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第三百五十三話

 昼寝をしたせいか、夜になっても眠くない。

 隣で家内はいびきをかいて寝ている。

 確か、うたたねしていたのに、家内はよく寝ている。

 なぜだろうか。

 そうだ、寝酒でも一杯。

 もらった干物があったな。

 オーブントースターで焼いてると二階から足音が。

「いい匂い」

 恐ろしいほどの嗅覚だ。

「ちょっと寝酒でも飲もうかなと思ってね」

「じゃ、私も」

「君はよく寝ていたのに」

「ううん、眠れないの」

 嘘つき。


 二人で一杯。


 五分で家内は寝た。

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