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第五百三十一話
朝から妻が絵手紙に取り組んでいる。
「この柿の色はこれでどう?」
「いいね」
じっと筆を持ち静かにしているときの妻はまるで別人だ。
「僕も描いてみようかな」
「どうぞ、そこに筆があるわよ。墨もどうぞ」
「よし」
柿を穴が開くほど見つめて描く。
いつの間にか傍らに立ってる妻。
「上手いわね」
「そうか」
滅多に褒められないから無性にうれしい。
「このコートどう?」
革のコートを着ている。
「いつ買ったの?」
「結婚前」
大嘘つき。
朝から妻が絵手紙に取り組んでいる。
「この柿の色はこれでどう?」
「いいね」
じっと筆を持ち静かにしているときの妻はまるで別人だ。
「僕も描いてみようかな」
「どうぞ、そこに筆があるわよ。墨もどうぞ」
「よし」
柿を穴が開くほど見つめて描く。
いつの間にか傍らに立ってる妻。
「上手いわね」
「そうか」
滅多に褒められないから無性にうれしい。
「このコートどう?」
革のコートを着ている。
「いつ買ったの?」
「結婚前」
大嘘つき。
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