第33話 寮での1日
遅くなってごめんなさい
大学の課題は忙しいし、風邪ひいてしまったんです。今も風邪でキツイので、見直しましたが、もしかしたら誤字とかあるかもしれません。
片付けを始めて数時間後、アベルの部屋は僕の手によって片付けられました。
えぇ、僕が片付けました。アベルではありません。というか、アベルでは不可能です。片付けが下手すぎて汚部屋にしかなりません。唯一アベルが出来たのは本棚に本を入れることだけです。
自炊用に持ってきたらしい皿が、アベルが片付けをしようとすると10回以上割れそうになり、見ていられなくて僕が触手を無数に出して全て片付けました。
因みに皿は1枚も割れていません。SSSランクの力をもってすれば余裕です。………力を間違った使い方をしている自覚はありますが、考えないでおきましょう。何だか悲しくなってしまいます。
あと、アベルは片付けをするスライムを見ても感嘆するだけでした。アベルは少々、いえ、ドがつく天然ではないでしょうか?僕としては都合が良いですが、いつか騙されないか心配になってしまいます。
それはともかく、現在は夕方。正確な時間はよく分からないですが、片付けなんかもしていたのでお腹が空く時間です。スライムには空腹は関係ないですが気分的に食べたいのです。アベルもお腹が空いたらしく、お腹から可愛らしい音が鳴っています。
早く食べたいのですが、学食の位置がよく分かりません。わざわざ受付まで戻って聞いてから学食行くのも面倒くさいですし、今回は自炊しましょう。
実はさっき片付けた段ボールの中には本当に色々入っていました。冷蔵庫やレンジ、洗濯機らしき魔力で動く家電製品、図鑑や魔法の専門書などの本、新鮮な食材など。…そう、新鮮なものが入っていたんです。
それが入っていた段ボールは魔力とかが見えるスライムだから分かったけど、多分『状態維持』かなにかの魔法が付与されてたみたいなんですよね。開けたら魔法も解ける使い捨てみたいなやつだったんですけど、その辺技術的にも地球より便利で凄かったです。食材は冷蔵庫らしきものに入れました。これも同じような魔法が付与されている上に、見た目より入る空間系の魔法も付与されていました。
段ボールから出す時、アベルが「……父様、兄様、有難いですが、やり過ぎです」とか疲れたように呟いていたのでこれが高価なことと、アベル家族が相当アベルを溺愛してることはハッキリとわかりました。
まぁこちらとしては有難いことに変わりはないので使わせてもらいましょう。因みに料理は問答無用で僕がします。アベルに家事全般をさせるのが何だか怖くなりました。メニューはオムレツとサラダです。アベルは最早僕を多才なスライムとして認識しているようで、感心するだけです。もう僕もツッコミません。僕も今更ですがアベルの前で自重は止めましょう。………自重あまりした覚えが無いのは気にしません。
そんなこんなで料理が出来ました。今回は上手に出来ましたけど、僕って料理のレパートリーも腕もそこまであるわけじゃないんですよね。たまに料理の勉強もするべきでしょうか?まぁ学食もあるみたいだし、焦る必要は無いですかね。
料理を食べた後は食器を洗って、アベルは読書、僕は『体積変化』とかのここで使っても危険の無いスキルの練習や分身たちからの報告の整理なんかをして過ごしました。特に変わったことも無く、今世で初のベッドでアベルに抱き枕にされて眠りました。
アベルの部屋は上級貴族の寮並みに整っています。アベルの家族、物凄く甘やかしていますが、本人たちに自覚はありません。
もしかしたらこれから先もアベルの家族が出てくるかも?