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第五百五十話

 花見に行くことになった。

 それも突然。

「あなた、あの川の土手がほらテレビに映ってる」

「ああ、きれいだな」

「行きましょう」

「いや、でも人でいっぱいじゃないか」

「お天気いいし」

「それはそうだが、弁当は?」

「作らない」

「え? 作らないの?」

「今、ネイルしたもん」

「つまらないな」

「買えばいいじゃないの」

「じゃ、僕がおにぎりでも作ろう」

 妻はテレビに映るかもと真剣に服選び。

「似合う?」


 見てないけどいいよと答える。


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