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第二百八十三話
不燃物にビールの缶やびんを家内に頼まれて運ぶ。
年末ともなると、その量たるや半端じゃない。
「おっ、こんないい物捨ててるぞ」
我が家のぼろ布はゴムがゆるく膝の抜けたズボンや虫食いセーター。
だが、目の前にあるのはまだ上等な背広だ。
すると、自転車で来た若い男性が無言で荷台に積み始めた。
「ダメだよ、これは町内会の収入になるから」
すると、彼はこう言った。
「この背広で就職の面接に行くんです」
そうか、思わず黙った。
不燃物にビールの缶やびんを家内に頼まれて運ぶ。
年末ともなると、その量たるや半端じゃない。
「おっ、こんないい物捨ててるぞ」
我が家のぼろ布はゴムがゆるく膝の抜けたズボンや虫食いセーター。
だが、目の前にあるのはまだ上等な背広だ。
すると、自転車で来た若い男性が無言で荷台に積み始めた。
「ダメだよ、これは町内会の収入になるから」
すると、彼はこう言った。
「この背広で就職の面接に行くんです」
そうか、思わず黙った。
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