Echanger
「もしかすると、動揺しているのではありませんか」
ヒルデガルドがからかいの意図を注意深く隠しつつ尋ねると、クロゥディアは音が出そうなほど激しく首を振った。
「していない! ……いや、冗談だよ冗談。これは本当に」
「まあ、さすがにルテティア案件ではないでしょう」
「奴らをあまり調子づかせたくもないしな。……いや、それはともかく」
クロゥディアは咳ばらいをひとつして、アンリの方へと視線を移した。
「彼の感性はあまりにも私のそれと乖離している。私は自らを『騎士的』と思ったことなど一度もないし、実際騎士でもないし、馬に乗ったことさえない。これは師弟関係を結ぶ上で極めて重大な問題なのではなかろうか」
ヒルデガルドは反射的に頷きかけたが、ぐっとこらえた。彼女の内的論理はクロゥディアに同意していたが、しかし職業規範は耳を塞いでいる。そしてまた、ある種の倫理観は、監察官としての彼女に同意していた。
思考する時間を拵えあげる理由もあって、彼女はアンリに尋ねかける。
「ドゥレーム。君がその……、彼女が……、人徳ある? 魔術師だと思い込んでいること、その理由を説明できますか」
監督官の言葉を選んだ問いかけに、素朴な学生は困ったように首を傾げた。
「ええっと、思い込んでいるのではなく、確信しています」
「……それでもかまいません、問題は理由です」
「それは」
彼は頭を六十度の角度にしたまま、ちらりとクラゥディアに目配せした。彼女はその意図を掴みかね、無意識のうちに彼と同じ角度と方向に首を曲げる。奇妙な光景が五秒ほど続いたあと、彼は申し訳なさそうに答えた。
「ごめんなさい、言えません」
「やはり呪詛かもしれないな」
「あなたは黙っていてください」
クラゥディアの声は本気の色を帯び始めていたが、ヒルデガルドは即座に封じた。
アンリの認識は奇妙である。誤謬であるとさえいえる。クロゥディアは間違っても、騎士的な魔術師とはいえない。というよりむしろ、騎士的魔術師なるものは存在しない。彼ら彼女らはそのような生き物ではない。それはたしかだとヒルデガルドも分かっている。
にもかかわらず、彼女はこう言ってのけた。
「まあ、いいでしょう。少なくともドゥレームがあなたのことを人格的側面から、おそらくはこの学院でももっとも高く評価していることは、疑い得ません。それはとても稀なことであると同時に、重要な事柄です」
クラゥディアはのけぞらんばかりに驚いた。彼女はこの監察官の、少なくとも理性的なぶぶんについては一定の評価を下していた。それがかような大胆な主張をするとは思わなかったのである。
「もしかすると君は、今の動機が正当だと言いたいのか」
「あなたは」
ヒルデガルドが聞き返すと、クロゥディアは不審げに眉を顰めて、
「不当だと思っているから批判している」
「はっきり言った方がよろしいのでしょうね。あなたがフォンテイニュ元教授を師としたのはなぜですか」
クロゥディアの表情は強張った。
それはアンリが初めて見る表情だった。
さきに彼女を「騎士的魔術師」と呼んだ時、確かに彼女は動転していたが、それは未知なる事象に出会ったときのものであった。未経験ゆえの困惑だった。
今も彼女は動転している。しかしその質が大いに異なる。
それは既知なる経験ゆえに引き起こされたものだった。
「それは、先生が、偉大な……違う。その……、」
自らの脳から適切な語彙を見つけ出そうと、彼女はしばしのあいだ試みた。
ぱくぱくと何度も口を開き、そのたびに首を振り、思わず出てきた幾つかの言葉には、自分で罵声を浴びせる始末だった。
そしてようやく落ち着いたころ合いに、
「……あの方が師として優れていたことは、誰の目にも明白だった」
結局出てきたのはごくありきたりな表現だった。
