Ⅲ 静けさと出逢い
もう眠いので寝たいです。サブタイトルなかなか思い付きませんでした。めんどくさくt(((
-もう何度目かはわからない-
「二人一緒は、初めてなのです♪あ、言い遅れたのです♪この世界の管理人、ネーゼと申すのです♪」
取って付けたような笑みを浮かべ、これでもかというくらい深く丁寧なお辞儀をする子供。驚く二人だったが、すぐに目線を合わせるようにしゃがんだ悠義が口を開いた。
「えっと、ネーゼちゃん…だっけ?管理お疲れ様なんだけど、僕たち家に帰りたいんだ。次の霧雨駅に向かう電車って何時にくるかわかる?」
見たところ電光掲示板がなかったのと、このネーゼと名乗る子供しかいなかったため、情報取得のために尋ねる。ちなみに携帯は圏外だった。
「このネーゼにちゃん付けとは、いい度胸なのです♪身の程知らずも甚だしいのです♪」
「え…?(泣)」
今度は嘲笑を浮かべる小学生くらいの子供に対して、泣きそうになっている高校三年生がいる。こんな光景みたことない。情けないなと思って兄を見、同じようにしゃがむ。
「はっきり言えよ。さっきから具体性に欠けるんだけど?あと俺たちは帰る電車について聞いてんの。お前の呼び名はどうでもいいわけ。で?帰る電車の時間はよ」
睨み付けながら手で"かかってこいよ"のように振る。隣で「そんなキツく言っちゃダメだよ!泣いちゃうよ!」と小声で聞こえたが、泣きそうなのは無論悠義である。
「随分態度がデカいのです♪まあ外界から来たことは明らかだし、あなたは可愛いからここのことを説明してやるのです♪それと…呼び名で怒ったのはネーゼが男だからなのです♪」
珍しいものを見る好奇心旺盛な目と笑みで、ネーゼは言う。その向かいには可愛いと言われ赤面する柑梛と、未だに泣きそうで性別を間違えたことに必死に謝る悠義の姿があった。
「電車の時間はよ」は「早くよこせ」の意味です。
おやすみなさい。よい夢を。