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第三百三十四話

 「本当にごめんなさい」

「……」

「私が悪かったわ」

「……」

 

 外で話している声が、開けていたトイレの小窓から聞こえる。

 こんなに謝ってるんだから許してあげたらいいのに。

 でも、男は許す気がないようで答えない。


「ねえ、もう許して」

 私ならすぐ許す。

 どんな男なんだろう。

 トイレからは見えない。

 気になって出るものも出なくなった。


 外に出て見ると五歳くらいの女の子とママ

 手を繋いでいてママが転んだら娘まで道連れに。


 ちぇっ。


 


 



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