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戦闘開始

アレ





「今度の奴は持ってるかな?」


「…どうだろうな…」


「あるといいねー。」


「あったとしてもどうなるか分かんないぞ?」


ある場所に向かい雑魚を蹴散らしながら進んでいる最中だ。


そこに近付くにつれて数が多くなっていくのが面倒くさい。


今回は植物なので火に弱いと言う弱点はある。が、乾燥してる訳じゃないので燃えにくい。


微妙に弱点ぽくはない。


雑魚とはいえ、その種類は実に様々だ。ゲームの様に統一された姿はない。見た目は植物に寄生された他の生き物達。


例えばベースが犬だとしても、薔薇っぽい奴と木っぽい奴、花っぽい奴と色々だ。犬にしても種類が色々あるし。


まともに相手したらかなりメンドイし、手間もかかる。


だからマトモに相手はしない。


俺は自分の身体を木に変化出来る、と言うか性質が木と言うか。細かいことは分からんが自分の意思で木を生やしたり伸ばしたり出来る。意識すればかなり固くも出来る。少なくとも石やコンクリートは砕ける。形も自在だ。だけどやはり火には弱い。具体的には火を見たときの恐怖感がヤバい。


近付くとあっという間に燃え移り、焼け焦げるイメージに支配される。


それはともかく、半径10m位まで攻撃範囲があり身体は固い。なので先制してザクザク切り刻んで進める。同じ植物同士だからか分からないが、何となく位置も分かる。


邪魔な植物を切り払い、すり抜けて目的のビルの元までたどり着く。


「凄い状況だな。」


「ジャングルだね……。」


「これはさすがに、このままだと進めん。燃やすのが早そうだが、火が広がりすぎると逃げ場は無いな。」


どうしたものかと周りを見るが、都合良く何かが有るわけもなく。


避難階段でも登るかと隣のビルとの隙間を見るが、避難階段も蔓に覆われていて登れそうにない。

が隣のビルの方が植物の侵食が少ないようだ。この辺りの建物は隣接していて上から移動出来そうだし、何軒か隣に行けば、中にも入れそうだ。


ビルの入り口を覗き込み、植物の少ないところを選んで中に入る。

わしゃわしゃとマリモから足が這えた様なサイズの様々なモコモコが寄ってくるが取り敢えず切り裂き蹴飛ばしながら受付まで進む。


カウンターの中へ入ろうとすると、内側から木に寄生された猫が飛び出してくる。


「おっと」


何かが居るのは分かっていたので、掌から剣山のように細い枝を伸ばし猫の顔に向けると勝手に突き刺さりビクンっと震えて動かなくなる。


「ぁぁ……気持ち悪い…」


手を振りながらもとに戻し、それを振り払い奥の部屋に入る。日が当たらないせいか植物は殆ど居なかったが、大きめのキノコが生えていた。昨日見付けた鉈でザクザク切り払いながら奥に進む。


「マスターキーを探そう。」


「はーい」


2人で手分けして部屋を探し回り奥の責任者っぽい机の引出しからじゃらじゃらと鍵の着いた束を見つけてロビーに戻る。


「取り敢えずエレベーターが動くか確かめよう」


「狭いところだと危なくない?」


「まぁ植物出し、知能が高そうなモノも居なそうだから大丈夫だろ?それに流石に階段はキツそうだしな。棗は階段でもいーぞ?」


「やだよっ!?さらっといぢわるやめて?」


ふて腐れた顔を見てニヤニヤしながらエレベーターに向かいボタンを押す。電源は活きてるようで、ブゥンと機械音を響かせて動きだす。


何歩か後ろに下がり棘付きの盾を構え到着に備える。チンという音とともにドアが開き中から何かが飛び出してくるかと思いきや、特に何も起らず警戒しながら乗り込み、最上階を目指す。


