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第五百五十一話

 妻と映画館へ行く。

「あなた、シニアの人は割引ですって」

「よかったね。安いのはいいことだ」

「ポップコーンを買わない?」

「僕はお腹いっぱい」

「私は別腹」

 始まる前からポップコーンを頬張る妻。

「まだ予告編だよ」

「いいの、気分は上々よ」

「この前はインド映画だったな」

 今日はハリウッドの娯楽映画。

 わくわくする。

 壮大な音楽と同時に大きなくしゃみ。


 妻がポップコーンをまき散らした。


 暗がりの中、二人で拾い続ける羽目に。

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