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第五百八十三話

 朝からオペラのごとく声を出している妻。

「ずいぶんご機嫌だね」

「ええ、今日は友だちと会うの」

「へえ、それでおめかししているんだね」

「ちょっと、ファスナー上げて」

 どう見ても無理そうだ。

「よいしょ、上がらないよ」

「えー、困る」

「そんなこと言ったって」

 背中の肉を減らしてよ。

「じゃ、何着ていこう」

「ニットならいいじゃない」

「ダメ、毛玉が出てるもん」

「じゃ、スエットは?」

「あなた! 掃除に行くわけじゃないの!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 第五百八十三話 拝読しました。 上に何かを羽織れば問題なしです。
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