赭き炎
頭が真っ白だ...
目をつぶれば、元通りだと思って閉じてみても現実は何一つとして変わりはしなかった
そこには、俺の大切な家族の亡骸があった。
廊下は、血まみれで血の独特の匂いが広がっていた。
目から、涙が溢れてきた。
「うぅ、うあぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっぁぁーーーー」
クソ、クソ、クソ、クソ、クソ
俺がもしも、かつあげされてなければもし俺がもう少し早く学校から帰っていれば。
もしかしたら、家族は無事だったのかも知れない。
俺が、家族を見殺したみたいなもんだ。
「ぅ、うぇ......」
吐き気がしてきた...
頭が、心が何もかもぐちゃぐちゃだ
なぜだ、おかしいだろ。力を与えないだけでは飽き足らず家族まで失わせるなんてあんまりだろ
「なんだこの気持ちの悪い感覚は」
俺は戸惑っていた。
「父さん、母さん、雪虎..」
そして、脳裏に、家族との思い出が溢れてきた。
温かい家族との思い出。
俺が、”甘かった”
だから、せめて仇だけは確実に俺の手で”殺”してみせる
殺す 、殺す 、殺す ..殺す 、殺す 殺す 殺す!!
家族の仇を殺して、殺して、殺してやる!
そんな時、べちゃ、べちゃと血を踏みながら誰が近づいてきた。
「やっと見つけた。」
俺は、恐る恐る振り向くとそこには日本刀らしき物を腰に付け着物姿をしていて何より背筋が凍りつくかのような冷酷な目をしていた。
そして、俺の身長を軽々超えるその男の服には一滴の返り血すらなかった...
俺は、確信したこいつが明らかに化け物だと。
「 お前が、...殺したのか!」
「お前が、俺の家族を殺してのかって聞いてんだよ!!」
「だったら、なんだと言うんだ。」
男は、顔の表情を変えることなく吐き捨てるように言った。
俺は、初めて自覚したこれが憤怒かと...
俺は、その男に殴りかかった。
しかし
「遅い」
そういい、男は軽く息を吐いた。
すると、俺は外に吹き飛ばされていた。
「ぐはぁ、う、」
吐血が止まらねぇ
コツ、コツと足跡が聞こえる。
俺は、あぁ俺はここまでなのか
家族の仇もとれないで
死ぬのか、、、
諦めて、いいのか...
いいわけねぇだろ!!
こいつを殺すまでは、絶対に死なん
俺は、拳に力を込めた。
すると、拳が赤い炎に纏われていた。
それはとても熱くまるで体の内側から焼かれてる気分だ
「ようやく目覚めたか、赤き炎の力が...」
「いや、まだ"意志"がないな...」
そう言って、俺の方を向いて構えてきた
何か、言っているようだが今は一撃当てることに集中しよう
そして、俺は、殴りかかった!!
「しかし、スピードは、何も変わらん」
そして、軽くかわされた。
「なら、これならどうだよ!!」
俺は、自分ごと巻き添えで炎の爆発を引き起こした
しかし、いつまで経っても爆発はしなかった
なぜなら、あいつが小さな黒炎だけでかき消したのである
そして俺は、無我夢中でまた殴りかかった
「いいかげん、鬱陶しい!!」
ボキ!!
相手の蹴りが俺の体に触れた瞬間、俺の骨の音がこの夜に響いた
意識が、飛んでいく、あ、う、......ぐ
「終わりだ」
男が鞘から刀を抜いた
その時...