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第三百六十三話

 家内がはがきを持って小躍りしてる。

「ランランラ~ン」

「どうしたの」

「当たったの」

「何が?」

「試写会のぺアチケットよ」

「ほー、それはよかった」

「来週の土曜日よ」

 さて、来週の土曜日か。

 何もなかったよな、予定は。

 いや、花見酒の約束があったっけ。

 ちょっと早いから断るか。

「悪いね、用ができて」

 

 さて、当日。

「じゃ、行ってきます」

「え?」

 私は?

「夜遅くなるわ」


 慌てて、友人に電話。

「やはり花見酒の方を優先するよ」

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