前へ目次 次へ 38/612 第三十八話 久しぶりにネクタイを買おう。 「いらっしゃいませ」 「ちょっと春向きのネクタイを」 「こちらのはいかがでしょう」 ブルーの地にグリーンとピンクのストライプ。 「派手じゃないかな」 「いいえ、よくお似合いです」 白のワイシャツに合わせてみるとなかなか素敵だ。 彼女の手元にある色とりどりのワイシャツにも合う。 「じゃ、これにしよう」 「一万八千円です」 「!」 「やはり、もうちょっと考えてみる」 財布に一万三千円しかなかった。