「それは彼の言っていることと大して変わりがありません。ほかの誰でもなく、彼女を師とした理由をうかがっているのです。それをきちんと言語化できますか」
厳格な声と目で詰問するヒルデガルドを、クロゥディアは睨み返したが、しかし反論はできなかった。ややあって、荒い鼻息と共にわざとらしく肩をすくめる。
「分かった。ここは退いてやろう」
自分に有利に事が動いたにもかかわらず、なぜかアンリの心はざわついた。おそらく、クロゥディアはアンリの言葉になにか意義を認めたわけではない。そうではなく、むしろヒルデガルドの問いかけを避けたいがゆえに――仮に答えられるとしても、問われることそれ自体を厭うがゆえに、妥協したのだ。
彼の心配をよそに、クロゥディアは気を取り直したように厭らしい笑みを浮かべ、ヒルデガルドに告げる。
「もっとも、これからはこの少年のほうが私の弟子に相応しいか、を尋ねる段になるのだがね。ヒルデガルド、先ほどの資料を貸してくれないだろうか」
それは確認したはずではなかったか、と思ったものの、ヒルデガルドは大人しく礼の巻物を渡した。クロゥディアはそれを開くと、やや遠巻きに中身を見渡す。
「さて、さて、さて……。ふむ、なるほどなるほど……。アルノーの破壊的なまでの寛容ぶりは無視するとしても、君に対する他の教授陣の評価は……」
目がきょろきょろと上下左右する。あまりにもわざとらしかったので、人の好いアンリでさえ、彼女が真面目に読んでいるのかを疑いかけた。
やがてクロゥディアは、羊皮紙を丁重に巻きなおすと、
「虚無の一言だ」
と、内容と全く似つかわしくない朗らかな表情で言った。
アンリは胃に強い不快感を覚える。それを気に留めた風でもなく――実際はそれを楽しんでいたに違いないが――クロゥディアは続けた。
「どうも君は、優れた魔術師にとっては目の端にもかからない存在らしい。いや、これは君が例外というわけではない。実際、ほとんどの学生がそうなのだから。あえて恥じる理由にはならないのだ」
思いのほか気配りのされた言葉にアンリは希望を見出すが、しかしクロゥディアはそれをねじり切るように、指を左右にひらめかせながら言う。
「ただし、だ。弟子入りする学生はそうではない。彼ら彼女らは例外なく、特別に優秀な、卓越した何かを持っている。あるいはその芽を、凡庸な連中には見えずともしかし教授格の人間には一瞥で見分けることができる、そのような可能性をね。なぜか分かるか」
「弟子とは、将来の魔術師(magister)候補だからです」
生徒が自らの知識に照らし合わせながら答えると、教師は重々しく頷いて、
「それを前提とするならば、次の命題を真なるものとして受け入れる準備ができていることになろう――『子弟制度は、才なきものには開かれていない』」
透明な沈黙が両名の間に横たわった。それが嫌味なものにならなかったのは、それを生じせしめたものの態度などではなく、むしろそれを受容したものの真摯さであった。
アンリはじっと、その言葉の意味と意義を噛みしめるように考え込んだが、やがてゆっくりと口を開いた。
「僕はたしかに、才能において誰かに立ち勝っているわけではありません」
頷くことすらしないクロゥディアに真正面から向き合いながら、アンリは続ける。
「でも、いやだからこそ、先生のような騎士的――ええっと、優れた魔術師になるためには、それだけ優れた師が必要だと考えます」
「君は私にはなれない」
アンリの反論にクロゥディアは即座に応える。
「……一般論としても、弟子は師のごとくなれるとは限らないし、またなる必要もない」ヒルデガルドは、クロウディアの睫毛がわずかに震えるのを認めた。
「近づくことはできるのではありませんか」同時に、この少年が予想以上に頑固であることにも気づく。それは実は大事な素養なのだが、さしあたり口は挟まない。
