やはりここはクソ異世界だ
『神器•餃子グリラー』を手にしたオレはこの能力を隅々まで確認した。今分かった能力は
〈餃子を合計12個焼く事が出来る〉以上だ。
「何が『神器』だ〜!舐めてんのか?餃子焼くだけってフライパンの方がまだ使えるだろ!」
大声で叫び疲れたオレは座り込んだ。すると、1人の男に声をかけられた。
「大声で叫んでるのですぐにわかりましたよ。ショウさん。」
オレはこの街に知り合いが居るのかと思い上を振り向くと、、、そこにはまるで絵に描いたようなハゲ眼鏡の中年オヤジがにっこりとした顔でこちら見ていた。
「え、、、、、どちら様?」
オレが唖然とした顔でいると、
「私ですよ、さっきこの世界に召喚すると言ったクリスティ•リアーナですよ!」
この世界に召喚?あ、さっきの美女か!
「さっきのふざけた野郎か!そんなおっさん顔で来られても分かるわけないだろ!てか、なんでおっさんなんだよ?それに『神器』で餃子グリラーってなんだよ!ゲームでよく見るアイテム貰えるんじゃねぇーかよ!」」
オレは少し怒鳴り気味でおっさんに言った。
「私は下界に降りるとこの姿になっちゃうんですよ、決して好きでなっている訳ではありません!それに、誰も冒険が出来るなんて言ってないですよ?勇者なんて選ばれた人しかなれない職業ですし、何もかも普通のあなたがなれるわけないじゃないですか。」
少しイラついたが、オレは何も言い返せなかった。
こっちの世界に来る途中で見た美女の姿ならまだしも、こんなおっさんに言われたのが悔しかった。
「で、オレは何をしたらいいんだ?」
突然異世界に飛ばされてゲームで有名な冒険も出来ない、こんなのクソ異世界だと思いながらもリアーナに聞くと、、、
「餃子屋さんです。」
「・・・・・・」
オレはこの時確信した、、
やっぱりここはクソ異世界だ。