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第四百五十三話

 布団を干していると、隣に庭からいい匂い。

 焼き芋をしている。

「奥さん、いい匂いね」

 思わずベランダから声を掛けた。

「田舎から送って来たんだけどいかがですか?」

「え? まあ、催促したみたいね」

「もう焼けますから」

 嬉しくてルンルン気分で階段を下りる。

「きゃあああ」

 すごい地響きとともに落ちた。

「大丈夫ですか?!」

 奥さんもびっくりしてやって来た。

「うーん」

 声が出ない。

 腰が痛い。


 でも、差し出された芋は握っていた。

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