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第三章 闘技場へ行こう!①

 かつて創世時代の頃、《悪竜(あくりゅう)》と呼ばれる巨大な怪物がいた。

 亡者を喰らう鬼どもが跋扈する死者の国――《煉獄》より現れた三つ首の魔竜。

 アギトから吐き出す劫火をもって、大地を灼き尽くす恐るべき魔獣の王。


 その猛威の前に、人々はただ怯えることしか出来なかった。

 そんな時、天より救いが現れる。


 ――《(よる)女神(めがみ)》――


 漆黒の翼と黄金の神槍を持つ、星々を統べる女神が降臨したのだ。

 彼女は自身の眷属である八聖者と共に《悪竜》に立ち向かった。


 女神と魔竜の死闘は七日七晩続いた。激戦の中、八聖者は次々と倒れ、聖者の一人――《黒陽》に裏切られてなお、彼女は戦い続けた。


 そして、ほんのわずかな間隙を狙って、黄金の神槍を撃ち放ったのだ。

 一条の光となった神槍は裏切り者を射抜き、さらには魔竜の心臓へと突き刺さる。

 かくして、天を切り裂くような断末魔を上げ、《悪竜》は息絶えたのである。


 大歓声を上げる人々。歓喜に包まれる世界に、女神は一瞬だけ微笑みを浮かべるが、すぐに表情を引き締めた。

 そして傷ついた体を引きずりながら、最後の使命を果たす。


 その掌から万物の素――星霊を解き放ったのだ。


 星霊達は余すことなく世界中を満たし、森となり、土となり、風となり、水となり、劫火で傷ついた大地を癒すのだった。

 それを見届けた女神は、七人の聖者を連れ、天へと還っていった。

 こうして、世界は平穏を取り戻したのである。




「……とまあ、これが《星神》の祖と呼ばれる《夜の女神》の創世神話だ」



 王城区・アティス王国騎士学校の講堂で、教官が厳かにそう告げる。

 そして候補生達の顔を一人ひとり確認するように見渡してから、彼は言葉を続けた。



「さて、いよいよ本題である《星神》についてだが、彼らは人から生まれる以上、我々と大きく変わっている訳ではない。一般人との間に子供を授かることだって出来る。ただ二つの点を除いては、何も変わらないと言ってもいいだろう」



 そこで教官は、一人の特徴的な候補生を指名する。

 真面目ではあるのだが、何故かいつも武装していることで有名な候補生だ。



「サーシャ=フラム候補生。《星神》の二つの特徴とは何だ?」



 サーシャは教官の質問に立ち上がり、講堂に沁みわたる澄んだ声で回答した。



「はい。《星神》の特徴とは、人の願望を具現化する能力があること。そして、その能力を使用する際に、髪の色が銀色に変化することです」



 教官は満足げに首肯する。この候補生は武装のこと以外なら本当に真面目だ。



「うむ。概ねその通りだ。さらに説明すると《星神》は一人では願いを叶えられない。必ず願い手――願いを望む人間が必要になる。他者の願いを聞き届け、大気に満ちる星霊を操り具現化する。それが《星神》の能力なのだ」



