前へ目次 次へ 47/612 第四十七話 朝から孫が来た。 「おばあちゃん、この指とーまれ!」 「なんで?」 「いいからとまって」 「はいはい」 小さな人差し指につかまる大きな手。 「じゃ、かくれんぼするんだね」 「したくないけど」 「この指に止まったでしょ! 僕が鬼になってあげるから隠れていいよ」 そう言われてもどこに身を隠す。 床の間の軸の後ろに隠れようとした途端、転びかけた。 慌てて掴んだ掛け軸。 ビリッ。 「また叱られちゃうわ」 しばらくこのまま隠れていたい。