前へ目次 次へ 40/612 第四十話 「あ、痛い。また口の中噛んじゃった」 口を押さえてしかめ面の家内。 「それは、肩が凝ってるんだよ」 「そうかしら」 「どれ、揉んであげよう」 久しぶりに家内の肩に手を置くと、あの細かった肩は何処に。 私より頑丈そうな肩。 「ああ、いい気持ち」 五分ほど経つとワナワナと手が震えてきた。 「おしまい」 「ありがとう。あなたもしてあげるわ」 肩を揉みながら家内が呟く。 「あなた、昔はがっちりしていたのに痩せたわね」 誰のせいだ。