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第四百九十三話

 台所からいい匂い。

 これは赤飯だな。

 ちょっと待て。

 何の日だったっけ。

 結婚記念日?

 違う。誕生日?

 いやいや、もちろん僕の誕生日ではない。

 待て待て。

 慌てるな。

「ちょっと散歩してくる」

 何の日か思い出さないと後がやばい。

 えーと、あとはどんな日があるというんだ。

 とりあえず、花でも買っていこう。

 ドキドキ。

「ただいま」

「あら、お帰りなさい」

「はい、これ」

「あら、覚えていてくれたのね」

「もちろん」


 それで何の日だった?

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