はそうじゃな。私は今むしょうに牛乳が飲みたい気分じゃ。
ミルクを買ってきてくれ。それを報酬としよう」
「そんなことで……?」
「よし行くか。先生ミルク好きだもんな」
「うむ。いつも家にいた牛から搾りたてをのんで負った」
話はまとまり、先生と小僧は言われた通りの場所で数時間張り込みを行った。
すると、近くの家からかなり年のいったおばあさんが出てきて、しかもその家の主人らしきおじいさんがそれに満面の笑みで手を振っている。
しかも先生はそのおじいさんを遠目から観察してあることに気が付き、思わず声を上げた。
「ぬうっ!?」
「ぬって何だよ先生。どうした?」
「あのジジイ……気色が悪い」
「まあ先生よりジジイは年下だろうけどね」
「お前もジジイより年上じゃろうが!」
「まあそうだけど。で、ジジイがどうしたって?」
先生は言いにくそうにしながらもすでにジジイが中に引っ込んだ家を指さしてこう言った。
「あのジジイ年甲斐もなくギンギンに勃起しておった」
「まじでかよ。羨ましいねお盛んで。まあエッチなことは若者の専売特許じゃねえからな」
「吐き気がする。まさかあのババア……?」
「どうも。張り込みはどうです?」
突然後ろから声をかけてきたビビへと振り向くと、先生は小声で答えた。
「今ちょうど目標が出てきたところじゃ。足が遅いのでいつまでたっても……」
「いやぁ、ぐっすり寝ちゃってすいません。あまりこっちには詳しくないですが、ファミリーのところへ案内できると思いますよ」
「頼むビビ。あのババアをどうにかしたらすぐに……っておい先生、ババアがこっちへ向かってきていないか?」
港町の通りは舗装もされていない砂だらけの土地だ。
そこを見すぼらしい婆さんが歩いているのだが、迷いなく先生たちの方向へ歩みを進め、そのシルエットが徐々に大きくなってくる。
なんとババアは手に刃物を持ってこちらに全力疾走してくる。隠れて観察していた三人に完全に気が付いていた。
「アクセル覚悟ォォォォ!」
「アクセルだって!?」
「もしやこの人と勘違いを……?」
とビビが言うと先生は即答した。
「間違いあるまい。アクセルと小僧は同じ顔の双子じゃからのう」
「この極悪人めが、死ねぇぇぇぇいっ!」
「ちょっとまっ、ババアこっちくんな!」
ババアは刃物を持ったまま絶叫して突進してくる。コースはこのままだと一直線で小僧にぶつかる。
「止まれって言ってるだろこのババア耳が遠いのかっ!?」
「いかにも遠そうだのう」
「遠そうですね」
「地味に俺の天敵じゃねぇかくそっ!」
ババアはそのまま突進して来て、手に持った大きめの料理包丁を腰にためた殺意の構えで小僧に突き出した。
そして小僧の腹は、包丁をバギンという音を立てて跳ね返し、むしろ包丁の方が切っ先を折ってしまったのだった。
「やれやれババア。この服は先生に買ってもらったやつだぞ破きやがって」
と小僧が怖い顔をするとババアはさっきまでの狂気的なまでの迫力はどこへやら。
震える脚で小僧から四つん這いで逃げようとするが脚が震えすぎて上手く遠ざかることも出来ず芋虫みたいに砂地を這っている。
「ヒェェ、お助け―!」
「お助けじゃねぇこのババア!」
「待て、小僧。私に覚えはないか?」
「はえ?」
ババアは先生の声に振り向くと一瞬硬直。そして先生と目が合うと、先生は柔らかくフッと笑って口角をあげた。
「フフ、こんなところでまさか会うとはな。元気にしておられたか、母上?」
「母上!?」
「先生の母上ってことは……何歳だ?」
「おお……イザベルかい。お前どうしてここに……?」
「積る話はあとじゃ。三人とも、飯屋へ入らぬか」
「絶対話せよ先生。このババアの事めっちゃくちゃ気になるぞ俺は!」
「ウム、色々話してやろう。それかまたこの街で宿をとるか……?」
「宿はいいだろ。先生話せよ?」
「わかっておる。行くぞ小僧。お前も来いビビ。話を聞きたそうじゃからな」
「気にならないわけないでしょ!」
などということになり、この町の定番料理を出してくれる鉄板の店へ一行は入った。
さっきの通りからもほど近いこの店はガイドブックにもたまに載っていることがあるくらいには有名な名店だ。
今日はそれほど観光シーズンでもないし平日なので予約をとらないと入れないほどには客はきておらず、四人組で簡単に飛び入りで入店することが出来た。
