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第三百七十七話

 あれれ、私の古いシャツがない。

「ねえ、私のシャツ知らないか」

「え? 今使ったわ」

「着てるの?」

「違うわよ、自転車磨いたの」

「なんで、雑巾でやらないの」

「シャツの方が使いやすいのよ、生地がぴったりなの」

「ひどいなあ」

「だって、もうあれは着ないでしょう?」

「そういう問題ではないさ。君のシャツでもいいんだろ?」

「私のはダメよ。まだ新しいもの」

「そうか」


 それって、私だけが着古しているような気がするんだけど。

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