「それは可能だ。たとえば、君が北に一歩進む。君は北極にわずかに近づく。その程度のことで良ければね」またもやクラゥディアが即答すると、わずかな間をおいて、
「先生が直接指導していただければ、それは十歩か百歩になるかもしれません」
「それは君にとっての意義だ。はき違えるな、私が今問題としているのは君の都合ではなく、私自身と制度にとっての必要性なのだ」
「制度上の話をすれば、」
ヒルデガルドが口をはさんだ。
「そもそも弟子を持っていない教授が存在することにも問題があるのですが」
「弟子の質は問わないのか」
「公平性の問題ですから。実例を挙げれば、」
「分かった分かった。だったらそれは良い……。問題を私自身にとっての意義に」
「そういえば、フォンテイニュ教授があなたを弟子としたとき、彼女は評判調査を一顧だにしませんでしたね」
「フォンテイニュ」というアンリには聞きなれない人名が、ヒルデガルドの口から再び出たとたん、クロゥディアの眉は大きく吊り上がった。
ただし、今度は狼狽せず、むしろ強烈な敵意を監察官に向ける。
「気安く先生の名前を出すな。極めて不快だ」
「私が言いたいのは、自らの弟子入りの際には求められていなかったことを、なぜドゥレームに要求するのか、ということです」
クロゥディアの批判を無視してヒルデガルドは続ける。クロゥディアは一瞬言葉に詰まった後、
「私の場合は、」
「そしてもう一点。あなたはドゥレームへの『決闘術』に関する高い評価を全く無視している。これは不当ではありませんか」
反論の暇を与えずにヒルデガルドは付け加える。教授はまず、険しいまなざしと舌打ちによって答えてから、
「あんなものに価値はない。魔術とは……」
「あなたの深遠かつ秘教的な御高説を伺いたいのはやまやまですが、はっきり断言致しますと、『決闘術』は客観的に見て意義深い技術です。とりわけ、この学院の存続理由を踏まえれば」
最後の言葉を聞くと、クラゥディアは馬鹿にしたように鼻で笑う。
「『存在』ではなく『存続』と言ったあたりに、君の本音が見え隠れしている」
「本音は重要ではありません」
「そうやって取り繕った言葉の帰結が、現代魔術の衰退だ。阿りがもたらすものが何であるのか、君が知らないわけがあるまい」
「世俗化を衰退と嘆くようなむき出しの知への欲望は、早晩地上から自らを取り除くことになるでしょう。少なくとも決闘術の存在とその需要は、魔術全般をこの世界につなぎとめる楔になっています」
アンリはおろおろしながら二人を交互に見やる。既に議論はアンリとクロゥディアの師弟関係を脱線しつつある。うすうす感づいていたが、二人の関係はあまり良好ではないらしい。クロゥディアはともかく、ヒルデガルドがこのようなとげのある口調で話すのは実に珍しいのだった。
彼の不安をよそに、二人はぎらりとした眼光を互いに向け、しばしにらみ合った。クロゥディアの魔術師としての感性とヒルデガルドの管理官としての理屈。それはまことに、近代直前の魔術教育の展開を予告するものであった。そして歴史が証明するとおり、勝利したのは後者である。
「そうか。そこまで、君は」
クロゥディアは心底失望したように肩を落として呟いた。
それでも監察官は警戒の糸を緩めなかった。小さく俯いているクロゥディアの口がわずかに動いていたのを見逃さなかったからだ。これは彼女が何事かを思考しているときのくせである。見逃したアンリは、無邪気にほっとしたような表情を浮かべていた。
やがてクロゥディアは顔をあげ、あまり似合わない微笑を浮かべながら言った。
「私は『決闘術』それ自体の存在価値を認めない。これについて議論をするつもりはない。……だが、『決闘術』を通じて、何らかの魔術的素養が示される可能性が存在することは、認めても良い」
微笑はすぐに、悪意を帯びた。
「ので、実地で示してもらおうか」
