425/612
第四百二十五話
銀行で粗品をもらった。
積み立ててきた車検のための貯金。
一年間もこつこつ貯めたのに本当に粗品なのね。
ポケットティッシュ、メモ帳、ラップ。
家に帰って夫に話す。
「こんなものばっかり」
「だけど、いくら貯めたのさ」
「十二万円」
「ふーん、それなら多いぐらいだろ」
「そうかしら」
「僕なんか……」
「へ?」
あわてて口をつぐむ夫。
「あなた、積立していたの?」
咳をしながら去ろうとする夫の上着をつかむ。
「お話しましょうね」
銀行で粗品をもらった。
積み立ててきた車検のための貯金。
一年間もこつこつ貯めたのに本当に粗品なのね。
ポケットティッシュ、メモ帳、ラップ。
家に帰って夫に話す。
「こんなものばっかり」
「だけど、いくら貯めたのさ」
「十二万円」
「ふーん、それなら多いぐらいだろ」
「そうかしら」
「僕なんか……」
「へ?」
あわてて口をつぐむ夫。
「あなた、積立していたの?」
咳をしながら去ろうとする夫の上着をつかむ。
「お話しましょうね」
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。