前へ目次 次へ 90/612 第九十話 足の爪を切る。 風呂上がりでないと固くて難しい。 だが、夜に爪を切ると親の死に目に会えないとか。 「ん? ああ、親はもういないんだった」 すると、娘がやって来た。 「お父さん爪を切ってるの? 次に爪切りを貸してね」 「おい、夜に爪を切るのは良くないんだぞ」 「そんなこと迷信よ」 「親の死に目に会えないぞ」 「そんなことないわよ」 あっけらかんと答える娘。 「父の死に目に会えなくなるんだぞ」 「はいはいもういいわ」 それでよし。