第0.5話 転生の時
短いです。三人称です
ある森の中、更にその奥深く、野生の動物も魔物も争わない、水飲み場として使われている泉があった。
その泉のそばに最弱のモンスターとして有名なスライムがいた。球状の水のようなカラダで、中心に赤い『核』と呼ばれる玉があるモンスターだ。
ただ、そのスライムは一般的なものより10倍近い大きさがあり、1日近くその場から動いていなかった。
これはスライムが稀にとる行動で、スライムが分裂するための準備だ。通常のスライムの増殖方法は魔素だまりと呼ばれる、魔力の素が集まる場所などから自然に産まれる。
また、今回のような場合に産まれるスライムは実は通常のスライムよりも成長するスピードや基礎能力が僅かに高い。まぁ、珍しいし、最弱モンスターにはほとんどの人が興味がないので知られていないが…
夜中になった頃、デカイスライム―――マザースライム―――が大きく震えだした。分裂するのだ。そして、デカイスライムは一般的なサイズが一匹と、小さいスライム―――ベビースライム―――の素となる液体状のカラダが10匹くらいに分かれた。
日が上る頃には、元マザースライムはすでに森の中に消え、ベビースライムたちは周囲から魔素を集め、自分たちの核が出来上がっていた。そして、核が出来上がったスライムからどんどん好きな方向へ行き、森の中へと消えていった。
最後に一匹、核が出来上がってからも動かなかったベビースライムが残るだけとなった。
近いうちに次投稿します