そういうがはやいがクロゥディアはするりと立ち上がり、あっけにとられるヒルデガルドとアンリを尻目に研究室から出て行ってしまった。
彼女が戻ってこないことを不審に感じた二人も外に出ると、彼女はまさにアントワーヌ館を出ていくところだった。慌ててその後を追う。
「どこに向かわれているのですか」
息を切らせて追いついたヒルデガルドの正当な疑問を、クロゥディアは意趣返しするように無視した。とはいえ、そこから十歩も歩いたころには、目的地は明らかになっていた。
さて、先述したように、アントワーヌ館が二階建てになったのは、多くの研究者に居住空間を与えるためであった。しかしのちに、学院は彼らに住まいだけでなく研究室をも与えなくてはならなくなったのだ。しかるに新たな宿舎の建設が要請された。部屋の割り当ては魔術の三分野に対応して行われた。最も由緒のあるアントワーヌ館は偉大な伝統を持つ「呪文術」に、そのずっと南、本部からも遠く離れた新築の「モレーヌ館」は「錬金術」に。
三人はやじりがたを作って、あの白く清潔だがどこか無機質なにおいのする館に入っていた。足を一歩踏み入れた瞬間、アンリは顔を顰めた。外観と中身がこれほどまでに違っているとは――屋内は汚物以上の悪臭に満ちていたのだ。
年長のふたりは慣れた物か、顔色一つ変えなかった。クロゥディアは床の奇妙な肉片を巧みによけながら、手前から三つ目、右側の扉に向き直る。
アンリがこの学院内で、彼女の杖を見たのはそれが初めてだった。
長衣の袖から目にもとまらぬ速さで出てきたそれを、クロゥディアは触れるか触れないかの距離まで扉に近づけ、ぽそりと何かを呟いた。すると扉は、自由意思をもっているかのように、音もなくゆっくりと開いていった。
宇宙の始まりを再現したかのような研究室は、すくなくとも空気の質にかんしては廊下よりもはるかにましだったため、アンリは先に入ったヒルデガルドにおっかなびっくり続く。とはいえ視覚的には負けず劣らず異様であり、そこに座っている(そうでなければ、アンリは彼らの下にあるモノが椅子であることを理解できなかっただろう)二人の極めて人間的な形状は、むしろ異物感さえ帯びているように思えた。
「先生、さっさと仕事にとりかかってください。私もそれほど暇ではないんです」
「残念ながら、私も暇ではなくなってしまったようだ」
部屋の奥の机(と思しき紫色の板)、その手前側の女性学生の言葉に、奥に座っている男性教授が答える。彼の言葉と視線で、学生はようやく扉(だと思っていたが、今やアンリはその単語の意味を吟味しつつある)が開いたことに気付いたらしく、三人の方に振り返った。
クロゥディアとヒルデガルドは当然として、アンリもこの部屋の住人たちのことを知っていた。滑らかな銀色の髪と、海のような印象的な瞳を持つこの少女は、エリザベト・ファン・シュルマン。アンリに比較的年が近く、かつ「まともな」学生の中では、一番の有望株として知られている。彼女が錬金術部門の教授であるニコラ・ドゥ・マルヴィルの弟子になったことは、一部の人々、とりわけ呪文術至上主義者に少なからぬ驚きを引き起こした。ちなみにニコラ氏もまた灰色の髪をしているが、これは生来のものではなく加齢と心労によるものである。
突然の闖入者であったが、ドゥ・マルヴィル教授は平凡な中年男性の顔に親し気な微笑みを向けて立ち上がった。
「やあ、ルーフロイド教授。一応歓迎するよ。ただ、ノックのひとつはしてもらいたいかな。そうすれば鍵を開けるのに、君の杖を煩わせずとも済んだだろうに」
「出来が悪い。おおかた形象魔術を練習したい学生あたりに任せたのだろう」
「ああ、まあ安かったからね」
アンリはエリザベトが小声で「だから言ったのに」と呟いたのを聞きとめた。と同時に目が合ってしまう。彼女は「これは何だろう」という目をしている。まったく道理ではあるものの気まずくなってしまい、彼は慌てて目を反らした。
