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第七十七話

 深夜になった。

 久しぶりに旧友とはしご酒をしてしまった。

「ただいま」

「お帰りなさい」

「おや、起きていたのかい」

「ええ、眠れなくて」

「そうか、昼寝でもしたのか」

「違います、心配で」

 おう、そういう気持ちがまだあったのか。

 ちょっと嬉しい。

「お土産は?」

「ないよ」

「あら、木下さんと飲むといつもお寿司のお土産だったのに」

「彼も退職したからね」

「そうなの」

 ふーっと、大きなため息がつく家内。


 寿司を待っていたのか。

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