二百文字小説「煩悩の人」

第二百七十二話

　宏君と孫がやって来た。

「今日は二人です」

「そうか」

「ママは美容院なの」

「そうか、きれいになるね」

　家内がお茶とケーキを用意する。

「さっき、ケーキ屋さんで買ってきたところよ」

「わあ、いいところにお邪魔しちゃって」

　四人で食べていると宅配便が届く。

　でかい箱に孫は興奮気味。

「クリスマスプレゼントかな」

「違うよ、お歳暮だ」

　なんとティッシュペーパーが十二個。

「つまんないな」

　だが、じんの鼻水を拭くのに早速使った。