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第四百九十二話

 春やら夏やらわからない日が続く。

 布団を干したら夜は暑くて眠れない。

「ねえ、寝苦しい日が続くわね」

「そうかな、君はよく寝てるよ」

「あら、私は全然眠れないわ」

「でも、いびきをかいてるよ」

「そんなことないわ、本当に眠れないもん」


 夕食に二人でワインを飲む。

「これが眠り薬には最適ね」

 先にベッドに入った妻。

 凄まじいいびきでこちらは枕で耳をふさぐ。

 自分のいびきで目を覚ます。


「いやだ、あなたがうるさくて眠れない」

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