 ふむ、と教官はあごに手を置いて、



「ではフラム候補生。星霊とは何か、答えられるか?」



「はい。星霊とは、世界を構成する万物の素のことです。

 通常、星霊は目には見えません。ですが、《星神》が《願い》を叶える時のみ光を放ち、その後、気体、液体、固体とあらゆるものに変化します。

 また鉱山で発掘される《星導石》を用いれば、鎧機兵の動力源たる恒力に変換することも可能です」



 完璧といってもいい回答に、教官は笑みを浮かべた。



「うむ。その通りだ。そして恒力は鎧機兵のみならず、室内の照明や街灯、工場の運用に、船の動力、最近作られた通話機などにも使用されている。

 我々の生活において星霊の恩恵は大きい。それを幾つかの条件付きとはいえ、自在に操る《星神》はそれだけ重要な存在ということだ。

 ――では、ここで《星神》の能力の具体例を述べてみよう」



 教官はサーシャに着席を促した後、言葉を続ける。



「《星神》の能力は主に三種類ある。壊れた物を修復する《復元》。

 何もない場所から剣や服などの無機物を精製する《創造》。

 さらに百年に二、三人しか生まれないという金色の髪の稀少種、《金色の星神》のみが使える治癒能力――《再生》の三つだ……」



 と、そこまで説明した時点で、教官は苦々しく口元を歪めた。自分に注目する候補生達の視線が、まるで詐欺師を見るかのようなものに変わっていたからだ。



「おいこら! 不審げな顔をするな! うさんくさいかも知れんが、《星神》はちゃんと実在するんだぞ! それも数千という人数でだ!」



 鋭い一喝が講堂に響く。未だ完全には不信感を拭えていないようだが、とりあえず真剣さを取り戻した候補生達の顔を確認した後、教官は表情を引き締める。



「……で、ここからが本題だ。稀少種も含め、すべての《星神》には共通の能力がある。通称、《最後の祈り》と呼ばれる力だ」



 再び、講堂内を見渡す。ふああっと大きな欠伸をする赤い髪の候補生を除けば、みな自分の言葉を聞き逃さないように真剣な顔をしていた。

 その候補生の態度を不快に思ったが、今はとりあえず黙殺して講義を進める。



「《星神》の力とて万能ではない。当然、限界もある。しかし、彼らは、ただ一度だけその限界を超えることが出来るんだ。自らの命と引換えに、死者の蘇生さえ可能とする《星神》の最期の奇跡――それが《最後の祈り》だ」



 そこで息を吐く。ここからが特に重要なのだ。



「ここまでなら命をかけた美談にも聞こえるかもしれんがこの話には続きがある」



 そして教官は、再度一人の候補生を指名することにした。

 ――ただ一人、だらけきった態度を取る不真面目な候補生を。



「アンディ=ジラール候補生。続きを答えてみろ」



 ジラールと呼ばれた候補生は「つまらない質問だ」と鼻で笑いながら立ち上がった。

 年の頃は十七歳ほど。肩までのばした燃えるような赤い髪に、彫りの深い顔立ち。黙って立っていれば、美男子と呼んで差し支えのない長身の少年だった。

 この学校において上位十名の候補生――十傑のみに着用が許された蒼いサーコートを、まるでマントのようにたなびかせて、少年は答える。



「聖骸化でしょう。《最後の祈り》で死んだ《星神》が強力な化け物として黄泉返る現象。生前の記憶も人格も失い、目に映る人間を無差別に襲うんでしたっけ?」



 小馬鹿にしたようなジラールの態度に、教官は睨みつけるような視線を送るが、赤髪の少年は意にも介さない。厄介な候補生に嘆息しながらも講義は続く。



「……その通りだ。聖骸化した《星神》は殺戮者――《聖骸主》となる。

 常識を超えた身体能力と、自然治癒力に加え、《天蓋層》と呼ばれる防御術まで持つという。しかも《聖骸主》は願い手なしで幾らでも星霊を操れるのだ。

 まさに災厄に等しい存在。その恐るべき脅威に対抗するため、生まれたのが――鎧機兵なのだ」



 厳かに締める教官。しかし、ジラールは馬鹿馬鹿しいとばかりに異を唱えた。



「いやいや、そんな大げさな。《聖骸主》なんて、要は《星神》の死体なんですよね? そんな人間サイズの敵なんて、鎧機兵なら簡単に始末出来ますよ。多分、大型魔獣の方がよっぽど手強いと思いますけど」



 と、肩をすくめる少年。そのあまりの言い草に教官は唖然とした。

 ――が、すぐに柳眉を逆立てて、



「こ、この馬鹿者が! 巨体だけで《聖骸主》に勝てる訳がないだろう! たった一人の《聖骸主》を倒すのに、鎧機兵が何十機必要だと思っているんだッ!」



 ビリビリと怒鳴り声が講堂に響く。その場の全員が思わず耳を塞いだ。

 と、その時。


 ――リンゴーン、リンゴーン。


 どこか間の抜けた音が講堂内に鳴り響いた。終業を告げるベルの音だ。

 残念だがもう時間がない。教官は怒気を抑え、不機嫌そうに講義を終える。



「……ふん。今日はここまでだ。各自、復習をしておくこと。以上」




 アティス王国騎士学校――。

 王立による三年制のこの学校は、市街区にある一般的な学校とは違い、その名の通り「騎士」を育てるための学び舎である。十五~十八歳までの少年少女が入学しており、現在約五百名の騎士候補生達が在籍している。サーシャはここの一回生だった。

