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第三百十六話

 元気な歌声がしてきた。

「おばあちゃん、おじいちゃん、僕だよ」

 はいはいと家内がドアを開ける。

「おばあちゃん、すぐにあけてはダメだよ」

 じんが真剣な顔で家内に話す。

「あら、どうして?」

「おれおれ詐欺だったらどうするの」

「それは電話でしょう」

「ちゃんと名前を確かめないと」

「はいはい」


 翌日のこと。

「おばあちゃん!」

「どちら様?」

「僕だよ!」

「どちらの僕?」

「漏れちゃうよ!」

 慌てて開ける家内。


 勝手なんだから。

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