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第八十五話

 昼ごはんにウルメを焼く。

 いい匂いだ。

 シロまでがにゃーにゃーと近寄って来る。

「お前は味を知ってるかな」

 このウルメは土佐の高いウルメだぞ。

 メザシとは訳が違う。

 一尾が百円以上だぞ。

 ためしにスーパーのメザシとウルメを焼いてみる。

 シロの目の前に両方を出してみる。

 じろっと私を見ると、急に高いウルメから食いついた。

「おい、俺に盗まれるとでもいいたげな素振りだな」

 食卓に置いたウルメをさらに凝視する。


 危ない奴だな。

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