ここは隣の街とは違ってイカスミを使わず、アクアパッツァに近いシンプルな魚介の煮込み料理に、水餃子のようなパスタ料理を添えた品が一番人気だ。
淡麗で透き通った素材の味を生かしたスープに、ひき肉や刻んだキノコと香草などをあえたのを小麦粉の生地に包んだ、本当に餃子かラビオリみたいなパスタが浮いている。
魚介のスープに慣れた口の中に、餃子っぽいパスタをかじると牛ひき肉の旨味があふれ出す。
そんな絶品料理を味わうのはほどほどにし、当然小僧は料理が出てくると満を持してこう聞いた。
「さあそろそろ話してくれよ先生。母上っていうのは俺にとって父方の祖母か、それとも母方の祖母なのか?」
「まあ待て。私は年齢はあまり言いたくはないが、とにかく長生きであると言っておこう。
母上が私を産んだのが何歳の時かも知らぬが、母上はさらにもっと悠久の時を生きておられるであろう」
「ってことはババアは俺の母方の祖母になるわけか?」
「続きは私が話した方がいいかの?」
「そうじゃな」
「うわっ、先生と同じ話し方!」
「そうですよね、先生も無から生まれたわけではないですよね」
「ビビ、私をなんだと思っておったのじゃ」
「すみません」
ババアは自分のことについて信じられないことを語りだした。
「私はサキュバスなのじゃ」
「何のギャグだよババア。サキュバスっていうのはムチっとプリンとしてて若くて可愛い……なあ?」
話を振られたビビはまるでロボットが質問に機械的に答えるように、無表情でこう答えた。
「そうですね。人間の男性に夢を見させ、精気を絞り、枕元にミルクを置いておくと精液と勘違いしてそれを持っていく妖精のようなものだとか……?」
「そうじゃ。ミルクうんぬんはおまじないのようなもので、効果はないようじゃがの。
私はそのサキュバスとして男に夢をみさせ精気を搾り取ることで魔力と生命力を得ておる。
ただし現実では私はこの通り、必ずしも美人とは言い切れなくもない感じの容姿に」
「いやシワクチャババアだよ。それと結婚したジジイは何者だ!?」
「それは僕も興味があります」
「そこからのことは私が話そう。小僧、聞け」
「そういえば先生、アンタこのババアの話が本当ならサキュバスのハーフってことか?」
「そうじゃ。やろうと思えばみだらな夢を見せて男から精気をしぼり、魔力と生命力を得ることが可能じゃ」
「ウッソぉ……スゴイ知りたくなかった情報なんだけど。
先生がいつもそんなに若くてきれいなのは男にみだらな夢を見せて搾ってるからってことぉ……?」
小僧が落ち込み、シュンとして俯きながら、自分より座高の低い先生を上目遣いで見つめる。
否定してほしそうだが、先生は事実だけをパスタを食しつつ淡々と話していく。
余談だが、先生は小僧に若くてきれいと言われて顔には出さないものの結構嬉しかった。
「話は最後まで聞け小僧。母上は信じられないことに、ある男とケッコンしたのじゃ。
それは言うまでもなく私の父上。そして吸血鬼じゃった」
「吸血鬼とサキュバスのハーフってアナタね……じゃあ人間じゃないじゃん!」
「そうじゃな」
「そうじゃなっておい、否定してくれ先生!」
「私がいつも暑い日も厚着をして肌を隠している理由がそれじゃ。
本物と違い太陽を浴びただけで死ぬほどではないが、半分は血を引いているので太陽に弱いのじゃ。
日中動くことすら本来あまり好きではない」
「えっ」
ビビは耳を疑った。もしそれが本当なら、先日小耳にはさんだ太陽に触れると体が石化する石化病の原因が、少しはわかった気がしたのである。
さて、先生の説明に追加して、ババ上が情報を補足してくれた。
「もちろん昼間が好きでないのはサキュバスも同じなのじゃ」
「私のように人間風の見た目をしていて圧倒的な魔力を持っておる魔術師は、ほぼ全員何らかの魔族の血が入っておると考えてよいじゃろう。
エルフやドヴェルグ、巨人……中には悪魔と人間の間の子もいるという話じゃが」
「へえ。先生が父親似でよかったよ。
ところで俺たちが聞きたかったのは本来そのことじゃなくて、ババ上がなんでアクセルを襲おうとしてたのかってことだよ」
「それはじゃな……」
ババ上呼びにいつのまにか慣れているババ上はアクセルとの因縁などについて理由を話してくれた。
