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第四百五十五話

 庭でパターの練習をする。

 花壇に植えたパンジーの後ろで土の中から芽だ。

「おお、チューリップだ!」

 あわてて家内を呼ぶ。

「おーい、芽が出てるぞ」

「私もそう」

「へ?」

 何を言ってるか意味が分からん。

 思わず靴を脱いで部屋に入る。

 家内は鼻歌で掃除機を掛けている。

「だから、芽が出てるって」

「だから、私もだって」


 振り返った家内はまるでジェイソン。

 顔に貼られたパックから目だけ光る。


「チューリップが」

 

 なぜか声が震える。


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