学生ふたりの微妙な雰囲気は教員らにはきれいさっぱり無視された。
ニコラは社交的だがどこか距離を置いた笑みを崩すことなく、クロゥディアに尋ねる。
「それで、何の要件かな。君から訪問とは珍しい。今ならゆとりが――(アンリは今度は舌打ちを耳にした)、うん、無いから、できれば手短に済ませてもらえると嬉しいかな」
「これを貸せ」
そう言ったクラゥディアは、長衣の下にある腕をエリザベトの方に向けていた。過剰に端的な命令文だったが、意味自体は明瞭だった。
態度と内容のいずれに気を悪くしたかは定かではないが、ともかくニコラはわずかに表情を固くする。机の機能を果たしているはずの物体をこつ、こつと杖で叩きながら、
「君、人の弟子を物みたいに扱うのはいかがなものかと思うよ。彼女は人格をもった立派な魔術師だ。それに、君に貸した物がどういう扱いを受けるのか、僕は知っているぜ。原型をとどめて帰ってきたことがあるほうが稀じゃないか。そんな君に彼女を預けるなど」
「ランキアヌス本を貸してやる」
ニコラの声と杖はぴたりと止まった。ごくり、と唾をのむ音が、見た目ばかり騒がしい部屋に響く。エリザベトでさえ、目をほんのわずかとはいえ見開いていた。
依然として本は一種の贅沢品であり、教授クラスであってもおいそれと買えるものではない。図書館の本を借りて写生するのが普通であり、購入するのであれば、他に宛ては無いが必須の本だけを注意深く吟味する必要がある。
ゆえに、クロゥディアの提案は魅力的であった。かって「本土」と呼ばれた半島の魔術師、その最新の著作がここにあるのは稀なことだ。
「マジで」そう言うニコラはもはや笑っていない。その目は真剣そのものだ。
「ああ、だから貸せ」
「もらえる、わけではないよね」
「暗記しろ。いいから貸せ」
クロゥディアが相も変わらず不愛想に求めると、ニコラは自分の弟子と同僚との間に何度も視線を巡らせたが、やがて愛弟子ににっこりと笑いかけた。
「リズ、私は自分ひとりでも仕事ができるから、ルーフロイド教授を手伝ってあげなさい」
「構いませんけど、後で文句を言わないでくださいね」
エリザベトの方は自らの身を案じていないようで、素直に立ち上がってクロゥディアの方へと歩み寄った。そのときはじめて、アンリはこの部屋の床が硬質な物体ではないことに気付いた。
「よろしくおねがいします」
模範生の定型的な挨拶に頷いたルーフロイド教授は、感謝のひとつも言わずにドゥ・マルヴィル教授に背を向け、そのまま研究室から去っていく。展開に追いつきがたいアンリとヒルデガルドは、引き回されるように後を追う。
「何をさせるかぐらいは聞かせてもらっても良いんじゃないかい」
最後に出ようとしたヒルデガルドが扉を閉めようとしたところで、ニコラはクロゥディアに問いかけた。彼女は顔の右半分だけを相手に見せながら、
「決闘」
とだけ答え、すぐに顔を隠した。
悪臭漂う廊下に全員が戻り、かちん、という硬質な音とともに扉が締められると、クロゥディアはアンリに眼を合わせないまま告げた。
「というわけで、この子と決闘してもらう。それを見て判断するとしよう、君が私に相応しいかどうか」
変更点とか設定に関するメモ
イザベル(イタリア系)をエリザベト(オランダ系)に。元ネタはあの人の文通相手。
ニコラには元ネタは無い。
学院はecoleでuniversiteではない。最上級学位もdocteurではなくmaitre(magister)。
場所はルテティアの北東。正式名称はないしょで、たぶん最後まで「学院(l'ecole)」とされ続ける。
クロゥディアがヒルデガルドのことをファーストネームで呼ぶことに意味は無い。
ヒルデガルドは第三者の前では「ルーフロイド教授」と呼ぶが、対面ではクロゥディアと呼びすてにする。これには理由がある。