「私は孫の存在については知らなかったのじゃが……何年ぶりにこうして会うのかのう?」
「結婚報告しに行って以来じゃな。多分三百年ぶりぐらいじゃないかの?」
「そんなに……」
「私は最近アクセルの噂を聞いたのじゃ。地方によっては誰もがアクセルの噂をしておる町もある。
当然、悪いうわさじゃ。そんなときじゃった。私を呼び寄せたのは予言の悪魔に憑かれた者じゃった」
「予言の悪魔か」
確かに、予言に怯える人間は多い。予言の悪魔というのもなかなか強そうだが、新情報が出てきて小僧は頭を抱えた。
「ババ上、俺そんなに頭のいい方じゃないんでな。もうすでにキャパ超えそうなんで手短に説明頼むぜ?」
「うむ。グリモアを所有し、古代語を習得。そのうえ水準以上の魔力を持っている魔術師だけが悪魔と契約できるのは知っておるな?」
「うん、知ってる」
ババ上の説明したように、もともと優れた魔術師でないと悪魔と契約できない。
だから悪魔やグリモアは強くなれる便利アイテムではない。
むしろ強い魔法使いと、それに一歩及ばない魔法使いの間に厳然たる壁が出来てしまう原因がこの悪魔との契約だったりもする。
「ただし、悪魔やグリモアとの契約に何らかの形で反してしまうと"憑かれ"てしまうことがあるのじゃ。
例えば、グリモアを破損してしもうたり、どこかに捨てたり、置き忘れたりとかな。
他にも水準に満たない魔術師や文字をろくに読めないのにグリモアを使用した魔術師も"憑かれ"てしまうことが多々ある」
「そうなった結果、悪魔に憑かれた魔術師がババ上に話しかけてきたってのか?」
「そうじゃ。予言の悪魔に憑かれたヤツはこう言ってきたのじゃ。
次の満月の夜、アルメリアという街にアクセルがやってくる。
一人の少女を追って。そしてこの街は火の海になるとな。
その辺の占い師に呼び止められてそういわれても何とも思わぬが、予言の悪魔にそういわれてはのう。
しかも悪魔が言ったのはそれだけではなかったのじゃ……!」
「ババ上、なんと言われたのじゃ?」
「とうとう先生まで言った!」
「アクセルのことは悪魔の間でも噂がもちきりなのだそうじゃ。
奴はこの世界で始まって以来の特別な男じゃと言っておった。
悪魔たちの間で何かの賭けが進行中なのじゃ。悪魔界すらもアクセルは左右しかねないとかなんとか」
「なんだそりゃ。アクセルって一体何なんだ?」
「それは私もわからぬ。とにかく悪魔というのは己の命すらチップにして賭ける狂気の集まりなのじゃ。
アクセルは悪魔を皆殺しにするつもりでおる。それが成功するのかしないのか、賭けているとかいないとか。
予言の悪魔はそれを私に告げてどこかへ行ったので、私はここへきてアクセルを探しておったというわけじゃ。
私自身、奴の"カルト"に巻き込まれて死にかけたことも多々ある。
お主たちもアクセルについて何か知っていることがあったら教えておくれ」
「あれ。もしかして先生、ババ上はアクセルの事……?」
「そのようじゃな」
「何の話じゃ?」
「アクセルは私の息子なのじゃ、母上」
「なにっ」
「悪魔界でアクセルが有名であるというのは初耳じゃが。
私の知らぬ間にそこまでのことをしているとはな」
「……とすると、そこのアクセルそっくりの男は?」
「俺はアクセルの双子の弟だ。顔が似ているのは当然だ。しかしババ上」
「待て。私がアクセルと会ったこともないのに何故顔を知っていたのか、と言いたいのじゃな?」
「そうだ。写真でも見たのか?」
「お前たちがそういう事情なら私も教えてやらねばなるまいて。
私はサキュバスの血のおかげで夢を扱うのに長けた魔術師でのう。その道ではそれなりに有名なのじゃ」
「母上は"夜の眷属"。サキュバスやインキュバス、人狼、吸血鬼たちの仲間じゃ。
基本的に恐れられる排除の対象で、人間に寄り添い生きる者は少ない」
「へえ。サキュバスにはそういう特技があるのね」
「僕も興味深いです。ババ上様、出来ればもっと教えてください」
とビビが言うと、当然のことながらババ上はビビのことを知らないので小声で先生に行った。
「なんじゃこの礼儀正しい子は?」
「旅の連れじゃ」
「そうか。聞くな、と言われたようなので聞かないでおく」
「それが賢明じゃ」
