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第四百七話

 ガラス拭きをしていると宅配便が来た。

「冷凍です」

「まあ、カニだわ」

 嬉しくてつい押印する手がポンポンと弾む。

 カニ鍋には日本酒かしら。

 あったかな。

 ちょうどいただいた吟醸酒が一本。

 白菜、白滝、豆腐にもやし、白ネギに大根おろしを添えて。

 ゆずもあるわ。

 夫からメール。

「飲み会に無理やり誘われた」

「いいのよ。カニが一人で食べられる。大きなタラバガニ」

 するとすぐに返信。

「無理言って断った」


 誰が誘ったの?

 あなたね。

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