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第六百四話
いい匂いだ。
隣の家の台所から、肉が焼ける匂い。
「どれ、我が家の夕飯は何だろう」
入るなり、大根の匂い。
「これは干し大根か」
肩が落ちる。
隣の肉の匂いを嗅ぎながら飯を食うことにするか。
「ねえ、今晩は何だと思う?」
「干し大根」
「それもあるけど、いいものもらったの」
「ん?」
妻の手にあるのは薄くて長い、ウナギだ!
「どうしたの?」
「友だちが届けてくれたの。夫婦でウナギが苦手だそうよ」
うん、持つべきものは友だち。
いい匂いだ。
隣の家の台所から、肉が焼ける匂い。
「どれ、我が家の夕飯は何だろう」
入るなり、大根の匂い。
「これは干し大根か」
肩が落ちる。
隣の肉の匂いを嗅ぎながら飯を食うことにするか。
「ねえ、今晩は何だと思う?」
「干し大根」
「それもあるけど、いいものもらったの」
「ん?」
妻の手にあるのは薄くて長い、ウナギだ!
「どうしたの?」
「友だちが届けてくれたの。夫婦でウナギが苦手だそうよ」
うん、持つべきものは友だち。