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第五百九十話
チューリップが咲いてきた。
「あなた、切り花にするから鋏を取って」
「ほいほい」
「きれいだね」
「今年は早いわね。暖かいから」
「花弁がいっぱいのチューリップだね」
「ええ」
「なんていうの?」
「知らない。いつも安売りの三十球を買うから」
「そうか、何が出るかわからないんだな」
「今年は当たりよ」
得意そうに話す妻。
「外れもあるの?」
「ええ、小さくて茎が短いときもある」
「ふーん」
「今年は私に似て足長なの」
はいはい。
チューリップが咲いてきた。
「あなた、切り花にするから鋏を取って」
「ほいほい」
「きれいだね」
「今年は早いわね。暖かいから」
「花弁がいっぱいのチューリップだね」
「ええ」
「なんていうの?」
「知らない。いつも安売りの三十球を買うから」
「そうか、何が出るかわからないんだな」
「今年は当たりよ」
得意そうに話す妻。
「外れもあるの?」
「ええ、小さくて茎が短いときもある」
「ふーん」
「今年は私に似て足長なの」
はいはい。