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夏生詩集3

秋、微笑む

作者: 夏生

夏は秋に握手をして

笑顔で帰ってゆきました


秋は腰に手をあて

夏の名残を丁寧に

拭き取り冷まして

乾かしてゆきました


風から汗がひいてゆき

地面から熱がさめてゆき

青く濡れた葉は紅く乾いてゆきました


鳴きつくしたセミを

アリたちが冬を見越して

蓄えにして忙しく運んでゆきます


空は

夏の名残を一斉処分と

余った雨たちを勢いよく落としてゆきます


準備は整い秋は誇らしく顔をあげました

つめたい風に枯れ葉が次々に舞い落ちて

厳しい顔をした冬が秋を見下ろしていました


「いつもこうだ。夏の後片付けが終わったら

もう私の季節は終わってしまうのだ」


ポトリと落ちたドングリを秋は

かなしげに見つめました


「秋は凄いぞ

つかの間に実りをもたらし

夏に疲れた者を癒し

心地よい季節と愛されている」


冬はそっと微笑みました

地面には秋桜がうれしそうにゆれています

秋は秋桜にそっとくちづけると

冬に微笑み、一礼して去ってゆきました




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