 その校舎は四階建てで、まるで城のような気品を漂せている。

 王城区にある家屋の多くがそうなのだが、白を基調にした石造りでかれこれ築六十年以上を誇る由緒正しい建造物だ。


 そんな校舎の一階。サーシャは大きな窓が並ぶ渡り廊下を一人歩いていた。

 白い代理石の廊下に心地良いリズムの足音が刻まれる。

 今日これからの予定を思うと、つい足取りが軽やかになるのだ。今にも駆け出しそうなほど彼女は浮かれていた。


 だからこそ、気付けなかった。

 いつの間にか、その男が近付いて来ていたことに。



「――やあ! サーシャ嬢。これはまた随分とご機嫌なようだね」



 サーシャの笑顔は、後ろから聞こえてきたその声に崩れてしまった。眉をしかめて明らかに不機嫌な顔で振り返り、声の主――ジラールを睨みつける。



「……あなたに会ったせいで、あまり良くないわ」



 サーシャは苦々しく答える。直前までの上機嫌が嘘のようだ。しかし、露骨に嫌悪感を示す彼女の態度にも、ジラールはにやにやと笑うだけだった。



「ああ、それは悪い事をした。しかし未来の妻に声もかけないのはどうかと思ってね」



 サーシャの顔が朱に染まる。

 だが、それは羞恥心ではなく怒りによるものだった。



「フラム家はッ! 私はまだ屈したわけじゃない! あなたの家から借りたお金も、私が騎士になって必ず返してみせる!」



 荒々しい気炎を吐くサーシャを、ジラールは鼻で笑う。



「やれやれ。まあ、納得いくまで頑張りなよ。君のあの骨董品で。――おっと、そう言えば不幸な事故で壊れたんだっけ。あの骨董品」



 愛機を骨董品呼ばわりされ、サーシャの表情に怒りが浮かぶ。



(こいつッ! 馬鹿にして!)



 一瞬、反論しようかと考えたが、今まさに生まれ変わろうとしている愛機の姿を思い出し、サーシャは迫力がまるで足りていない不敵な笑みを浮かべた。

 ――そうだった。あの子はもう骨董品じゃない。



「ご心配なく。丁度今日、修理が完了しました」



 胸を張ってそう告げるサーシャに初めてジラールが不愉快そうに表情を崩した。



「……最近、街外れの怪しげな工房に通っているという噂は本当だったのか……」



 その言葉にサーシャはプチっと切れた。額に青筋を立てる。



「怪しげとは何よ! 先生を侮辱するの! それだけは絶対に許さないわよ!」



 険しい顔でジラールを睨みつける。明らかに先程までと怒りの度合いが違っていた。

 彼女の心情を察したジラールは、唾を吐き出すようにチッと舌打ちし、



「……ふん。先生か……。どこの馬の骨かは知らないが、君も付き合う人間を選ぶということを覚えた方がいいよ」



 言いたいことを一方的に告げ、ジラールは背を向け去っていった。最後まで師を侮辱した男にサーシャは怒りで身を震わせる。が、すぐに視線を前に向けると、



(先生のことなんて何も知らない癖に……。捕まえて謝罪させてやる!)



 そう決意し、ジラールの後を追おうとしたが、


 ――ガシ。



(へ?)



 呆然とするサーシャ。

 一歩踏み出した時、突然、背後から抱きしめられたのだ。



「え? え? ひ、ひやあああああァ!!」



 廊下に響く少女の悲鳴。すると、



「ちょ、ちょっと……、いや、驚くのは分かるけど、ビビりすぎじゃない?」


「え? え?」



 サーシャは首だけを後ろへ向ける。

 すると、そこには絹糸のような栗色の髪を腰までのばした少女がいた。切れ長の蒼い瞳が今は優しげにサーシャを見つめている。蒼いサーコートを身に纏う彼女は、サーシャの幼馴染であり親友だった。



「な、何だぁ、アリシアかぁ、もう! 驚かさないでよ!」



 拗ねたサーシャに叱られた少女――アリシア=エイシスは、笑みを浮かべ、すぐにサーシャを解放した。

 続けて、アリシアはジラールが去った廊下の奥に視線を向ける。



「何? またあいつに言掛かりでもつけられてたの?」



 その言葉に、サーシャは少しだけ眉をひそめて、



「……ううん。大したことはないよ。挨拶しただけ」



 アリシアは、親友の琥珀色の瞳をじいっと見つめた。

 ジラールがサーシャに求婚していることは、この学校内では有名な話だった。


 サーシャの家――フラム家は、百五十年近い歴史を持つ名門ではあるが、あまり裕福ではない。俗にいう没落貴族というやつだった。

 対して、ジラール家は貴族ではないが、工場を用いた鎧機兵の生産・輸出で成り上がったアティス王国内でも十指に入る大富豪の一族だ。最近の噂では、外国の企業と技術提携をとり、さらにその資産を増やしているらしい。


 没落貴族の少女と、成り上がり一族の少年。


 血統目当ての典型的な政略結婚――に見えるが、意外にもそうではない。

 実際は血筋など関係なく、サーシャに心奪われたジラールの熱烈な求婚だったのだ。

 政略ではなく純粋な好意からの求婚。

 それだけならば、まだ好感も持てる話なのだが、ジラールの選んだアプローチの手段は考えうる中でも最悪のものだった。


 それは今から一ヶ月前のこと。よりにもよってジラールは、サーシャを手に入れるためにフラム家を詐欺まがいの謀略で陥れて、多額の借金をさせたのだ。

 そして、借金を盾にしてサーシャに結婚を迫る始末。

 蛇蝎の如く嫌われるのは当然だった。



(……絶対頭がおかしいわ。あの男は。あれがなんで十傑なのよ!)