実の母親に対してとは思えないほど怖いことを言う先生にたじろいだものの、気を取り直してババ上は続ける。
「えー、まあつまり、私は旅をしながらその町の男の精気を吸いつつ依頼を受けて多少のお金をもらっておるのじゃ」
「依頼?」
「私たちは夢を操れる。夢を見せて深層心理を操ることも容易じゃ。
それで依頼を受けてこなすこともある……ま、精気を吸うついでにな」
「へぇ。飯食ってるだけで金までもらえるなんていいなぁ」
「まあ、精気さえ吸えば別に飯も食わなくてよいがのう。
その私がこの街に来てみると一人の女から依頼を受けたのじゃ。
写真を見せられて、家族を殺したこのアクセルという男の手がかりを探してほしいと言われた」
「双子のアニキが恨みを買ってると苦労するぜ」
「まさにそれが言いたかったのじゃ。同じ顔をしたお主は恐らく今後相当に恨みを買い、攻撃を受けることじゃろう」
「先生、俺らがこの二十二年、旅をした町ではそんなことなかったよな?」
「じゃが、お前が大人になってきたここ五年ほどでその危険性が高まってきたのは確かじゃろう。
大人になってきたということは、アクセルに似てきたということじゃからな。
それに写真というもの自体ここ数年で発明されたものじゃからのう」
「確かに。今後はアクセルの写真をもとに俺が勘違いされて狙われることもあるのかもしれないな。
というか、なんでアクセルは写真なんか撮られてんだよ。引きこもれ!」
「気を付けよ。それではごちそうさま。私は、引き続き予言に従ってこの街にとどまってアクセルを探すとしよう」
ババ上が席から立ちあがってここを去ろうとしたところ、小僧がこう言い出した。
「うーん。ああ、そういえばその予言なんだけどもしかしたら外れかもしれないぜ、ババ上」
「どういうことじゃ?」
「アクセルの追っているの少女……誰の事か知らないが、こうは考えられないか?
アクセルはここには来ないが、顔が同じな俺を見間違えたんじゃないか?」
「なるほど。つまり予言の悪魔もアクセルとお主を間違えたと。あり得ん話ではないのう……?」
「そうに決まってるよババ上。遺体は遺体を感知できる。
遺体の反応はない。アクセルはここに向かってないはずだ」
「ふむ……それでは私はお前たちの宿に寄ってもよいかの?」
「ババ上とも積もる話があるしな。俺たちがここにもう一泊するかはわからないけど。
でもさ、何百年もほったらかしだったんだろ娘のこと。サキュバスってそんなものなのか?」
「我々は男から奪った精気をストックしておいて、いつでも好きな時に子を産めるのじゃ」
「女王アリみたいな生態してんだな」
「それゆえサキュバスは産むものは沢山娘を産むが、産まないものは全然産まなかったりする。
私も産んだのは後にも先にも一人だけじゃ」
「サキュバスや吸血鬼の事もっと聞かせてくださいね」
「よかろう。私としても男が二人もいれば今夜の食事は必要なさそうじゃ」
「く……!」
小僧の頭の中で壮絶な法廷が開かれた。その模様を紹介しよう。
まずは煩悩とそれを弁護する弁護士が、裁判長にこう申し入れていた。
「裁判長。サキュバスに夢の中でエッチなことをしてもらうのは大歓迎であります。
何故なら俺は童貞なのでエッチなことにとても興味があるからであります!」
「うむ、それは分かる。だって裁判長の私もそうだからな」
「異議あり!」
「検察側、どうぞ」
裁判長に促され、検察側はこのように述べた。
「アレは実の祖母です。そのうえ本体はシワクチャババア。それで童貞卒業なんて考えられません。
何を期待してるんですかバカバカしい。
それに引き換えシロル殿下は俺のことが好きで二十年以上も独身でいてくれているらしいとのこと。
彼女とのワンチャンを期待した方が健全に決まっています」
「異議あり、俺は楽して夢の中で都合のいいエッチな体験がしたい!」
「異議あり、だからアレはシワクチャババアだと言っている!」
「異議あり、シロル殿下に期待するのはやめろ。カノジョには立場もあるし、俺とは釣り合わない人だ!」
「異議あり、シワクチャババアより万倍ましだ!」
まあ、その後の模様はカットでいいだろう。結局結論は出なかったことは言うまでもない。
我に返った小僧は立ち上がり、みんなと一緒に店を出た。




