20 期末テスト
誤字多いって分かってるんですけど読み返したときは気付かないんですよね……
「皆期末テストの結果どうだった?」
昼休み。皆がお弁当を食べ終わってから実咲がテストの結果を聞いてきた。
「私は平均点以上は取れましたよ。そこまで良かった訳じゃないですけど」
最初に答えたのは渚だった。
渚は週に三回、多いときは五回夜遅くまでバイトをしながらテスト勉強をしている。バイトをしなければもっと良い点が取れると思うけどそれは本人も分かっているし、私がとやかくいうことではない。
「桐山先輩は結果どうでした?」
今度は渚が実咲に質問する番だ。
「私は平均よりちょっと上だったかな。赤点は取りたくないから頑張ったよ」
実咲は決して勉強ができない訳ではないがあまり頑張ろうとしない。そこそこ頑張ればそこそこの結果が返ってくるからだろう。実咲も渚も器用貧乏なのだ。
「智里先輩はテストの結果どうでした?」
先程から二人の会話を黙って聞いていた智里に話しかける。
智里が頭が良いのは知っているが一応聞いておいた。
小説では受験の時首席合格したと書かれていたし成績は良いはずだ。
「智里ちゃんすごいんだよ。全教科90点以上取ってた」
「それはすごいですね」
渚が珍しく驚いている。
智里は困ったような笑顔を浮かべた。
「昔から勉強以外取り柄がないだけよ」
「さすが首席合格の人はいうことが違いますねぇ」
「知ってたの?」
「小耳に挟みました」
うちの高校結構偏差値高いから首席合格なんてした人が噂にならないわけがない。
小説を読んで知っていたけど、一年のクラスまで噂が届くくらい智里は有名人だ。
渚はそういう噂とかどうでもいいって人なので知らなかったみたいだけど。
「そういうあなたはどうだったの?」
「化学が100点でそれ以外は智里先輩と一緒ですよ」
「……驚いた。あなた勉強できるのね」
「純ちゃんて頭良かったんだ~。100点取るなんてすごいね!」
「なぜか昔から勉強はできるんですよね。いつもふざけてアホなことばかり言うわりに」
渚さん。
あなた一言余計ですよ。
でも予想以上に智里と実咲驚いてくれているようで何よりだ。
「あれ?でもそれだけ頭が良いなら智里ちゃんみたいに首席合格とかにならなかったの?」
「受験と高校入って最初の期末テストとじゃ範囲が違うじゃないですか。受験の時は三年間の振り返りしなくちゃいけないし、それに比べたら高校入って初めての期末テストは範囲狭いですし」
「あー、なるほど」
納得してくれたようでホッと胸を撫で下ろす。
自分でいうのもあれだけど中学の頃の先生に「お前の成績なら首席合格も夢じゃないぞ!」って言われたことがあって本当に首席合格できるくらい頭は良かったんだけどね。
受験の時にわざと何ヵ所か間違えて提出したのだ。
理由は首席合格の人は入学式の日に色々しなくてはいけないと聞かされたから。
入学式が終わったら真っ先に智里に会いたかった私がそんな面倒事をするのはまっぴらごめんだった。
中学校の頃の私の成績を知っている渚が胡散臭そうに目を細めているけど気にしない。
前世の年齢と今の年齢を足すと私の精神年齢は結構高い。この世界の授業はどれも現実でもやるようなものばかりなので前世の知識がある私にとって今の段階で頑張れば大学を合格できるくらいに成績優秀なのだ。ありがとう!前世の私!
おかげで今楽できてます!
お昼休みが終わってあと数分で授業が始まるって時に実咲から通知が来た。
『智里ちゃん元気になったみたいだね。さすが純ちゃん!』
かわいらしい絵文字つきだ。
実咲が元気になっていると思うならたぶんそうなんだろう。智里のことは知り尽くしていると思っていたがやはり小説として読むのと現実としてみるのは違う。
元気ないとかも気付かなかったし、ちょっとショックだ。
智里がもし切羽詰まって八方塞がりって時に私は気付いてあげられることができるのだろうか。
不安だ。
だけど私一人では無理なことも実咲や渚が智里に関心をおいている状況なら何かあってもある程度のことは解決できそうな気がする。
(そういえば秋人の好きなタイプ聞くの忘れてたな)
色々衝撃的なことがあってすっかり忘れていた。
秋人は俺ラブの主人公なのに。
今日の放課後にでも聞きに行こうかな。
生徒会の仕事はもうしなくて良いみたいだし丁度良い。
下駄箱で待ち伏せしてやろう。
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