 アリシアはサーコートの裾を握りしめ、親友を狙う卑劣な男に怒りを抱く。

 いっそ闇打ちしてやろうかと物騒なことまで考えるが、それではサーシャの立場を悪くするだけだろう。それにそんなことをした場合、何より心配なのは、周りに余計な勘ぐりをされ、サーシャの抱えるあの秘密まで露見する恐れがあることだ。



(……せめて、この子のあれだけは隠し通さないと……)



 アリシアはサーシャのヘルムに視線を向け、そのまま沈黙してしまう。

 急に無言となった親友に、サーシャは眉をひそめ、



「……? アリシア? どうしたの?」



 と心配げに尋ねた。アリシアは深々と息をつく。

 サーシャの秘密は自分が悩んでも仕方がない。自分では何の力にもなれないことだ。こればかりは成り行きに任せるしかない。

 そう自分に言い聞かせ、アリシアは気持ちを切り替えることにした。



「ううん。なんでもないわ。ところでサーシャ。今日もあの先生の所に行くの?」



 親友の問いかけに、サーシャは待っていましたとばかりの笑みを浮かべ、



「うん! 今日、《ホルン》の納品日なの! すぐにでもいかなくちゃ!」


「へえ~遂に完成したんだ。よくあの低予算であんな大改造が出来たものね」



 アリシアは記憶にある改造途中の機体を思い浮かべて――わずかに落胆する。

 この後、用事がなければ自分も見物したかったのだ。

 すると、そのせいだろうか、少しだけ意地悪なことを思いついた。



「ふ~ん。じゃあ、工房通いも今日で終わりなんだ?」


「へ? ……終わり?」



 サーシャは何を言われたのか分からず、ポカンとした表情を浮かべる。

 それは一体どういう意味だろうか? 確かに修復が完了したら仕事は終わりだ。終わりということはもう会えないということだ。会えない? 先生に? まだ自分は彼を名前で呼ぶことも出来ていないというのに? なのにこれで終わり――。



「ちちち、違うよ! そうじゃないよ! 修理は終わっても、私は先生から学ばないといけないことが、まだまだいっぱいあるんだから!」



 思わず顔を真っ青にして反論の声を上げるサーシャだった。

 あまりに予想通りの反応をする親友に、アリシアはクスクスと笑みを零す。

 しかし、不意に真剣な表情で、



「あなたが工房通いを続けるのはいいけどさ。実際あの先生って何者なの?」



 アリシアは、初めてサーシャに先生を紹介された日のことを思い出す。

 まるで恋人でも紹介したかのように浮かれていたサーシャには悪いが、アリシアは親友の師であるらしい白い髪の男を、一切信用していなかった。



「……私も何度か手合わせさせてもらったけどさ。正直、あの人の強さって尋常じゃないわよ。教官だってあそこまで無茶苦茶じゃない。……はっきり言うと異常よ」



 化けの皮をはがしてやる! そう思い挑んだ闘いは、見事なまでに惨敗だった。

 剣も、拳も、何一つ届かなかった。一方的に打ちのめされ、しかも、自分に怪我をさせないよう手加減されていることがありありと分かった。


 十傑のプライドなど木っ端微塵となり、気付いた時には頭を垂れ、弟子入りを志願していたぐらいだ。まあ、その願い自体は、彼の傍にいる空色の髪の少女に「弟子は一人まで」と言われ、却下されてしまったが……。


 と、つい回想に没頭していたアリシアだったが――ふと気付く。

 どうもサーシャの様子がおかしい。何故か俯いてずっと黙り込んでいる。



「どうかしたの? サーシャ」



 そう声をかけると、サーシャは顔を上げて、儚げな笑顔で答えた。



「……改めて思うと、先生のこと、私もよく知らないなと思って。まだ知り合って三ヶ月ぐらいだし、仕方がないのかな……」



 アリシアは呆れたような笑みを浮かべる。

 まったくこの子は――。



「やれやれ、大丈夫なの? そんなんじゃユーリィちゃんに先生とられちゃうわよ」



 サーシャは再びポカンとした表情を浮かべるが、今回の変化は早かった。

 少女の顔が一気に赤く染まる。

 この早さは彼女自身が、自分の気持ちを自覚しているためだろうか。



「ななな、何を言ってるの! 先生とはまだそんなんじゃ! そ、それに先生、ユーリィちゃんは妹とか、娘みたいなものだって言ってたしっ!」


「でもあの子、私に自己紹介する時、いつか本当の家族になる予定だって言ってたじゃない」



 アリシアは綺麗な顔立ちをした空色の髪の少女のことを思い出し、苦笑する。

 ――サーシャの恋敵は、随分と手強そうだ。



「ま、頑張りなさい。話のネタとしては面白そうだしさ!」



 そんな親友のエールに、サーシャは深い溜息をつくだけだった。

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