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第三百四十一話

 「わかったわ、すぐ行くから」

 慌てて電話を切って身支度する家内。

「どうした?」

「産まれそうですって。今から病院へ行くって」

「そりゃ、私も」

「あなたは要らないわ」

 人をゴミみたいに言うなよ。

「まだ、これから数時間はかかるから」

「じんのときはどれぐらいだったっけ?」

「えーと、十三時間よ」

 ふう、女はえらいなあ。

「じゃ、行ってきます」

 その家内の足元はスリッパのまま。

「おいおい、靴」

「あら、やだ」


 頑張れ、娘よ!

 

 


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