「何にも居なかったねー?」


ニヤニヤしながら棗が呟く。


「……そうですね。」


何もなければそれに越したことは無いのだ。警戒し過ぎでも問題無い。何が居るのか、何が起るのか予測できないんだから。


そんな事は棗も理解してるだろうが、さっきからかった仕返しのつもりだろう。


さっきと同じように盾を構え、到着に備える。


ドアが開く。


いきなり飛び込んでくる様な何かはいないが、エレベーターホールに有ったらしい観葉植物がワサワサと蠢いていた。


近づきながら伸ばしてくる蔓を切り払い本体も細かく切り裂いておく。


屋上への階段を探し非常口やそれっぽいドアを探す。


「あ、あったよー」


いつの間にか別行動していた棗が階段を見付けて声をあげてくる。


「突然別行動すると危ないぞ?」


「ん?棗ちゃんが心配?」


「あぁ。棗が居ないと駄目だ。」


「てえっ?!ちょっいきなり…」


「からかう相手が居ないとつまんないだろ?」


「……」


じとっと睨んで、背中をバシバシとぶっ叩いてくる。


「痛い。」


「ふんっ!知りませんっ!!」


屋上の鍵を開けて、外に出ると思ったよりスッキリとしている。


「ここまでは植物きてないんだな。」


「……」


棗は拗ねている様だ。


取り敢えず棗は後回しにして目的の方向を見て動きを止める。


「へぇ…」


「……うーわ…」


3棟程隣のビルの屋上にソレは咲いていた。屋上の半分程の広さに巨大な朱色の花。青く見えたのは花の上に浮かんでいる5枚の肉厚な花弁の中央から伸びた蔓の先に巨大などら焼きのような何か。花弁の下にはうねうねと蠢く触手。一体何の植物なのかは解らないが、結構な成長をしている様だ。


「思ったより綺麗な色してるねー。おっきいけど。」


「そうだな。あのどら焼きは何だろうな?食えるかな?」


「え~あんなの食べたくないけど?」


「棗ちゃん、機嫌直った?」


「…今は保留にしといてあげる。」


「…了解。」


「…どら焼き…怪しいね…?」


「取り敢えずちょっと様子見て来るから、この辺で待ってて。」


ビルとビルの間は1mも無いくらいだ。このくらいなら問題なく飛び越えられる。


警戒しながら隣のビルまで飛び移った時にそれが動く。


どら焼きの上側の皮がめくれて中から目玉が現れた。黒目の部分に小さめの黒目が複数ありギョロギョロと蠢き辺りを見回すとギュリっとこっちを見た。


「うっわ、キモい。っと」


人の腕程の触手が持ち上がったかと思うとヒュッと風を切る音をたてて消え失せた。


身体が勝手に反応し後方に大きくバックステップした瞬間凄まじい音をたてて屋上の柵が吹き飛んだ。


「マジかっ」


隣のビルに着地して次の動きに備えるが、触手は動きを止める。


「…ここは範囲外か?」


隣のビルはほぼ同じ高さ。その他は高さがバラバラだ。今いる場所も低くなっている。角度的に視界にはいらないのかも知れない。


「ここから冷せるか?棗?」


「うん。多分いける。」


「植物なら冷せば鈍くなるよな?」


「俺はあそこに行く。」


高く飛び出たビルをちらっと見て移動経路を考える。範囲に入る事になるが何とかするしかない。


どら焼きを見ると周辺がキラキラと輝いてる。棗が仕事を始めたようだ。こっちも始めるとしよう。


どら焼きはいつの間にか閉じている。後のビルから回り込む様に移動する。どら焼きは動かない。


距離を取りながら、ビルを移動する。近づいていくと花全体にうっすらと霜が降りているようだ。振り払う様に触手を動かすが冷気は振り払えない。


隣のビルに移動。どら焼きはまだ動かない。1歩。2歩。どら焼きが開く。1歩下がる。後ろに飛ぶ準備をしながら、観察する。範囲外の為かこっちを見ること無くどら焼きは閉じていく。


「ここからか」


目指す場所はこの隣の高くなっているビル。花の真後ろだ。


息を吸い込み、一気に駆ける。端のフェンスに飛び乗り、そこから更にジャンプ。


手から枝を伸ばし隣のビルのフェンスを掴む。


真下では何かが砕ける破壊音。


手に力を込めて身体を引き上げる。勢い良く空に投げ出され、見下ろすと棗は無事。どら焼きは白く輝いている。上空は警戒範囲外らしい。

触手は伸びてこない。


屋上に着地して念のため、距離を取りつつどら焼きの真上に枝を伸ばす。


攻撃が来ないのを確認して巨大な杭を形成していく。


棗を見ると、困惑した顔でこっちを見ている。視線を戻すとどら焼きが上に伸びてきている。


ヤバい。杭のサイズは充分。どら焼きが捲れた瞬間に杭を落とし目玉ごとどら焼きを貫く。ぱぢゅっと破裂する音が響き下の花まで杭を押し込め、杭から棘を何本も伸ばし花の内部から串刺しにする。


暴れる感触が伝わってくる為、杭ごと回転させて花の繊維を引き裂きながら左右に動かしていると、やがて抵抗が無くなった。


近づいて見ると花はボロボロになっていた。触手は枯れて黒く変色していた。


花の側に飛び降りて、念のため触手を千切りにしながら花があった場所に近づいて行く。


動かないのを確認して目的のものを探す。


「あった?」


棗がいつの間にか側にきていた。


「ちょっと待って。う~ん。ん?」


光の珠とその側に落ちている緑色の四角いキューブ。


「あった。」


「その四角がそうなの?」


「分からん。初めて見るし。でもソレっぽくないか?」


「ソレっぽい…かも…?ね!使ってみてよ?」


「待て。取り敢えず、1度ホテルに戻ろう。」


「う~ん、まぁそうだね。後で考えよう。」





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