前へ目次 次へ 88/612 第八十八話 焼き鳥のいい匂いが路地に広がる。 学校帰りの子どもたちの腹に響くようだ。 「あーあ、食べたいなあ」 「だけど、金もないしなあ」 店先で焼き鳥屋の親父が団扇で扇ぐ。 「それをされるとなあ」 そうとは知らず買いに来た。 「スキミを二十本、ネギ皮を十本ください」 その中に回覧板の少年がいた。 「食べるか」 周りが激しく頷く。 「親父さん、五人に一本ずつ。ちょっとだけだ」 「わーい。ありがとうございます」 お友達がいっぱいできた。